02/28/2025

やや強気
アレス・キャピタル
やや強気
ARCCが最大のBDCである理由は、その優れた長期リターンと安定した収益にあります。
【高配当】アレス・キャピタル(ARCC)とは?配当利回り8.3%の米国高配当BDCの今後の株価見通しと将来性!

close-up photo of assorted coinsヴェンカット・ ラガーヴァンヴェンカット・ ラガーヴァン
  • 本稿では、注目の米国高配当BDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)である「アレス・キャピタル(ARCC)とは?」という基礎的な内容から、2月5日発表の最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 価格と価値は異なる概念であり、長年愛用するジャケットやブーツのように、時間とともに価値が実感できるものがあると考えています。
  • そして、ポートフォリオ構築では短期の株価変動を気にしすぎず、長期的に価値を生み出す銘柄を選ぶことが重要であると考えています。
  • そして、本稿で紹介するアレス・キャピタルは、1株当たりの配当金は0.48ドルで予想配当利回り8.3%を誇る、安定した収益と高配当を提供するBDCであり、長期投資に適した銘柄として私が信頼を寄せる存在です。

はじめに

「価格は支払うもの、価値は得るもの」という言葉をよく耳にします。

若い頃の私は、この言葉の意味を理解していませんでした。支払った価格こそが、そのものの価値を決めると考えていたのです。しかし、年を重ねるにつれて、この考えがより深く理解できるようになりました。

外出する際、私は決まって手に取るジャケットがあります。もう7年以上愛用しています。さっと羽織ると、まるで自分の体にぴったりと馴染んでいます。このジャケットとは、良い時も悪い時も一緒に過ごしてきました。もはや購入時の価格は思い出せませんが、この7年間でどれほどの価値をもたらしてくれたかははっきりと分かります。

また、いつも履くブーツもあります。長年履き続けたことで、中敷きには私の足形がくっきりと刻まれ、まるでオーダーメイドのようにフィットします。おそらく、他の誰かが履けば違和感を覚えるでしょう。それほどまでに、私の足に馴染んでいるのです。購入時の価格は覚えていませんが、その価値と品質の素晴らしさについては、はっきりと言うことができます。

ポートフォリオを築く際の考え方

退職後の何十年にもわたって支えとなるポートフォリオを構築する際、支払う価格について最初から細かく気にしすぎる必要はありません。もちろん、過剰に高い価格で買うことは避けたいですが、10年後になって、購入時の正確な株価を本当に覚えているでしょうか?特に、その企業が長年にわたって価値を提供し続けている場合、その価格はそれほど重要ではなくなるはずです。

だからこそ、私のレポートのコメント欄で、「1カ月が経過したのに株価が下がってしまった」と嘆く声を目にすると、思わず笑ってしまいます。彼らは点は変える必要があります。私は何かを購入するとき、30日間の値動きではなく、何十年にもわたって価値をもたらしてくれるものを選んでいるのです。

今日は、私のポートフォリオの中でも特に古くから保有している銘柄のひとつに注目し、これまでのパフォーマンスを振り返りながら、長期的に得られた本当の価値について考えてみたいと思います。

それでは、始めましょう!

アレス・キャピタル(ARCC):予想配当利回り8.3%の私の信頼するBDC

アレス・キャピタル(ARCCは、予想配当利回り8.3%のBDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)であり、米国の中堅企業に対して融資や経営支援を提供しています。BDCは、経済の大きな部分を占める中堅企業に流動性を供給する重要な役割を担っています。実際、米国の中堅企業は民間部門のGDP(国内総生産)の3分の1以上 を生み出しています。

ARCCは上場しているBDCの中で最大規模を誇り、設立から20年が経過した今、経済サイクル全体を乗り越えてきた実績があります。BDC業界自体は比較的歴史が浅く、リーマン・ショック以降に大きく成長しました。そのため、多くのBDCは本格的な景気後退を経験したことがありません。

2024年、ARCCは事業拡大を継続しました。150億ドルの新規投資を行い、ポートフォリオ規模は267億ドルに拡大。これは、2023年の229億ドルからの成長となります。

ポートフォリオ・ハイライト

(出所:ARCCの2024年度第4四半期決算資料

ARCCは、このポートフォリオから2024年第4四半期にはコアEPSを1株あたり0.55ドル、年間で2.33ドル 記録しました。これは2023年よりも低い水準ですが、その要因は金利の低下にあります。BDCは固定金利で資金を調達し、変動金利で融資を行う ビジネスモデルを採用しており、金利上昇時には一時的な恩恵を受けることができました。

財務パフォーマンス・ハイライト

(出所:ARCCの2024年度第4四半期決算資料

また、ARCCのNAV(純資産価値)は19.89ドル に上昇し、過去最高 を更新しました。2023年末の19.24ドルからの増加となります。

多くの競合BDCが特別配当を支払う選択をする中、ARCCは資本を維持し、四半期配当を0.48ドルに据え置く方針を取りました。この戦略によりNAVの成長が促進され、低いレバレッジ比率を維持しながらポートフォリオを拡大できる強固な財務基盤を築いています。

また、2024年にかけてポートフォリオをより保守的な構成へとシフトしました。特に第一順位担保ローン への投資を強化し、その割合は2023年の44%から57% へと増加しました。

過去の財務情報(続き)

(出所:ARCCの2024年度第4四半期決算資料

ARCCは2024年第4四半期に非稼働資産(ノンアクルーアル)の増加を記録しました。ポートフォリオ全体のコストベースで1.7%に達し、これは2024年Q1と同程度 の水準です。

※Loan on non-accrual status(ノンアクルーアル・ステータスのローン):銀行や金融機関が貸し出したローンのうち、利息収入の計上を停止したものを指します。 一般的に、借り手が90日以上利息や元本の支払いを延滞している場合、金融機関はこのローンを「ノンアクルーアル」として分類します。これは、返済の見込みが低いと判断されるため、利息収入を計上せず、実際に回収できた場合のみ収益として認識する仕組みです。

(出所:ARCCの2024年度第4四半期決算資料

しかし、これはARCCにとって通常の変動範囲内であり、過去にも非稼働資産が増加した時期が何度もありました。例えば、2023年第4四半期のデータ を見ても同様の動きが確認できます。

(出所:ARCCの2023年度第4四半期決算資料

現在、ARCCの株価はNAV(純資産価値)に対して約15%のプレミアムで取引されており、これはARCCの過去の取引レンジの上限に近い水準です。

以上より、ARCCは、どのポートフォリオにも適した安定した基盤となる高配当銘柄です。今後も安定した収益を提供し続け、BDC業界のリーダーとしての地位を維持 していくことが期待できます。

アレス・キャピタル(ARCCに対する結論

アレス・キャピタル(ARCCを長期保有 することで、ポートフォリオに大きな利益をもたらすことができると考えています。ARCCがBDC業界で最も長い歴史を持つ理由は、競合を凌ぎ、新興のBDCを上回る成果を上げてきたからです。この銘柄は、まるで履き慣れたブーツのようにポートフォリオに馴染み、退職後も株式市場からの安定した収益をもたらしてくれる存在となると見ています。

ARCCは優れた経営陣 によって運営されており、中堅企業に不可欠な流動性を提供しながら、確かな価値を生み出しています。こうした企業は、個人投資家が直接関与することが難しく、所有する手段も限られている ため、BDCを通じて初めて投資機会が得られるのです。

BDC業界には多くの魅力的な銘柄や投資アイデア が存在しますが、本稿では最も歴史があり、規模も最大のARCCについて取り上げました。

私の記事を読んでくださるすべての方に、最高のリタイアメントを迎えてほしい というのが私の願いです。あなたのリタイアメントの成功が、私のリタイアメントの失敗を意味するわけではありません。

私たちは、互いに競争し、相手を打ち負かさなければならないという考えに陥りがちですが、それは誤った発想です。あなたも成功でき、私も成功できる ——お互いを犠牲にすることなく、それぞれが自分の道を歩んでいけるのです。

この考え方こそが、多くの人々がインカム投資家や配当投資家として成功しながら、他の投資家の利益を損なうことなく豊かなリタイアメントを実現できている理由のひとつです。

そして、ARCCは、安定した収益と優れたトータルリターン を提供してくれています。そのため、どのようなタイプの投資家にとっても、ポートフォリオの一部として大きな恩恵をもたらす銘柄であると考えています。


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アナリスト紹介:ヴェンカット・ ラガーヴァン

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