03/29/2025

強気
デイブ
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経営陣は、2025年の売上高が前年比で25%成長し、フリーキャッシュフローが9,000万ドルに達すると予測しており、将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という水準で取引されている同社の株式は割安に見えます。
デイブ(DAVE)株価予想:目標株価は130ドル?予想フリーキャッシュフローの13倍というバリュエーションは魅力的?

a pile of coinsマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国フィンテック銘柄であるデイブ(DAVE)の最新の財務分析を通じて、同社の株価予想、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • このネオバンクは独自のビジネスモデルにより、多額の負債を抱えることなく収益を拡大することが可能であり、自社株買いプログラムや戦略的なフィンテック企業との提携に支えられています。
  • 経営陣は、2025年の売上高が前年比で25%成長し、フリーキャッシュフローが9,000万ドルに達すると予測しており、将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という水準で取引されている同社の株式は割安に見えます。
  • 法的リスクや景気後退の影響といった懸念はあるものの、同社の利益重視の姿勢や着実な顧客獲得戦略により、持続的な成長と市場での評価獲得を期待しています。

デイブ(DAVE)の現状

デイブDAVE)は、本質的価値に対して大幅に割安で取引されている魅力的な投資先であると考えています。

このネオバンクに惹かれる理由は、バランスシートに過度な負担をかけることなく、収益を拡大できる点にあります。

実際、ここ数週間の間に同社は自社株買いプログラムを発表しており、過度な負債を抱えることなく貸出資産を拡大できるという同社のバリュープロポジションを裏付ける内容となっています。これにより、同社のビジネスモデルは非常にユニークなものとなっています。

同社の力強い成長率と、来年に向けた前年比25%の成長ガイダンスを踏まえると、将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という足元のバリュエーションは割安であると考えています。

そして、2026年初頭までの目標株価は、1株あたり130ドルを維持しています。

本稿では、その理由を詳しく解説していきます。では、早速、本題に入っていきましょう!


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デイブ(DAVE)を取り巻く重要な背景

現在、市場はAI関連の熱狂をあまり感じていません。過去の歴史が示すように、困難な時期にも投資を継続することで、中長期的には最も良好なリターンが得られる傾向があります。しかし、短期的なネガティブな感情に過度に意識を向けてしまうと、精神的に大きな負担になる可能性があります。

その理由は以下の通りです。

まず、市場の雑音に巻き込まれやすくなります。市場の転換点を常に探し続けることに集中しすぎると、時間の経過による自然な成果を見逃してしまいます。そうした執着は、往々にしてより良い判断を妨げます。

次に、期待を高く持ちすぎると、自分自身を圧倒する結果になりかねません。市場で「こうなるはず」と思っていたことが実現しなかった場合、フラストレーションが生まれやすくなります。そしてそのフラストレーションは、過剰な売買などの誤った判断へとつながることが多いのです。

さらに、損失は利益よりも約3倍の心理的痛みをもたらすと言われています。株価が下がったとき、「せめて損失を取り戻したい」という気持ちが強くなり、それが冷静さを失わせます。最善の策は、企業に成長の時間を与えることです。

そして最後に、自分がいくらその銘柄を買い続けても、市場がすぐに反応してくれるとは限りません。株価は、自分が「今上がってほしい」と思ったタイミングではなく、市場が準備できたときに動くものです。覚えておくべきことは、「株価は階段を上がっていき、エレベーターで下がる」ということです。時間こそが、パフォーマンスを導く最大の原動力なのです。

これらを踏まえたうえで、他にも注目すべき投資機会が存在することを強調しておきたいと思います。

デイブ(DAVE)とは?

デイブDAVE)は、AI関連銘柄の熱狂とは一線を画す興味深い投資機会であると考えています。というのも、同社は現実の社会課題、特に従来の銀行サービスが行き届かない人々に対して、より良いお金の管理を支援するという実用的な問題に取り組んでいるからです。

市場の雑音に翻弄されやすいAI銘柄とは異なり、同社は着実な成長と収益性の改善に注力しています。

AIのブームに乗るかどうかに関係なく、同社の成功は顧客獲得、プロダクト拡充、財務の規律といった具体的かつ実行可能な要因に支えられており、「AIが次の大きな波になる」必要はありません。

さらに、同社は大手フィンテックバンクとの提携により、今後さらに大きな飛躍を目指せる体制を整えています。この提携により、資金調達力の向上、リスク管理体制の強化、業界内での信頼性の向上といった多くのメリットを得ています。

AI銘柄がその価値を証明するまでに時間がかかる可能性がある一方で、同社はすでに実際の成果を上げており、会員数の増加に向けた道筋も明確に描かれています。

CACおよび新規会員獲得数(千人単位)

(出所:デイブの2024年第4四半期決算資料)

同社の顧客獲得戦略は、多様なマーケティング手法に基づいており、特にソーシャルメディアやストリーミングチャネルの活用に力を入れています。

ご覧の通り、2024年第4四半期には、顧客獲得コストが12%上昇したにもかかわらず、会員数は前年比で12%増加しました。これは、マーケティング投資を増やし、その成果が収益化の改善によってしっかりとリターンとして表れたためです。

また、同社が新たに導入した固定料金モデルは、長期顧客からの収益性を高める仕組みとなっており、これにより信用枠の拡大や顧客維持率の向上を実現しています。

こうした構造により、1ユーザーあたりの収益が増加し、それがさらなるマーケティング投資の正当性を生み出し、収益性の高い成長を持続させる“フライホイール効果”が生まれています。

以上の背景を踏まえたうえで、次に同社のファンダメンタルズについて見ていきましょう。

デイブ(DAVE)の売上高:売上高成長率は25%超を示唆

デイブの売上高成長率(%)

デイブDAVE)は、昨年の好調な業績との比較という厳しい状況に直面しています。それにもかかわらず、経営陣は堅調な成長を見込んでおり、来年の売上高は前年比で約25%の成長を予想しています。

四半期ごとに20%超の成長を継続し、それが今後も続くと見込まれる企業は、いずれ市場の注目を集めるようになります。そのような企業に対して、投資家は時間の経過とともにプレミアム(割高な評価)を支払うようになる傾向があります。だからこそ、私は同社の株価に強気な見方をしています。特に、現在の魅力的なバリュエーションを考慮すれば、なおさらです。

デイブ(DAVE)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの13倍

デイブDAVE)は、約2,500万ドルのネット負債を抱えています。このバランスシートは決して理想的とは言えず、個人的には、同社のネットキャッシュが6,000万ドル(時価総額の約5%が現金で構成される水準)に近づいてほしいと考えています。

とはいえ、経営陣は財務基盤は十分に安定していると判断しており、最近では無期限の自社株買いプログラムを発表しました。

もっとも、実際に同社がこの自社株買い枠を使い切るとは期待していません。これはやや攻めすぎた姿勢かもしれないと感じているためです。しかし、経営陣が現在の株価を過小評価と見ていることは、投資家にとって好材料だと考えます。

さらに、私は2025年のフリーキャッシュフローが約9,000万ドルになると引き続き予測しています。以下がその根拠です。

2025年の業績見通しの策定

(出所:デイブの2024年第4四半期決算資料)

同社は、2025年のEBITDAが最大1億2,000万ドルになるとガイダンスを出しています。そして、EBITDAからフリーキャッシュフローへの変換において25%の減少を想定した場合、約9,000万ドルのフリーキャッシュフローが期待できることになります。

この予想が正しければ、現在の株価は将来のフリーキャッシュフローの13倍という評価になります。参考までに、PEGレシオで換算すると0.5倍程度です。これらを総合的に考慮すると、同社は非常に魅力的な投資対象であるように見えます。

デイブ(DAVE)を取り巻くリスク要因

米国が景気後退に陥った場合、ローンに対する顧客の需要は急速に減少し、延滞率は上昇します。そして、需要が実際に減少し始める前に、投資家はフィンテック関連銘柄全体を先回りして売却し始める可能性があります。

こうした懸念については、すでに株価に織り込まれている部分が大きいと考えていますが、近い将来に景気後退の明確な兆候が見られた場合には、柔軟に対応する姿勢を保っていきます。

もう一つのリスクは法的な側面にあります。デイブDAVE)は、2024年11月に米連邦取引委員会(FTC)によって最初に提起された訴訟に直面しており、その後、12月に米司法省によって訴状が修正されています。

この訴訟は、同社の中核ビジネスモデルそのものを対象としたものではなく、主に消費者の手数料に対する同意手続きに焦点を当てたものです。

同社は自社の法的立場に自信を持っており、この訴訟に対しては技術的な不備があるとして、訴えの却下を求める申し立てを行っています。また、法的手続きが進行する中で、同社は自主的に製品の透明性向上に向けた改良も実施しています。

この法的問題はすでに一定期間株価に影響を与えており、新たな情報ではありません。私はこの問題も、株価に何度も織り込まれてきたと考えています。

デイブ(DAVE)に対する結論

デイブDAVE)は堅実な財務基盤のもとで、収益性に対する規律を維持しつつ、非常に力強い成長を遂げています。多くのAI銘柄が依然として価値を証明しようとしている中で、同社はすでに明確かつ測定可能な成果を上げています。

経営陣は2025年に前年比25%の売上成長と、9,000万ドルのフリーキャッシュフローを見込んでおり、それにもかかわらず株価は将来のフリーキャッシュフローのわずか13倍という大幅な割安水準で取引されています。さらに、自社株買いプログラムや戦略的パートナーシップを加味すれば、同社は単なる投機的なフィンテック企業ではなく、明確な上昇余地を持つ過小評価された企業であるように見えます。

市場のセンチメントはいずれ反転すると考えており、その理由としては、これらの数字そのものが、同社の実力を証明していると考えるためです。

そのため、2026年初頭までの目標株価である、1株あたり130ドルを維持しています。


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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

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