一昨日、米国株式市場が開く前に発表されたインフレ報告は、非常に優れた内容でした。通常であれば、こうした報告は米国経済のソフトランディング(軟着陸)を後押しする朗報として受け止められ、株価を押し上げるはずです。しかし実際には、ダウ工業株30種平均が1,000ポイント下落し、S&P500は3.4%安、ナスダック総合指数は4.3%の下落となりました。前日に記録的な上昇を見せていたため、主要株価指数がある程度値を戻すのは驚くことではありませんでしたが、懸念されたのは長期金利の再上昇でした。10年物米国債利回りは4.5%に迫り、ドルは2%近く急落して2024年10月の安値を記録し、金価格は史上最高値を更新しました。これは非常に危険な組み合わせであり、すべてはトランプ大統領の関税に関係しています。
水曜日には、金融市場の圧力により、大統領はそれまでの相互主義的な貿易政策から方向転換を余儀なくされました。このままでは確実に世界経済を景気後退(リセッション)に追い込むところでしたが、今回の転換はなんとか流血を止めるにとどまりました。しかし、昨日の市場の動きを見る限り、市場はさらに踏み込んだ対応を求めていることが明らかです。中国からの輸入品に対する関税を145%に引き上げるという方針は、明らかに間違った方向への一歩です。これは、事実上、両国間の貿易を停止させるも同然です。
ドルの急落は、世界の投資家が米国資産から資金を引き揚げ続けていることを示しています。仮に、こうした関税措置が米国内への投資を促すことを目的としているのであれば、現状ではむしろその逆効果となっているように見えます。

(出所:Bloomberg)
幸いなことに、私が2年以上にわたって予測してきたソフトランディングの実現は、非常に近づいていると考えています。3月の消費者物価指数(CPI)はすべての指標で予想を上回る改善を示し、総合で2.4%、食品とエネルギーを除いたコア指数でも2.8%まで低下しました。

(出所:TradingEconomics)
食品、エネルギー、住宅費、中古車価格を除いた「スーパーコア」インフレ率は、現在1.8%と、非常に穏やかな水準に落ち着いています。この指標は、住宅費の下落が統計に反映されるまでに時間差があるという算出方法の特性
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