クラウドセキュリティは今後どうなる?コンプライアンス重視からリアルタイム保護へ(Part 1:CWP)
- 本稿では、クラウドワークロード保護(CWP)の進化と現在の位置づけ、さらにAI活用の拡大やHuaweiによる自律型セキュリティの台頭などを通じて、次世代クラウドセキュリティの今後の見通しについて詳しく解説していきます。
- クラウドセキュリティの標準は、ポスチャー管理、ワークロード保護、実行時保護を統合した包括的なプラットフォームへと進化しており、「クラウドセキュリティの三重苦(トリレンマ)」の解決を目指す形となっています。
- 企業が業務全体にAIを急速に導入する中で、クラウドインフラの重要性が増しており、それに伴い、スケーラブルでリアルタイムに対応可能なクラウドセキュリティソリューションへの需要が高まっています。
- そして、本稿Part 1では、CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)の実行時レイヤーであるCWP(Cloud Workload Protection)に焦点を当てています。CWPは2〜3年前まではエージェントレスアプローチに比べて支持を失っていましたが、リアルタイム保護へのニーズの高まりを受けて、現在では再評価されつつあります。
- LLM-Ops(大規模言語モデルの運用)、コパイロット(支援AIツール)、そしてAIエージェントの初期的な台頭により、CWPは自動化と実行時インテリジェンスによって特徴づけられる新たな局面に入りつつあります。
はじめに
クラウドセキュリティは、複数のクラウドセキュリティ機能を一つに統合する「クラウドネイティブ・アプリケーション保護プラットフォーム(CNAPP)」の台頭によって、新たな定義が与えられています。この統合は、以前の「クラウドセキュリティ三重苦(トリレンマ)」──包括的な保護、導入の容易さ、リアルタイム対応のバランスをいかに取るかという長年の課題──への解決策となっています。

(出所:筆者作成)
そして2025年、クラウドセキュリティにおける新たな章が幕を開けました。2025年3月18日、GoogleはWizを320億ドルで買収すると発表しました。これはGoogle史上最大の買収案件であり、スタンドアロン型CNAPPの時代の終焉を示す出来事となりました。Wizの買収により、主要なクラウドセキュリティ企業はいずれも高成長の独立系企業ではなく、大規模なプラットフォーム企業となりました。業界は、2020年から2023年にかけての急進的なイノベーションの時代から、統合、業務の効率化、投資家の過剰な期待の後退といった成熟の段階へと移行しています。
ここで問われるのは、「戦場が再編された今、次の段階──より慎重で測定可能なクラウドセキュリティの進化──において、どのプラットフォームが覇権を握る可能性が最も高いのか?」という点です。
現在、パロアルトネットワークス(PANW:Prisma Cloud)、Wiz、センチネルワン(S)、クラウドストライク(CRWD)、Orca Security、Aqua Security、Sysdig、フォーティネット(FTNT:Lacework買収により強化)といった主要ベンダーが市場をリードしています。各社は、Cloud Workload Protection(CWP)、Cloud/Data Posture Management(CSPM/DSPM)、Cloud Detection & Response(CDR)、さらには開発段階からのセキュリティ(ソフトウェアサプライチェーンセキュリティ(SCSS)およびコードセキュリティ(SAST))といったCNAPPの各カテゴリにわたり領域を拡大しています。
それぞれが、エージェントベースとエージェントレスのアプローチの間でのトレードオフに向き合いながら、競争を繰り広げています。本レポートでは、CNAPP
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