05/17/2025

強気
ドクシミティ
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フリーキャッシュフローが3億ドルもある中で、四半期の業績が一時的に鈍化した程度では心配していません。
ドキシミティ(DOCS)今後の株価見通しは魅力的?最新の2025年第4四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

doctor holding red stethoscopeマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テレヘルス関連銘柄であるドキシミティ(DOCS)の5月15日発表の最新の2025年度第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 2026年夏までの目標株価を85ドルに引き下げましたが、現在の水準での同社に対する自信はむしろ高まっています。
  • フリーキャッシュフローが3億ドルもある中で、四半期の業績が一時的に鈍化した程度では心配していません。
  • 私はノイズに惑わされずに投資を行っており、同社の財務的な強さがその判断が正しいことを示していると見ています。
  • このような健全なバランスシートと評価水準は非常に稀であり、足元のバリュエーションは魅力的に見えます。。

ドキシミティ (DOCS)の最新の2025年第4四半期決算発表に関して

ドキシミティ (DOCS)が5月15日に発表した最新の2025年度第4四半期決算において、今後の業績ガイダンスは予想を下回り、事業成長のスピードが私の想定よりも遅いことが示されました。

しかし、そこで過剰反応して結論を急ぐ前に、次の点を検討するべきであると考えます。

同社の次の四半期のガイダンスは、「ルール・オブ・40」よりもはるかに高い「ルール・オブ・58」レベルでの報告を示唆しています。また、将来の予想フリーキャッシュフローに基づく株価倍率(forward FCF multiple)は29倍と、依然として魅力的な水準にあります。

また、現在の市場は依然として不安定であり、今後30日間でさまざまなことが起こり得ます。恐怖に駆られて反応することは、建設的とは言えないと考えています。

仮に私の同社に関する見通しが誤っていたとしても(その可能性は低いと考えています)、恐怖が最高潮に達しているときに売却してしまえば、2025年に市場を上回るリターンを得ることは決してできません。

総合的に見て、2026年夏までの目標株価は85ドルへと引き下げますが、市場が再び同社を高く評価する展開になると見ています。

この銘柄は非常に魅力的な投資先であると考えており、その理由としては、負債ゼロ、堅固なバランスシート、時価総額の10%を現金と有価証券で保有し、非常に強力なフリーキャッシュフローを創出している点にあります。

ドキシミティ (DOCS)を取り巻く重要な背景

私の「インフレクション投資戦略」は、完璧を追い求めるものではありません。目指すのは市場を上回るリターンの実現です。これは90日ごとに必ず実現するものではありませんが、実現できる可能性は高いと考えています。

問題は、多くの投資家がこの手法の効果を毎週証明してほしいと考え、いくつかの企業が期待外れの四半期決算を発表するとすぐに失望してしまう点です。

さらに、10%の損切りルールを設けることで資本を守っていると信じている方もいますが、これは大きな誤解です。実際には、そのような行動こそが資産形成を妨げていると考えています。

企業は生き物のように有機的に変化します。そして投資家の期待は非常に気まぐれです。この2つが組み合わさることで、市場は時に極端な反応を見せます。そのため、私はマーケットの反応にポートフォリオの運用方針を委ねてはいけないと見ています。

もし市場の判断が常に正しいのであれば、なぜS&P500の年平均リターンは10%程度にとどまるのでしょうか? 誇張なしに申し上げますが、私は市場を上回る成績を上げています。

もちろん、それが毎四半期続くわけではありませんが、6か月のスパンをいただければ、良い結果を出せると考えています。そして、その実績はいつでもリアルタイムでご確認いただけます。

私は、ノイズや恐怖に左右されない戦略を貫いています。

ドキシミティ (DOCS)とは?

ドキシミティ (DOCS)は、基本的には医師向けのLinkedInのような存在で、さまざまな便利な機能が備わっています。

医師同士のつながりを保ち、最新の医療ニュースをチェックしたり、テレヘルスやAIツールなどのテクノロジーを活用して業務を効率化することができます。

中でも注目すべき機能の一つは、長くて複雑な医療記録を瞬時に要約するAIであり、多くの医師がこれにより数時間分の業務が省けると評価しています。

さらに、製薬企業も同社を利用することで、的確な医師層にリーチできるようになっており、医療従事者と製薬業界の両方にとって、業務の効率化とデータ活用を実現するデジタル基盤として重宝されています。

最近の業績を見ても、同社は堅調な一年を過ごしました。売上は前年比20%増、利益も好調で、特にAIツールやニュースフィードに対するユーザーの関与度がかつてないほど高まっています。

顧客基盤、特に上位20社のクライアントが急速に拡大しており、医師だけでなく製薬企業のクライアントも、同社のAI活用に対して強い期待を寄せています。

さらに、新機能であるクライアントポータルも好調で、製薬チームがROIをより的確に把握し、キャンペーンを最適化するための手段として活用が進んでいます。

このような背景を踏まえ、次に今回の決算報告における唯一の懸念点について掘り下げていきます。

ドキシミティ (DOCS)の売上高:成長率は前年比11%を示唆

ドキシミティの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

私は以前、ドキシミティ (DOCS)が2026年度に前年比15%の売上成長を達成できると考えていました。しかし、今回示された11%の成長見通しは、期待よりも控えめであることは明らかです。

仮にこのガイダンスが9%だったとしたら、「この銘柄を保有し続けるのは間違いだ」とはっきり言っていたと思います。しかし、11%であれば、それほど魅力的ではないとはいえ、致命的な水準でもありません。

さらに過去12四半期を振り返ると、同社は売上高に関して市場コンセンサス予想を一度も下回ったことがありません。

(出所:Seeking Alpha)

このことから、同社は成長のペースが当初の予想よりもやや鈍化していると考えています。そして、同社は現在のマクロ経済の不透明感を利用し、今後の成長率に対する投資家の期待値を意図的に引き下げようとしているように見受けられます。

確かに、これはポジティブなニュースではありませんが、それでも私は同社にとって1株80ドルという水準は妥当な価格であると引き続き考えています。その理由をご説明します。

ドキシミティ (DOCS)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの29倍

インフレクション型投資家として、ドキシミティ (DOCS)が無借金経営を続けているという点は非常に魅力的であり、この事実だけでも強気スタンスを裏付ける要因となります。

この財務的柔軟性により、同社は多様な選択肢を持つことが可能です。

さらに、時価総額の約10%を現金で保有し、負債が一切ないという点も、私の強気の見方を補強するものです。この資金は、自社株買いや戦略的な買収に活用できるため、同社にとっては大きな選択肢となっています。

ここで、私の思考プロセスの背景をご紹介します。2025年3月28日にリリースした同社に関するレポートで私は下記のように述べています。

「次に、同社の2026年度は、来月の4月から始まります。今後12か月間で、同社のフリーキャッシュフローは2億6,000万ドルに達すると私は見込んでいます。」

「ここで、その計算根拠をご説明します:」

「同社のフリーキャッシュフローは、通常EBITDAの約70%程度で推移しています(つまり、EBITDAの約30%が引かれる形です)。 同社は2025年度において、EBITDAが3億1,000万ドル程度になるとガイダンスを出していますので、これに基づくと約2億1,500万ドルのフリーキャッシュフローが見込まれます。」

「これに加えて、前年比15%の売上成長による増収と、5%のフリーキャッシュフローマージンの改善によって、フリーキャッシュフローがさらに20%程度改善されると仮定すれば、今後12か月間で2億6,000万ドルの達成が妥当と考えられます。」

私は同社が今後12か月間で2億6,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出せると見積もっていました。しかし、以下の通り、実際にはすでにその水準に達しているのです。

(出所:ドキシミティの2025年度第4四半期決算資料)

このことから、同社は今後12か月で3億ドルのフリーキャッシュフローを達成できる可能性があると考えています。

私の見積もりの根拠を以下に示します。仮に同社のフリーキャッシュフローが今期と同様にEBITDAを約15%下回る水準で推移した場合、そして来期のEBITDAが約3億5,500万ドルというガイダンス通りに推移すれば、フリーキャッシュフローは概算で3億ドル程度となります。

つまり、同社の株価は将来のフリーキャッシュフローの29倍という評価水準にあるということです。

参考までに、私は通常、調整後のPEGレシオ(株価収益成長率)を活用しています。この観点から見ると、同社のPEGレシオは2.6倍です。私の基準では、この数値が3倍未満であれば、魅力的な投資対象と考えています。

ドキシミティ (DOCS)を取り巻くリスク要因

ひとつのリスク要因として、医療政策や予算に対する不確実性が依然として大きいことが挙げられます。加えて、製薬業界の支出は変動が大きく、ドキシミティ (DOCS)自身もその成長率が7%から5%程度に鈍化すると予想しています。このため、同社が得意とするアップセル(追加販売)の難易度は今後高まる可能性があります。

さらに、LinkedInのような他のヘルスケア専門家向けプラットフォームや、Veevaのように技術力を武器に製薬業界向けのデジタルマーケティングとデータ活用を進める競合企業も存在しています。

もし各社のマーケティング予算が過度に削減された場合、同社の業績もその影響を受ける可能性があるでしょう。

ドキシミティ (DOCS)に対する結論

確かに、成長の鈍化はフラストレーションの要因になります。そして私は、2026年夏までの目標株価を85ドルに引き下げました。しかし、最も重要な点を見失ってはいけないと考えています。それは、ドキシミティ (DOCS)が依然として財務的に極めて堅固な企業であるということです。

同社には負債がなく、時価総額の約10%に相当する現金を保有しており、今後12か月間で3億ドルのフリーキャッシュフローを創出できる可能性があります。

予想フリーキャッシュフローのわずか29倍というバリュエーションは、過剰に割高なグロース株とは程遠い水準です。市場が今はこの銘柄に熱狂していないかもしれませんが、私は非常に強気です。同社は、恐怖ではなくファンダメンタルズに基づいて投資を行う長期的な視点の投資家に、大きなリターンをもたらす可能性があると考えています。


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