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09 - 05 - 2024

【投資コラム】インカムゲインとキャピタルゲインはどっちが重要?両者の違いを徹底解説!

インベストリンゴ編集部  インベストリンゴ編集部
  • 本稿では、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」はどっちが重要なのかという疑問に答えるべく、両者の違いを詳しく解説していきます。 
  • 株式投資のリターンには「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があり、インカムゲインは主に配当からの収益、キャピタルゲインは株価上昇による利益を指します。
  • インカムゲイン投資は安定した配当を提供する企業への投資で、安定した収入や低ボラティリティが魅力ですが、株価の成長が緩やかです。 
  • キャピタルゲイン投資は高いリターンを期待できる一方でリスクも高く、配当を支払わない企業が多いため、短期的な現金収入を求める投資家には向いていません。

株式投資におけるリターンの種類

株式投資におけるリターンは、大きく分けて「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つに分類されます。これらは投資から得られる収益の主な形態であり、投資家の目標やリスク許容度に応じて選択されるべきものです。株式投資を始める際には、これらのどちらを重視するかを決めることが、投資戦略の第一歩となります。

💰 インカムゲイン

インカムゲインは、株式を保有することで得られる利益のことを指します。主に配当による収入がこれに該当し、安定した収入を求める投資家にとって魅力的です。インカムゲインの獲得を重視する投資スタイルを「インカム投資」と呼びます。このスタイルを採用する際のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

📈 メリット

1. 定期的な収入: 配当を通じて定期的に安定した収入を得られるのは、インカム投資の大きな魅力です。特に米国株市場では、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ  コカ・コーラ(KO のような長期にわたって配当を支払い続ける企業が多く存在します。これらの企業は、『配当王』と呼ばれ、50年以上にわたって連続して配当を増加させている企業を指します。

2. 低ボラティリティ: 配当を継続して支払う企業は、一般的に業績が安定しており、株価の変動が比較的少ない傾向があります。例えば、プロクター・アンド・ギャンブル(PG  AT&T(T は、長期的に安定した配当を提供することで知られ、そのため株価の変動が他のグロース株に比べて穏やかなことが多いです。

3. 複利効果の活用: 配当金を再投資することにより、複利効果を得ることができます。例えば、コカ・コーラ(KO のような高配当企業に長期間投資し、配当金を再投資することで、元本が増加し次回の配当も増えるという好循環を生み出すことができます。

📉 デメリット

1. 低成長: インカムゲインを重視する投資スタイルは、一般的に安定した企業への投資となるため、成長企業への投資と比較して株価の上昇が緩やかです。例えば、ユニリーバ(UL  フィリップ モリス インターナショナル(PM のような企業は安定した配当を提供しますが、その分、後述のキャピタルゲインの機会は少ないかもしれません。

2. 経済状況の影響: 配当の支払いは、企業の業績だけでなく、経済全体の状況に左右されることがあります。例えば、2008年の金融危機の際、GEエアロスペースGE は、それまでの安定した配当支払いを縮小する事態に追い込まれました。不況時には、企業は配当の支払いを減少、あるいは停止する可能性があります。

3. 税金: 米国では配当収入に対して課税されるため、税引き後の実際のリターンは期待より低くなる場合があります。特に、外国人投資家の場合、米国の源泉徴収税の影響も考慮する必要があります。

米国株におけるインカム投資の成功事例

米国市場では、マクドナルド(MCD  ペプシコ(PEP のような企業が、長期にわたって安定した配当を提供し続けています。これらの企業は、成熟したビジネスモデルと強力なブランド力を持っており、安定したキャッシュフローを生み出すことで、投資家にとって魅力的なインカムゲインを提供しています。

💹 キャピタルゲイン

キャピタルゲインは、株式の購入価格と売却価格の差額から生じる利益です。つまり、株価が上昇したことによる利益を指します。キャピタルゲインの獲得を重視する投資スタイルは「グロース株投資」と呼ばれ、成長が見込まれる企業への投資を中心に行います。

📈 メリット

1. ハイ・リターン: キャピタルゲインを重視する投資家にとっての最大の魅力は、株価の上昇による高いリターンの可能性です。特に米国株市場では、アップル(AAPL  アマゾン(AMZN のような企業が、長期にわたり株価の大幅な上昇を実現しています。これらの企業に初期の段階で投資した場合、投資額が数十倍、あるいは数百倍になることもあります。

2. 高成長性: グロース株は、新興市場や革新的なビジネスモデルを持つ企業に投資することで、高い成長性を享受することができます。例えば、テスラ(TSLA は電気自動車市場での先駆者として注目され、その革新的な技術とビジネスモデルにより、株価は急激に上昇しました。また、ネットフリックス(NFLX もストリーミングサービスの普及とともに急成長を遂げています。

3. 市場のトレンドに乗る: キャピタルゲイン投資は、市場のトレンドに乗ることができるという利点があります。例えば、最近のテクノロジー関連株のブームや、グリーンエネルギー企業の台頭など、市場の変化に迅速に対応することで、大きなリターンを得ることができます。

📉 デメリット

1. ハイ・リスク: グロース株は高いリターンを期待できる反面、リスクも高いです。株価の変動が大きく、企業の成長が期待に達しない場合、投資価値が大幅に減少する可能性があります。例えば、ウーバー(UBER  リフト(LYFT などの新興企業は、上場後の業績が期待を下回り、株価が下落するリスクがありました。

2. 配当の有無: 多くのグロース株は成長を優先し、利益を再投資するため、配当を支払わないことが一般的です。例えば、アマゾン(AMZN は過去に配当を出したことがなく、キャピタルゲインのみを目的とする投資家向けです。このため、短期的な現金収入が必要な投資家には適していません。

3. 市場のボラティリティ: グロース株は、市場全体の調整や景気後退時に大きく影響を受ける可能性があります。例えば、2000年代初頭のITバブル崩壊時には、多くのテクノロジー企業の株価が大幅に下落し、多くの投資家が損失を被りました。また、最近のコロナショックでも、一部の成長株は急激な価格変動に見舞われました。

米国株におけるキャピタルゲインの成功事例

米国株市場において、アップル(AAPL  マイクロソフト(MSFTエヌビディア(NVDA などのテクノロジー企業が、キャピタルゲイン投資の成功例として挙げられます。これらの企業は、革新的な技術とビジネスモデルで市場をリードし、株価の大幅な上昇を遂げています。これらの企業に初期の段階で投資した投資家は、非常に高いリターンを得ていることでしょう。

以上より、株式投資を通じて資産形成を行う場合、自身の投資スタイルを決定することが重要です。インカムゲインを重視するかキャピタルゲインを重視するかによって、投資対象とする企業や投資期間が異なります。

また、どちらのスタイルを選択する場合でも、各企業の財務の健全性や成長性を継続的に分析し、「この企業は配当を支払い続けることができるのか?」「この企業は継続して業績を増加させることができるのか?」といった問いに対して、自分なりの考えを形成することが求められます。


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