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09 - 29 - 2024

やや強気
ウラニウム・エナジー
やや強気
借入金がなく、強固なバランスシートとウラン価格へのヘッジがない同社は、ウラン価格が少し上がるだけでも大きな利益を享受できる立場にあります。
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原子力エネルギーとウランはなぜ重要なのか?核燃料とは何なのか?注目の関連銘柄と合わせて徹底解説!

マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、原子力エネルギーとウランの重要性と注目の関連銘柄を詳しく解説していきます。
  • ウラニウム・エナジー(UEC)は、カーボンニュートラルの実現に向けて原子力エネルギーが重要な役割を果たすことから、注目の原子力エネルギー・ウラン関連銘柄です。 
  • ウランの需要は現在の生産量を上回っており、供給不足からウラン価格の上昇が期待されています。 
  • 同社は負債を抱えておらず、ウラン価格が上昇した際には高い収益性が見込める有望なウラン生産企業であると見ています。

サマリー

今回の分析は、ウラニウム・エナジー(UEC)に関する内容の補足です。同社に関する以前のレポートでは、なぜ同社が注目すべき原子力エネルギー・ウラン関連銘柄であるかを説明しました。

今回は、原子力エネルギーがなぜ重要なのか、核燃料とは何なのか(どのように考えるべきか)、そしてエネルギー転換を補完する手段として原子力を受け入れる方向に政治的な風向きが変わりつつある理由を、簡単に解説していきます。

原子力エネルギーの重要性

ウランは原子力発電の主要な燃料であり、カーボンニュートラルを目指す上で重要な役割を担っています。原子力は安定して膨大な電力を供給できる低炭素エネルギー源であり、化石燃料と異なり、稼働中にほぼ温室効果ガスを排出しないため、気候変動対策に欠かせない存在です。

とはいえ、核燃料には課題もあります。使用済み核燃料の処分には、放射性廃棄物を安全に管理する必要があり、これが大きな課題となっています。使用済み燃料は何千年もの間有害であり、環境から隔離して安全に保管する必要があります。そのため、適切な処分地の選定と安全確保には莫大な費用がかかります。また、これらの廃棄物を処分施設に運ぶ際にも、セキュリティ上のリスクが伴います。

年間の電力会社のウラン需要

(デニソン・マインズのプレゼンテーション資料)

2022年時点のウランの年間生産量は約5.5万トンですが、2023年時点の原子炉のウラン需要は約6.5万トンとされています。この供給不足は、主にウランの備蓄や再処理燃料、鉱山生産といった二次供給源で補われてきました。しかし、これらの二次供給源には限りがあり、いくつかのウラン鉱山の閉鎖もあって、長期的な供給の持続性に対する懸念が高まっています。各国が気候変動対策として低炭素エネルギーである原子力や小型モジュール炉に投資を進めていく中で、安定したウラン供給を確保することが重要であり、そこに大きなビジネスチャンスが存在しているように見えます。

核燃料サイクル

核燃料サイクルにおける「アンダーフィーディング」と「オーバーフィーディング」について知りたいという質問がありました。ここでは、それをわかりやすく説明していきます。

ウラン燃料をケーキに例えて、そこから最大限のエネルギーを取り出すことを考えてみましょう。アンダーフィーディングとオーバーフィーディングは、このケーキの切り方の違いのようなものです。

アンダーフィーディング(控えめな切り方)

アンダーフィーディングは、ケーキを小さく控えめに切るようなイメージです。各スライスには少し少なめのフロスティング(核分裂性物質やウラン)がついています。 このように切ると、少しずつ長期間ケーキを楽しむこと(エネルギーを発生させること)ができます。ケーキ(ウラン)を長持ちさせ、効率的に使えるのです。

オーバーフィーディング(贅沢な切り方)

一方でオーバーフィーディングは、ケーキを大きく贅沢に切るようなものです。各スライスにはたっぷりのフロスティング(核分裂性物質やウラン)がついています。 こうした大きなスライスは強い味わい(エネルギー)を楽しめますが、その分ケーキ(ウラン)を早く使い切ってしまいます。

つまり、アンダーフィーディングはケーキをゆっくり楽しんで長く使うのに対し、オーバーフィーディングは早く消費することになります。ただ、これをあまり複雑に考えすぎない方がいいかもしれません。シンプルに考えるべきことは、ウランの価格が上昇し、それが安定して維持されることです。

(出所:Trading Economics

政治的な風向きの変化

サウジアラビア、中国とフランスからの原子力提案を検討、米国への影響力強化を狙う

王国はワシントンとの機密安全保障協定交渉において、この技術を重要な要求事項としています。

(出所:Financial Times)

上記のFinancial Timesの見出しがそのすべてを表しています。中国やサウジアラビア、ヨーロッパなど、世界中の多くの国々が、安価で信頼性が高く、柔軟でカーボンフリーなエネルギー源として、徐々に原子力の導入を進めています。

原子力エネルギーは、持続可能な未来に向けたエネルギー転換を支える上で重要な役割を担っています。原子力は安定したベースロード電力を提供し、天候に依存する再生可能エネルギーとは異なり、一貫して信頼できる供給が可能です。この安定性により、太陽光や風力の変動を補うための大規模な蓄電システムに頼る必要が減ります。原子力発電所は継続的に運転できるため、安定した電力供給を可能にし、世界のエネルギー需要の増加に応えながら温室効果ガスの排出削減にも貢献します。そのため、原子力は多様なエネルギーミックスの中で欠かせない存在です。

まとめ

ウランは原子力エネルギーの主要な燃料として、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な資源です。原子力は温室効果ガスの排出がほとんどない低炭素の電力を提供しますが、特に放射性廃棄物の処理には課題があります。

また、ウランの需要は現在の生産量を大幅に上回っており、2024年からはその供給不足がさらに拡大し、ウラン価格の上昇につながると見られています。

つまり、原子力の安定したベースロード電力は、持続可能なエネルギーへの転換に不可欠であり、断続的な再生可能エネルギーのための蓄電システムへの依存を減らし、よりクリーンな地球づくりに貢献するように見えます。


アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

マイケル・ウィギンズ・デ・オリベイラ氏は、エネルギー・セクター、並びに、テクノロジー・セクターに関して、10年以上に渡る企業分析を通じて、卓越した専門的知識と経験を蓄積しております。

足元、グローバル・ベースで加速する、「脱炭素化」、「AIによるデジタル化」、「脱グローバル化」、さらに、「エネルギー・セクターの大きな転換期」を正確に捉えることで、より大きな投資リターンを実現することに主眼を置いています。

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