やや強気ウラニウム・エナジーすべて表示ウラニウム・エナジー(UEC)の今後の株価見通し:注目の米国原子力・ウラン関連銘柄の最新の決算分析と将来性に迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、米国の注目の原子力関連グロース企業であるウラニウム・エナジー(UEC)の最新の決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
- ウラニウム・エナジーは、借金がなく、強固な財務基盤とウラン価格に対するヘッジがない点で、注目のウラン採掘企業です。
- 同社はワイオミングでウラン採掘を再開し、ウラン価格の上昇が期待される中で大きな利益を得る準備を整えているように見えます。
- ウラン在庫を保持するという同社の戦略的な決定は、AIやクラウドデータセンターの拡大に伴う近い将来の価格急騰への自信を示しています。
- 世界的にウラン供給を増やすのが難しい中、同社の高い営業レバレッジは、炭素フリーエネルギー需要の急増に応じて大きな上昇の可能性を秘めていると見ています。
ウラニウム・エナジー(UEC)とは
ウラニウム・エナジー(UEC)は、最も有望な原子力関連ウラン採掘会社の1つです。本稿では、2024年会計年度第3四半期の決算結果や最新の動向、そして、なぜ今こそ同社の株式が長い間見られなかった最高のリスク・リターンを提供する可能性があると私が見ているのかについて解説します。
2年半前の2022年4月13日、私は1株7ドルで同社株式を自身のポートフォリオに追加しましたが、この決断は明らかに良い結果ではありませんでした。
それでも、同社に強気でい続ける自信があるということは、この2年間でポートフォリオのパフォーマンスに悪影響を与えたにもかかわらず、その基盤となる将来性を見直し、今こそ上昇のチャンスが非常に近いと考えているためです。
つまり、私は同社に関して、ただ1つのカタリスト(株価や市場全体に影響を与えるきっかけや要因のこと)を待っていましたが、そのカタリストがようやく現れ始めていると感じています。
そして、それらを踏まえ、同社の目標株価として1株17ドルと見ています。
ウラニウム・エナジー(UEC)の最新の2024年度第3四半期決算に関して
ウラニウム・エナジー(UEC)を簡単にまとめると、下記の通りです。
・借入金なし
・在庫だけで時価総額の6%を占める
・リオ・ティントのワイオミング資産を1億7500万ドルで取得した後も、現金が時価総額の6%を占める
・ウラン価格へのヘッジなし
同社の2024年度第3四半期決算では、今回もウランの販売はありませんでした。これは、運営準備や事業拡大を優先するという同社の戦略的な決定を反映しており、年間を通じてウランの販売がなかったことを示しています。
私の見方では、これは非常に強気な材料です。経営陣は過去12カ月間、ウランの純買い手であり、2025年12月までに平均38.20ドルでさらに70万ポンドのウランを受け取る予定です。
短期的にできるだけ多くのウランを保持できれば、その価値は今後大幅に上昇する可能性があると考えています。そして、ここから本論に入ります。
運営面では、同社はワイオミング州クリステンセン・ランチISR鉱山でウラン採掘を再開しました。生産活動は2024年8月に再開され、既存のバランスシート上の現金で資金が賄われており、採掘されたウランは同社のイリガレイ中央処理プラントで処理されます。
イリガレイCPPは、ワイオミング州パウダーリバー盆地にある4つの完全認可ISRプロジェクトのハブとして機能しており、年間250万ポンドから400万ポンドのU3O8を処理できるように許可容量の拡大が進行中です。この再開に向けて、同社は設備の再設置、電気設備のアップグレード、追加の運営スタッフの採用など、万全の準備を整えました。
これまで同社に注目しながら、ワイオミングでの生産開始を待つのは本当に長い時間でしたが、ついにその時が訪れました。
これが同社に関する背景です。それでは、次にメインのポイントに進みたいと思います。
ウラン価格:最後に残されたウラニウム・エナジー(UEC)のカタリスト
2024年の大半でウラン価格は下がり続けていましたが、今ではその売り圧力が和らぐと考えています。その理由を解説していきたいと思います。
(出所:Trading Economics)
下記の図には電力需要の主な要因が示されています。ここ数週間でメディアに取り上げられた例として、マイクロソフト(MSFT)のAIデータセンター拡大を支援するためにスリーマイル島1号機が再稼働されたことがあります。
今後数か月でどれほど多くの事例が出てくるでしょうか?
原子力需要を支える主な要因として、AIやクラウドコンピューティングの拡大により急増するデータセンターの電力需要を満たすため、安価で信頼性が高く、炭素を排出しないエネルギーの必要性が高まっていることが挙げられます。
マイクロソフトのような大手テクノロジー企業は、気候目標を達成するために安定した電力供給を求めており、データセンターが米国の電力消費に占める割合は2030年までに倍増すると予測されています。
また、石炭や老朽化した原子力発電所の廃止が進む中、電力網の信頼性向上や政策目標に沿った温室効果ガスの削減手段として、原子力が再び注目を集めています。
でも、なぜウラニウム・エナジー(UEC)なのか?
多くの方から「なぜウラニウム・エナジー(UEC)なのか?」と聞かれました。他のウラン関連企業にも投資できるのではないか、と。しかし私の考えはこうです。ウランへの投資に全てを賭けるのは避けたいのです。
一つのアイデアに過度に感情を結びつけることが、多くの投資家が失敗する理由です。ポートフォリオが生き残ることが大切です。
UECは完全にヘッジしておらず、借入金もありません。そして、事業には非常に大きな営業レバレッジがあります。この点に関しては、下記の例をご覧ください。
・生産コストが11ドルで売上高が10ドルの場合、1ドルの損失が発生します。
・売上高が12ドルに増えた場合、20%の増加で事業は黒字になります。
・売上高が13ドルに増えた場合、30%の増加で利益は2ドルに跳ね上がり、売上高のわずかな増加で利益が100%増加します。
UECのようにヘッジなしで借入金もない企業は、このようなレバレッジの恩恵を大きく受けることができ、安全マージンも十分にあるように見えます。
ウラニウム・エナジー(UEC)の供給側に問題があるのでは?
ウランの供給を増やすのは、採算が取れる鉱山が世界的に限られているため難しいのです。
さらに、新たな鉱山を立ち上げるには、多くの許認可や規制の承認、そして多額の初期投資が必要で、非常に複雑で資本集約的なプロセスです。
既存のウラン鉱山の多くは低価格の影響で縮小稼働や閉鎖されており、需要増加に迅速に対応できる生産者はごくわずかです。
ウラニウム・エナジー(UEC)は10年以上続いた弱気市場を乗り越えてきました。借金がある企業や優れた経営陣でないとそれは不可能です。
さらに、これらの事業を再開・拡大することも容易ではなく、長い準備期間が必要で、物流や環境、労働力の問題に対処する必要があります。そのため、ウランの供給チェーンがAIやクラウドセンターの需要増に迅速に適応するのは難しいのです。
ウラニウム・エナジー(UEC)に対する結論
今、ウラニウム・エナジー(UEC)への投資は非常に理にかなっています。主要な要素がすべて揃いつつあり、最後のカタリストであるウラン価格の急騰が間近に迫っている可能性があるからです。借入金がなく、強固なバランスシートとウラン価格へのヘッジがない同社は、ウラン価格が少し上がるだけでも大きな利益を享受できる立場にあります。
同社がウラン在庫を安値で売らずに保持しているのは、近い将来の価格急騰に対する経営陣の自信の表れだと見ています。さらに、AIやクラウドデータセンターの急速な拡大により、炭素フリーエネルギーの需要が急増している中で、ワイオミングでの事業再開は絶好のタイミングでした。
世界的にウラン供給を拡大するには複雑で長い時間がかかるため、ウラニウム・エナジーは差し迫ったウラン不足に対して希少で高い営業レバレッジを持つ企業として際立っているように見えます。ウラン価格が回復の兆しを見せる中、同社の待ち望んだ上昇がついに実現しようとしていると私は感じています。
以上を踏まえ、同社の目標株価として1株17ドルと見ています。
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
マイケル・ウィギンズ・デ・オリベイラ氏は、エネルギー・セクター、並びに、テクノロジー・セクターに関して、10年以上に渡る企業分析を通じて、卓越した専門的知識と経験を蓄積しております。
足元、グローバル・ベースで加速する、「脱炭素化」、「AIによるデジタル化」、「脱グローバル化」、さらに、「エネルギー・セクターの大きな転換期」を正確に捉えることで、より大きな投資リターンを実現することに主眼を置いています。
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