強気アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)【半導体】アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)目標株価は175ドル?詳細な財務&テクニカル分析を通じて将来性に迫る!
ジェームズ・ フォード- 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の詳細な分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- AMDは、AI分野での競争力強化に注力しており、売上が2026年までに最大80%成長し、EPSが2倍になる可能性があると見ています。
- 同社の新技術「Instinct MI325X」チップは、競争力のある価格設定でエヌビディア製品と対抗し、AI GPU市場の変革を目指しています。
- 現在の株価は割安であり、テクニカル指標では175〜232ドルへの上昇余地が示唆されており、成長の可能性が高いと考えています。
※「2025年に急成長が期待される注目の米国半導体銘柄とは?」の続き
前章では、私が下記で説明する銘柄に注目する背景に関して詳しく解説しております。
本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。
2025年度の注目の米国株:アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
最近、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は厳しい評価を受けることが増えています。かつてはエヌビディア(NVDA)とともに半導体設計の市場リーダーと見られていましたが、AI分野では出遅れた感が否めません。
(出所:Seeking Alpha)
過去1年でAMDの株価は12%下落し、2021年の高値を下回っています。一方、エヌビディアの株価はこの2年間で約10倍に跳ね上がり、ブロードコム(AVGO)をはじめとする他の半導体メーカーもAIブームの恩恵を受けています。
しかし、これが本当に妥当な評価なのか、個人的には疑問です。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の基礎指標
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はエヌビディア(NVDA)ほどの成功を収めていないかもしれませんが、それでも堅実な企業であることに変わりはありません。
(出所:Alphaspread)
上記の図では、過去5年間にわたるAMDの1株当たり利益(EPS)、1株当たり売上高、その他の指標を確認できます。ここで注目すべきポイントは以下の通りです:
・売上高は過去5年間で年平均成長率(CAGR)32%と、堅調に伸びています。
・一方で、EPSは停滞しており、2023年には1四半期だけ赤字を記録しました。
・株価は概ねEPSの動きと連動していますが、ここ1年ではそのパターンが崩れています。
それでもAMDは引き続き順調に成長しており、次のセクションで触れるAIの可能性により、さらなる成長が期待できると見ています。
ただし、利益率には課題があります。同社の収益性スコアはAlphaspreadで平均的な「53」に留まっています。
(出所:Alphaspread)
とはいえ、営業利益はすでに顕著に増加しており、財務の効率化を進めることで、以前の水準を超える可能性も十分にあります。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の市場規模と今後の見通し
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はAIを活用した新たなビジネスチャンスやGPU技術の革新に注力しており、収益成長の加速が期待されています。2019年から2023年の間に、同社の収益は67億ドルから227億ドルへと急成長し、年平均成長率は35%に達しました。2024年には成長率が13%に鈍化する可能性があるものの、2025年には28%に回復すると予測されています。仮にAMDが35%の年平均成長率を維持すれば、2026年には収益が465億ドルに達し、80%もの成長を遂げる可能性があります。
成長を支える主な要因として、AMDが生成AIやアクセラレーテッドコンピューティングへの注力を進めている点が挙げられます。これまでゲームやデザイン向けGPUに注力してきたAMDは、エヌビディア(NVDA)のBlackwellシリーズに対抗する「Instinct MI325X」チップを新たに投入しました。
AMDのGPUは、音声、動画、3DタスクといったマルチモーダルAIモデルに最適化されており、競争力のある価格設定が魅力です。コストを重視する企業にとって非常に魅力的な選択肢となっています。また、OracleがAIスーパーコンピュータクラスターにAMDのGPUを採用したことは、その優れた性能と高いコストパフォーマンスを証明するものです。
加えて、AMDの新しいチップレット技術は市場を一変させる可能性があります。この技術は、数年以内に業界の新たな標準となる可能性を秘めています。
(出所:Verified Market Research)
AI向けGPU市場は年平均30%以上の成長が予想されており、AMDの収益もそれに合わせて拡大すると見込まれます。さらに、市場シェアを拡大することで、それを上回る成長を実現する可能性もあります。
現在の株価は、この成長の可能性を全く反映していないようです。アナリストは、収益の増加とそれ以上に重要な利益の大幅な伸びを予測しています。
(出所:Seeking Alpha)
具体的には、2026年までに1株当たり利益(EPS)が2倍以上になると見込まれています。それにもかかわらず、現在の株価は予想PERが25倍を下回っており、このような企業にしては割安だと考えられます。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のバリュエーション
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、PEGや将来の予想ベースのPEGを基準に見ると非常に割安な水準にあります。
(出所:Seeking Alpha)
現状、将来の予想PEGは1倍未満、直近過去12カ月ベースの実績PEGはわずか0.13倍であり、現在の株価は非常に割安と言えます。市場ではAMDへの評価が低迷していますが、2025年に向けた実際の成長可能性を反映しているとは到底思えません。
仮に営業利益率が36%まで上昇し、売上が現在と同じペースで増加を続けると仮定すると、DCF(割引キャッシュフロー)分析による評価では、AMDの価値は少なくとも175ドルになると見積もられます。
(出所:Alphaspread)
しかも、この評価は現在のテクノロジーセクター全体のバリュエーションを考えると、かなり控えめな見方だと考えています。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のテクニカル分析
テクニカルな観点では、現在のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はここ数年で最も魅力的な買い場の一つではないかと見ています。
(出所:TrendSpider)
AMDの株価は200週移動平均線(EMA)のすぐ上で反転しており、これは2022年7月からの5波動インパルスの61.8%リトレースメント水準とも重なっています。
フィボナッチ拡張を基にすれば、株価は容易に1.618倍拡張水準の232ドル付近まで上昇すると予測され、さらなる高値更新の可能性も考えられます。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に対する結論
2024年はテック株が好調な1年でしたが、2025年は特にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)にとって有望な年となる可能性があると見ています。同社は割安な水準で取引されており、200週移動平均線(EMA)付近に位置する一方で、AI分野を中心とした成長機会により大きな可能性を秘めています。
AMDの「Instinct MI325X」チップは、エヌビディア(NVDA)製品に匹敵する性能を持ちながら、競争力のある価格でマルチモーダルAIソリューションを提供しています。また、AMDはチップレット技術の先駆者として、AI GPU市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。アナリストは、2026年までに同社の売上が80%成長し、EPSが2倍になると予測しています。
現在、AMDの先行PERは25倍未満で、PEG比率も非常に低水準です。このため、同社の株価には大幅な上昇余地があると考えられます。さらに、テクニカル指標によれば、株価は175〜232ドルに達する可能性が示されています。
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
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