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04 - 18 - 2024

中立
ブラックロック
中立
全体として、提供されたバリュエーション指標に基づくと、ブラックロックは過去の平均値や同業他社に比べて割高なバリュエーションで取引されているように見える。
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ブラックロック / BLK / 予想配当利回り2.72% / 中立:最新の24年1Q決算分析と今後の株価見通し・将来性

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • ブラックロック(BLK:予想配当利回り2.72%)は世界最大の資産運用会社で、2023年12月末時点の運用資産は10兆800億ドルである。
  • 運用資産の52%が株式、28%が債券、9%がマルチアセットクラス、8%がマネー・マーケット・ファンド、3%がオルタナティブ戦略である。
  • また、同社は2024年4月12日に24年第1四半期決算を発表している。

ブラックロック(BLK)の概要

セクター:資産運用

現在の株価:753ドル

時価総額:1121.3億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:742.41ドル

安全マージン:-1.52%

過去5年間の配当成長率:11.60%

直近配当落ち日:2024年3月6日

直近配当支払い日:2024年3月22日

予想配当利回り:2.72%

過去5年間の売上高成長率:7.20%

過去10年間の売上高成長率:8.20%

ブラックロック(BLK)は世界最大の資産運用会社で、2023年12月末時点の運用資産残高は10兆ドルを超えている。

その商品構成はかなり多様で、運用資産の52%が株式戦略、28%が債券、9%がマルチアセットクラス、8%がマネーマーケットファンド、3%がオルタナティブ戦略となっている。

パッシブ戦略は長期運用資産の約3分の2を占め、同社のETFプラットフォームは国内およびグローバル・ベースでトップ・シェアを維持している。

商品販売は機関投資家への比重が高く、当社の計算では同社運用資産の約80%は機関投資家によるものである。

同社は地理的に多様で、顧客ベースは100カ国を超え、運用資産の3分の1以上は米国とカナダ以外の国の投資家によるものである。

また、同社は2024年4月12日に24年第1四半期決算を発表している。

ブラックロック(BLK)の収益と成長に関して

24年度第1四半期のブラックロック(BLK)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは9.81ドルで、前期の9.66ドルから若干増加した。

また、同社の1株当たり売上高もプラス傾向を示し、前四半期の30.853ドルに対し31.499ドルに達した。

加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.40%で、過去10年間の年平均成長率は9.60%となっており、これらと比較しても、同社の業績は着実な成長軌道を示していると言える。

さらに、今後10年間の同社の業界成長予測はポジティブで、同社の潜在的な成長機会を示唆している。

以上より、同社の過去の財務レバレッジの度合いと一貫した成長率を考慮すると、同社は拡大を継続するのに好位置にあると思われる。

そして、堅実な実績と前四半期の好業績により、ブラックロックは成長する市場機会をさらに活用し、成長の勢いを持続する可能性を秘めていると見ている。

ブラックロック(BLK)の配当に関して

ブラックロック(BLK)は、過去5年間一貫した配当成長を示しており、1株当たりの過去5年間の配当成長率は11.60%、過去3年間の配当成長率は11.30%である。

また、同社の予想配当利回りは現在2.72%となっている。

直近の四半期では、同社は1株当たり5.10ドルの配当を発表し、安定した配当の支払いトレンドを継続している。

この配当は、2024年3月7日現在の株主名簿上の株主に対し、2024年3月22日に支払われている。

同社の配当実績をセクターと比較すると、同社の配当成長率は業界平均を上回っており、配当を通じて株主に報いるという強いコミットメントがうかがえる。

さらに、EBITDA純有利子負債倍率は1.18倍で、同社の配当支払いを支える健全なバランスシートを示唆している。

全体として、ブラックロックの一貫した配当成長と魅力的な予想配当利回りは、金融セクターで安定したリターンを求める配当収入重視の投資家にとって魅力的な選択肢である。

予想配当利回り:2.72%

配当性向:51%

配当カバレッジ・レシオ:1.96

過去5年間の配当成長率:11.60%

EBITDA純有利子負債倍率:1.18

ブラックロック(BLK)のバリュエーションに関して

ブラックロック(BLKの現在の株価は753ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である742.41ドルをわずかに上回っている。

また、現在の株価売上高倍率は6.21となっており、5年平均、10年平均のいずれよりも高く、売上高に基づく割高なバリュエーションを示している。

加えて、EV/EBITDA倍率も13.49と過去の平均を上回っており、潜在的にEBITDAに比して割高である可能性を示唆している。

さらに、業界平均と比較すると、同社の株価売上高倍率は高く、投資家が同社の売上高に対してプレミアムを支払うことを望んでいることを示している。

そして、EV/EBITDA倍率も業界平均より高く、同社が同業他社と比較してプレミアムで取引されている可能性を示唆している。

全体として、提供されたバリュエーション指標に基づくと、ブラックロックは過去の平均値や同業他社に比べて割高なバリュエーションで取引されているように見える。

そのため、投資家は投資判断の際にこれらの要因を考慮すべきである。

ブラックロック(BLK)のリスクとリターンに関して

ブラックロック(BLKのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、売上総利益率は長期的に低下傾向にあり、年平均-1.6%となっている。

さらに、営業利益率は過去5年間、年平均-1.5%で減少している。

加えて、インサイダー取引による売却は顕著で、過去3ヵ月間に11件、合計で106,522株が売却されている。

また、同社の投下資本利益率(ROIC)は加重平均資本コスト(WACC)を下回っており、資本効率の悪さを示唆している。

一方でプラス面では、ベニッシュMスコアは-2.3と、基準値の-1.78を下回っており、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示している。

以上より、ブラックロックに関する総合的なリスク評価では、特に財務実績という点で懸念が浮き彫りになっている。

ブラックロック(BLK)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

ブラックロック(BLK)の過去12ヶ月間のインサイダーによる取引活動では、インサイダーによる同社株式の買い付けはない一方で、16件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている。

この不均衡は、インサイダーが同社の将来の株価パフォーマンスに自信がない可能性を示唆している。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は僅か2.98%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の保有比率は52.03%と健全であり、大手の金融機関が同社対して、かなりの株式を保有していることを示している。

この機関投資家の支持は同社の株価に安定性をもたらし、同社の長期的見通しに対する自信を示す可能性がある。

全体として、インサイダーによる同社株式の売却が買いに比べて多いことと、インサイダー保有率が低いことは、同社への投資に慎重であるべきと示唆しているのかもしれない。

投資家は、今後のインサイダー取引を注意深く監視し、同社の業績に関する潜在的なシグナルを探る必要があるだろう。

ブラックロック(BLK)の流動性に関して

ブラックロック(BLK)の直近営業日の1日当たりの出来高は582,354株で、過去2ヶ月間の1日当たりの平均出来高は632,708株であることからも、同銘柄の取引が比較的安定していることを示している。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は53.03%で、取引活動のかなりの部分が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

以上より、同銘柄は依然として妥当なレベルの取引量を維持しており、投資家が市場で株式を売買するのに十分な流動性があることを示している。