04/18/2024

中立
シティグループ
中立
現在のバリュエーション指標を総合すると、特に株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率を考慮すると、同社は割高に見える。
シティグループ / C / 予想配当利回り3.6% / 中立 / 連続増配:最新の24年1Q決算と今後の株価見通し・将来性

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  • シティグループ(C:予想配当利回り3.65%)は100以上の国や地域で事業を展開するグローバルな金融サービス企業である。 
  • 主なサービスには、クロスボーダー・バンキング、投資銀行、トレーディング、米国におけるクレジットカード・サービスなどがある。 
  • そして、同行は2024年4月12日に24年度第1四半期決算を発表している。

シティグループ(C)の概要

セクター:銀行

現在の株価:58ドル

時価総額:1109.5億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:27.93ドル

安全マージン:-108.26%

過去5年間の配当成長率:4.90%

次回の配当落ち日:2024年5月3日

次回の配当支払い日:2024年5月24日

予想配当利回り:3.65%

過去5年間の売上高成長率:5.90%

過去10年間の売上高成長率:5.50%

シティグループ(C)は100以上の国や地域で事業を展開するグローバルな金融サービス企業である。

同行の主要サービスには、多国籍企業向けのクロスボーダーバンキング、投資銀行、トレーディング、米国におけるクレジットカードサービスが含まれる。

そして、同行は2024年4月12日に24年度第1四半期決算を発表している。

シティグループ(C)の収益と成長に関して

シティグループ(C)の24年度第1四半期の業績は好調で、非経常損益項目を除くベースでのEPSは前四半期の-0.296に対し1.709に達している。

また、一株当たり売上高も成長を示し、23年度第4四半期の9.718に対し、24年度第1四半期は10.855に達している。

加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は-5.00%で、過去10年間の年平均成長率は6.60%となっており、同行の足元のパフォーマンスはやや減速しているように見える。

一方で、今後10年間の金融・銀行業界の成長予測はプラスであり、同行には潜在的な投資機会があることを示している。

加えて、同行の財務レバレッジの歴史的な高さは、同行に成長の余地があることを示唆しているが、業績を持続させるにはレバレッジの慎重な管理が不可欠だろう。

全体として、シティグループの最近の業績更新は前向きな軌道を反映しており、良好な業界見通しと管理可能なレバレッジ水準により、同社には継続的な成長の可能性があると見ている。

シティグループ(C)の配当に関して

シティグループ(C)の過去5年間の配当成長率は4.90%であることからも、過去5年間は配当の着実な増加を示している。

一方で、過去3年間の配当成長率は0.60%で、足元は配当の成長率がやや鈍化していることが伺える。

ただし、予想配当利回りは3.65%となっており、配当収入を求める投資家にとってはまずまずのリターンであると言える。

同行の次回の四半期配当は、2024年5月24日に支払われる予定の一株当たり0.53ドルとなっている。

同行はここ数四半期、一貫して配当金を維持しており、以前の配当金も1株当たり0.53ドルであった。

そして、同行の配当支払頻度は四半期ごとであり、投資家に定期的な収入を提供していると言える。

同行の配当実績をセクターと比較すると、同行の配当成長率は業界平均と同水準である。

一方で、セクター比較では、予想配当利回りは競争力があり、投資家に適切なリターンを提供していると言える。

以上より、過去3年間の配当成長率は若干低下したものの、シティグループは株主への配当支払いに引き続き尽力しており、金融セクターで配当収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっていると言える。

予想配当利回り:3.65%

配当性向:49%

配当カバレッジ・レシオ:1.61

過去5年間の配当成長率:4.90%

シティグループ(C)のバリュエーションに関して

シティグループ(C)の現在の株価は58ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である27.93ドルよりかなり高い水準となっている。

さらに、実績PERは17.22となっており、株価が過去のPERの平均と比べて割高で取引されていることを示唆している。

また、株価売上高倍率は1.45となっており、株価が売上高に対して過大評価されている可能性を示唆している。

そして、同行の現在のバリュエーション指標を5年平均、10年平均と比較すると、同行のバリュエーションは過去の水準を上回って取引されているようだ。

全体として、現在のバリュエーション指標に基づくと、シティグループは割高に見えるというのが現状である。

投資家は、投資判断を下す前に注意深く、同行のファンダメンタルズをさらに分析した方がよいだろう。

シティグループ(C)のリスクとリターンに関して

シティグループ(Cのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、同行の長期債務は増加しており、過去3年間で522億ドルが発行されたているが、全体的な債務水準は未だ許容範囲と考えられる。

また、同行の株価は2年ぶりの高値に近く、割高の可能性がある。

さらに、株価売上高倍率も2年ぶりの高水準に近く、売上高に比して株価が割高である可能性を示唆している。

プラス面では、同行のベニッシュMスコアは-2.31で、基準値の-1.78を下回っており、同行が利益操作をしている可能性が低いことを示している。

さらに、同行は一貫した売上高と利益の伸びを示しており、安定した財務実績を示している。

しかし、同行の財務力ランキングの低さは、おそらく高水準の負債に起因しており、依然として重大なリスク要因となっている。

以上より、投資家はシティグループへの投資を決定する前に、これらの要因を慎重に検討すべきである。

シティグループ(C)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

シティグループ(C)のインサイダー取引データによると、過去12ヶ月でインサイダーによる同行株式の買い付けは確認されなかった一方で、2件の売却が確認されている。

また、同行のインサイダーによる同行株式の保有比率は僅か3.42%である点にはご留意いただきたい。

一方で、機関投資家の同行株式の保有比率は67.48%と高く、機関投資家が同行に大きな出資をしていることを示唆している。

全体として、シティグループの取締役および経営陣のトレンド分析によると、インサイダーによる売却活動が一定量あることを示しており、潜在的に同行の業績や将来の見通しに対する自信の欠如を示唆している可能性がある。

一方で、機関投資家の保有比率が高いことは、機関投資家が同行の将来性に前向きな見通しを持っていることを示唆している可能性がある。

シティグループ(C)の流動性に関して

シティグループ(C)の流動性と取引分析では、直近営業日の一日の出来高が14,882,195株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は15,785,752株となっていることからも、同行株式には一貫した売買があることを示している。

また、同行株式のダークプール指数(DPI)は53.77%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示唆しており、この銘柄の隠れた流動性の可能性を示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

一方で、この高水準のDPIは、市場価格に大きな影響を与えずに大口注文を執行したいトレーダーに大きな流動性を提供している可能性がある。

全体として、シティグループは健全な流動性レベルと活発な取引活動を有しているようであり、安定した取引量を持つ流動性の高い銘柄を求める投資家にとって、潜在的に魅力的なオプションとなっていると言える。