やや強気コストコホールセールコストコ / COST / 予想配当利回り2.4% / 強気:連続増配の小売配当銘柄の株価分析と今後の見通し(前編)

- アメリカの小売企業は、激動する経済情勢の中でも持続的な成長を誇っている。
- 規模が大きく、株主に優しい経営構造を持つ大規模小売企業は、長期的に魅力的な投資先となり得ると見ている。
- 本稿では、急速に拡大する世界的な事業展開と業界トップクラスの会員維持率、更に、配当が継続的に増加する小売業界のリーダーであるコストコ(予想配当利回り2.4%)について考察したい。
コストコ(COST)に関して
食品から電化製品、高級専門店からディスカウントストアまで、北米の小売業は多様でダイナミックである。
この業界は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいが、景気サイクルや通貨供給量、資本コストに左右されることなく、毎年一貫して売上高を伸ばしてきた。
大型小売店には忠実な顧客がついており、時には割高な価格を支払うことも厭わない層も存在するのが現状である。
また、こうした企業は、革新的な方法でコストを最小限に抑え、利益を最大化することもできている。
全米小売業協会(National Retail Federation)の報告書によると、小売売上高は過去10年間、インフレを上回る成長率を示しており、この傾向は当分の間続くだろうとのことである。
(出典:全米小売業協会)
投資家にとって、既存の大型小売店の株式への投資にはいくつかのメリットがある。
安定性と確立されたブランド: 消費者によく知られ、認知されている確立されたブランドを持っていることが多く、ロイヤルティとリピートビジネスに繋がっている。
多様性: 地理的に多様性のある店舗を運営しており、立地的な依存が少ない。
規模の経済: 規模の経済から恩恵を受け、 サプライヤーとより良い取引を交渉し、様々な方法で利益率を高めることができる。
配当の支払い: 堅実な配当増加の実績を保持しており、投資家が切望する安定した収入源(配当)を提供している。
景気下降局面における回復力:消費者が経済的に困難な状況下でも、購入し続ける必需品を販売していることが多いため、景気後退期にも安定している可能性がある。
コストコ(COST)は、世界第3位の小売企業であり、その業容は拡大し、顧客ロイヤルティも高い。
コストコ(COST:年間予想配当利回り2.4%)
コストコは、会員制モデルで事業を展開し、世界的な事業規模を拡大する世界有数の小売企業である。
つまり、顧客は、店舗で買い物をしたり、その他の提携サービスを受けたりする特典を得るためにお金を払っているのである。
更に、コストコは、 業界トップクラスの満足度と会員維持率を誇る顧客基盤を持ち 、従業員満足度では「働きがいのある会社」として 常に高い評価を得ている 。
コストコの会計年度は12月1日から11月30日までで、最近2023年度の決算が発表され、1億2950万人の会員と92.7%という驚異的な更新率を誇り、世界中に871の倉庫を持つ広大なネットワークを誇っている。
(出典:著者が作成)
コストコは2004年に配当プログラムを開始して以来、株主への配当金を増やし続けており、多額の特別配当を実施した例もある。
同社は最近、2023年12月28日営業終了時点の株主に対し、2024年1月12日に支払う1株当たり15ドルの特別配当を宣言した。
通常の一株当たり四半期配当1.02ドルと合わせると、年率2.4%の利回りとなる。
同社は20年間の配当額の年平均成長率(CAGR)が13%と高く、インフレに負けない収入を求める投資家に最適の企業であると見ている。
予想PERは40.1であり、コストコ株は決して割安とは言えないが、時には高クオリティの企業にプレミアムを支払うことも意味があると考える。
コストコはトータル・リターンにおける王者であり、そのパフォーマンスは過去10年間、S&P500を圧倒してきた背景がある。
第4四半期、コストコの売上高は前年同期比9%増、最終利益は16%増となった。
また、2023年度のEPSでは、普通配当の配当性向が最大で25%と非常に魅力的な水準となっている。
インフレを上回るトップラインの成長は、小売売上高が物価上昇の影響を上回ったことを示している。
コストコの貸借対照表には、152億ドルの現金および現金同等物が計上されている一方、53億ドルという管理可能な長期債務も保持している。
更に、コストコの長期債務はA+の信用格付けを得ており、財務の健全性を示している。
また、同社は2023年度第4四半期に43万3,000株の自社株買いを行っており、株主還元の最大化を引き続き優先していることも分かる。
配当の増加、大量の自社株買い、総売上高、店舗数の増加により、コストコは顧客と株主に多大な価値を提供し続けている。
以上より、私は、同社株式は、配当成長に特化したポートフォリオにとって必需品であると見ている。
※続きは「ウォルマート / WMT / 予想配当利回り1.4% / 強気:連続増配の小売配当銘柄の株価分析と今後の見通し(後編)」をご覧ください。