中立コストコホールセールコストコ / COST / 予想配当利回り0.6% / 中立 / 連続増配:24年1Q決算分析と今後の株価見通し・将来性
- コストコ(COST:予想配当利回り0.61%)は会員制の小売モデルを運営している。
- 同社は、在庫をパレットに保管することでコストのかかる商品陳列を避け、販売時点の在庫を倉庫型店舗に保管することで流通経費を抑えている。
- そして、同社は2023年12月14日に24年第1四半期決算を発表している。
コストコ(COST)の概要
セクター:小売
現在の株価: 683ドル
時価総額: 3,032億ドル
一株当たり本質的価値: 564.16ドル
安全マージン: -21.11%
5年間の配当成長率: 12.10
配当落ち日: 2023年12月27日
配当支払い日: 2024年1月12日
予想配当利回り: 0.61%
5年間の売上高成長率: 12.10%
10年間の売上高成長率: 8.80%
コストコ(COST:予想配当利回り0.61%)は、会員制の小売モデルを運営しており、厳選された商品をバーゲン価格で大量に提供することを基本としている。
同社は、在庫をパレットに保管することでコストのかかる商品陳列を避け、販売時点の在庫を倉庫型店舗に保管することで流通経費を抑えている。
コストコのコスト構造を考慮すると、同社は競合小売企業よりも低い価格で商品を販売することが可能であり、倉庫型店舗当たりの販売量が多く、薄利多売で高い利益を上げることができる。
コストコは米国で約600の倉庫型店舗を運営し、国内の倉庫型クラブ業界で60%以上の市場シェアを誇っている。
海外では、主にカナダ、メキシコ、日本、英国などで270の倉庫型店舗を運営している。
そして、同社は2023年12月14日に24年第1四半期決算を発表している。
コストコ(COST)の収益と成長
コストコ(COST)は前四半期に一株当たり3.575ドルの利益を報告し、これは前々四半期の一株当たり4.817ドルの利益と比較して減少している。
一方で、長期的な成長を見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでの過去5年間のEPSの年間平均成長率(CAGR)は15.50%、10年間の年平均成長率は12.90%であり、長年にわたる一貫した成長傾向を示している。
そして、業界の成長予測では、小売業界は今後10年間、安定した成長が見込まれており、確固たる実績と市場でのポジションを確立している同社は、この成長の恩恵を受ける好位置にあると見ている。
財務レバレッジの面では、同社は歴史的に中程度のレバレッジを維持してきた。
このため、同社は成長機会を活用する一方で、負債水準を効果的に管理することができていると言える。
過去の成長率と業界予測を考慮すると、同社は今後も成長し続ける可能性があると予想するのが妥当である。
しかし、投資家は十分な情報に基づいて投資判断を下すために、同社の業績と業界の動向を注意深く監視する必要がある。
コストコ(COST)の配当
コストコは過去5年間、年間12.10%の配当成長率を誇り、過去3年間では、1株当たり12.50%の配当成長率を維持している。
そして、これは、株主への価値還元に対する同社のコミットメントを示していると言える。
また、EBITDA有利子負債倍率は0.84であり、コストコの健全な財務状況を示している。
これは、同社の配当支払いの持続可能性にとって重要な点である。
同社の予想配当利回りは0.61%で、これは1ドルの投資につき0.0061ドルの配当が期待できることを意味する。
この利回りは低く見えるかもしれないが、過去の同社の配当成長率と財務の安定性を考慮することが重要であると考える。
直近の四半期では、コストコは1株当たり15ドルの特別配当を発表し、同社の好調な財務実績を強調する格好となった。
さらに、1株当たり0.900ドルから1.020ドルの範囲で、1年間に4回の現金配当が発表されている。
これらの配当金は定期的に支払われ、株主に利益をもたらしている。
同社の配当パフォーマンスを同セクターと比較する際には、同セクターに属する他の企業の配当利回りと成長率を総合的に考慮することが重要である。
そうすることで、同社の配当パフォーマンスが同業他社と比較してどのように積み重なるかをより理解することができる。
全体として、同社は配当成長への強いコミットメントを示し、健全な財務体質を有している。
これは、最近の特別配当と定期的な現金配当と相まって、同社をインカム(配当収入)を求める投資家にとって魅力的な選択肢にしている。
予想配当利回り:0.61%
配当性向:27%
配当カバレッジ・レシオ:3.7
5年間の配当成長率: 12.10%
EBITDA有利子負債倍率:0.84
コストコ(COST)のバリュエーション
同社の現在の株価である683.31ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である564.16ドルより高く、株価が割高である可能性を示している。
実績PERは46.57であり、同社の5年平均、10年平均を大きく上回っており、投資家が株価収益に割高なプレミアムを支払っている可能性を示唆している。
株価売上高倍率は1.23と業界平均をやや上回っており、投資家は同社が生み出す売上1ドルに対してより高い価格を支払うことを望んでいることを示している。
EV/EBITDAレシオは26.1も業界平均より高く、EBITDAを考慮すると、株価は同業他社より高いバリュエーションで取引されている可能性を示唆している。
全体として、同社の現在の株価は本質的価値より高く、バリュエーション・レシオは業界平均より高い水準にあることが分かるが、一方で、同社が市場で一貫してプレミアムを獲得していることに注目することも大事である。
したがって、投資家は投資判断を下す前に、株価の過去の実績と市場センチメントを慎重に検討すべきである。
コストコ(COST)のリスクとリターン
同社株のリスク評価分析では、考慮すべきプラス要因とマイナス要因の両方を取り上げたい。
プラス面では、ピオトロスキーFスコアの9は非常に健全な状況を示しており、ベニッシュMスコアの-2.88は、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示唆している。
さらに、同社の営業利益率は拡大しており、加えて、アルトマンZスコアも7.95であることから、同社は強い財務力を保持していると言える。
しかし、一方で、注意すべき点もある。
同社売上総利益率は長期的に低下しており、年平均-1.5%のペースで減少している。
さらに、過去3ヶ月間に7件のインサイダー(内部関係者)による同社株式15,977株が売却されている一方で、インサイダーによる買い付けはなかった。
株価の実績PERは49.49と10年ぶりの高水準に近く、株価売上高倍率は1.27と10年ぶりの高水準に近い。
さらに株価自体も10年ぶりの高値に近づいている。
総合的に判断すると、同社の財務体質などポジティブな要素がある一方で、投資家は売上総利益率の低下、インサイダーによる売却、高水準のバリュエーション・レシオ等に注意する必要がある。
コストコ(COST)のインサイダー(内部関係者)による売買
同社のインサイダー取引データによると、過去12ヶ月にインサイダーによる買い付けはなく、一方で19件のインサイダーによる売却があった。
これは、インサイダーが同社の将来の業績に対してポジティブな見通しを持っていない可能性があることを示している。
さらに、同社のインサイダー保有率は僅か0.52%で、同社の役員や取締役がこの事業に大きな利害関係を有していないことを示唆している。
一方、同社の機関投資家保有比率は40.07%であり、同社株式のかなりの部分が投資信託、年金基金、その他大手投資会社などの機関投資家によって保有されていることを示唆している。
これは、これらの機関投資家が同社の長期的な見通しに自信を持っていることを示している可能性があり、潜在的な投資家にとってポジティブなシグナルとなる可能性がある。
投資家が投資判断を下す際には、こうした要因を考慮することが重要である。
コストコ(COST)の流動性
同社の前営業日の1日当たりの出来高は2,126,171株であり、過去2ヶ月の1日平均出来高は2,266,014株であった。
これは同社株式の流動性が比較的安定していることを示している。
また、同社のダークプール指数(DPI)は41.66%となっている。
DPI は、ダークプール(注文情報を公開しない私的な取引所)で発生する株式の取引の割合を測定している。
DPIが高いほど、ダークプールで行われる取引の割合が高いことを示し、機関投資家による取引が増加し、市場の透明性が低下している可能性を示唆している。
以上より、提供された情報に基づけば、同社は比較的安定した流動性を有し、ダークプールでの取引活動が顕著であるということが分かる。