中立コストコホールセールすべて表示コストコ / COST / 予想配当利回り0.56% / 中立:最新の24年第2四半期決算分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- コストコ(COST:予想配当利回り0.56%)は、会員制の小売モデルを運営し、厳選された商品をバーゲン価格で大量に提供することを基本としている。
- 同社は米国で約600の倉庫型の店舗を運営し、国内の倉庫型店舗クラブ業界で60%以上の市場シェアを誇っている。
- 同社は2024年3月7日に24年度第2四半期決算を発表している。
コストコ(COST)の概要
セクター:小売(ディフェンシブ)
現在の株価:725ドル
時価総額:3218億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:578.51ドル
安全マージン:-25.41%
過去5年間の配当成長率:12.10%
配当落ち日:2024年2月1日
配当支払い日:2024年2月16日
予想配当利回り:0.56%
過去5年間の売上高成長率:12.10%
過去10年間の売上高成長率:8.80%
コストコ(COST)は、会員制の小売モデルを運営し、厳選された商品をバーゲン価格で大量に提供することを基本としている。
同社は、在庫をパレットに保管することでコストのかかる商品陳列を避け、また、販売時点の在庫を倉庫に保管することで流通経費を抑えている。
コストコの質素なコスト構造により、同社は競合の小売企業よりも安い価格で商品を販売することができ、さらに、倉庫当たりの販売量が多いため、薄利多売で高い利益を上げることができている。
同社は米国で約600の倉庫型の店舗を運営し、国内の倉庫型店舗クラブ業界で60%以上の市場シェアを誇っている。
海外では、主にカナダ、メキシコ、日本、英国などで270の倉庫店を運営している。
コストコ(COST)の収益と成長に関して
コストコ(COST)の2024年第2四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは3.866ドルで、前四半期に比べ成長を示している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は15.50%で、過去10年間の年平均成長率は12.90%となっている。
実際に、同社は過去数年間、一貫して力強い収益成長を示しており、市場におけるビジネスチャンスを上手く活用する能力を示していると言える。
また、同社の過去の財務レバレッジの程度は緩やかで、成長を持続的にコントロールすることが出来ている。
堅実な財務実績と着実な成長軌道により、同社は、確立されたブランドと顧客基盤を活かし、今後数年間でさらに拡大を続け、より大きな市場シェアを獲得するのに有利なポジションにあると考える。
以上より、投資家は、その強固な財務ファンダメンタルズと戦略的事業アプローチ故に、今後もコストコ株の成長が期待できるだろう。
コストコ(COST)の配当に関して
コストコ(COST)は過去5年間、12.10%の成長率で一貫した配当の成長を示している。
直近の四半期では、同社は1株当たり1.02ドルの配当を発表し、予想配当利回りは0.56%となっている。
さらに、同社は1株当たり15.00ドルの特別配当を発表し、株主への価値還元へのコミットメントを示している。
また、同社の配当パフォーマンスをセクターと比較すると、同社は配当成長率の点でアウトパフォームしていると言える。
加えて、同社のEBITDA純有利子負債倍率は0.83となっていることから、健全なバランスシートを保持し、将来の増配に十分な余地があると言える。
全体として、コストコの配当成長軌道は、その強固な財務状況と相まって、安定的で信頼できる配当収入を求める配当重視の投資家にとって魅力的な投資対象として位置づけられている。
予想配当利回り:0.56%
配当性向:27%
配当カバレッジ・レシオ:3.75
過去5年間の配当成長率:12.10%
EBITDA純有利子負債倍率:0.83
コストコ(COST)のバリュエーションに関して
コストコ(COST)の現在の株価は725.59ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である578.51ドルと比べると高いバリュエーションで取引されていることが分かる。
また、EV/EBITDA倍率は28.09で、EBITDAに対して割高で評価されていることを示唆している。
さらに、5年平均、10年平均と比較すると、株価売上高倍率、EV/EBITDA倍率は割高で取引されている。
加えて、PEGレシオは3.65となっており、株価が収益成長率に対して割高である可能性を示している。
一方で、株価売上高倍率は1.3となっており、株価が売上高に対して妥当な価格で取引されていることを示している。
全体として割高に見える点は否めないが、コストコの強力なファンダメンタルズと業界における一貫した業績は、同社への割高なバリュエーションを正当化する可能性がある。
コストコ(COST)のリスクとリターンに関して
コストコ(COST)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の売上総利益率は年平均-1.5%で低下しており、長期的には収益性に影響を与える可能性がある。
さらに、過去3ヶ月間に9件のインサイダー(内部関係者)による同社株式の売却(合計20,594株)が確認されている一方で、買い付けは確認されていない。
株価のPBRは15.5と10年ぶりの高水準に近づいており、予想PERも47.46と10年ぶりの高水準に近づいている。
株価と株価売上高倍率も10年来の高水準に近く、潜在的な割高感を示している。
さらに、予想配当利回りは10年ぶりの低水準に近いため、配当収入を求める投資家が敬遠する可能性がある。
一方でプラス面では、同社のピオトロスキーFスコアは7と高く、健全な財務状況を示している。
ベニッシュMスコアは-2.78で、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
さらに、営業利益率は拡大しており、一株当たりの売上高と利益の伸びは一貫している。
また、8.72という強固なアルトマンZスコアが示すように、同社は強い財務力を示している。
コストコ(COST)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
コストコ(COST)は過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の売却がかなり多く、買い付けが0件に対し、売却が21件あった。
この高水準のインサイダーによる同社株式の売却は、取締役や経営陣を含むインサイダーが、同社の株価がピークに達したと判断し、保有株を売却する機会を狙っている可能性がある。
ただし、同社のインサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに0.51%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は40.14%であり、機関投資家の存在感が大きいことを示唆している。
コストコ(COST)の流動性に関して
コストコ(COST)の流動性は高く、直近の営業日の1日の出来高は2,704,571株で、過去2カ月間の1日当たり平均出来高は2,261,174株となっており、一貫した売買が行われていることがわかる。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は39.94%で、取引活動の大部分 が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆 している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
全体として、コストコの流動性と取引分析は、堅調な取引活動と流動性を示しており、ポジションを容易にエントリーおよびエグジットしたい投資家にとって魅力的な銘柄となっている。