強気クレド・テクノロジー・グループ・ホールディング【AI】クレド・テクノロジー(CRDO:目標株価105ドル)とは?今後の株価見通しと将来性に迫る!

- 本稿では、注目の米国AI関連銘柄である「クレド・テクノロジー(CRDO)とは?」という基礎的な内容から、2025年3月4日に発表された最新の2025年第3四半期(暦年:2024年第4四半期)決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は今後大きな成長が期待されており、収益の前倒しが12か月進んでいることから、2026年初頭までの目標株価として105ドル(本稿執筆時点の株価:46.73ドル)を設定しています。
- 顧客の集中リスクやフリーキャッシュフローの損益分岐点といった課題はあるものの、同社の技術力と市場でのポジションを考慮すると、有望な投資機会であるように見えます。
- 同社の高速接続ソリューションはAIやビッグデータセンターにとって不可欠であり、主要顧客であるアマゾン(AMZN)の成長が事業を後押ししています。
- また、堅固なバランスシートを有しており、1億ドル規模のフリーキャッシュフローを生み出す可能性があることから、長期的な投資先としての魅力も際立っているように見えます。
クレド・テクノロジー(CRDO)の最新の2025年度第3四半期決算発表に関して
クレド・テクノロジー(CRDO)は、2025年3月4日に2025年度第3四半期(暦年:2024年第4四半期)決算を発表し、非常に好調な見通しを示しています。決して強気すぎるわけではなく、同社は実質的に12か月以上の収益を前倒ししたと考えています。
同社は非常に成長性の高いビジネスであり、決算を受けて株価が下落していますが、気にする必要はないと考えています。この下落は一時的なノイズに過ぎず、この投資機会を見逃すべきではないと見ています。
ただし、2つの懸念点があります。1つは、同社のフリーキャッシュフローがまだ損益分岐点にあること。もう1つは、事業のほぼ全体がアマゾン(AMZN)に依存している点です。
これらの課題については、本稿で正面から取り上げます。しかし、それらの状況を踏まえても、同社は魅力的な投資先であると考えており、目標株価として2026年初頭までに1株105ドル(本稿執筆時点の株価:46.73ドル)を設定しています。
では、早速、詳細に入っていきましょう!
クレド・テクノロジー(CRDO)を取り巻く重要な背景
現在、市場はDeepSeekの潜在的な影響について非常に警戒しています。
そして、今回の好調な決算発表を受けても株価がほとんど反応していないことから、市場の懸念が依然としてこの銘柄に重くのしかかっていることがわかります。
しかし、市場の動きに流されてはならず、市場に従って行動しているだけでは、結局、市場に後れを取ることになると考えています。
今後数週間、数か月の間に、市場はまた別の懸念材料を見つけるでしょう。そしてその時、クレド・テクノロジー(CRDO)は本格的に買われる局面を迎えると見ています。
そのため、同社株式の上昇に関しては、しばらく待つことになるかもしれませんが、それは私としては大きな問題ではないと見ています。そして、株式に対する市場の期待値が低いほど、すべての疑問に対して完璧な答えを持つ必要はなくなります。これこそが私が「インフレクション投資家(Inflection investor)」としての手法を好む理由です。市場で最も賢い必要はなく、それでも利益を得ることができるのです。
因みに、インフレクション投資とは、企業や市場が大きな転換点(インフレクションポイント)を迎えるタイミングを狙って投資を行う戦略のことです。インフレクションポイントとは、新たな技術革新、規制の変更、市場環境の変化などによって、企業の成長軌道や業界の構造が大きく変わる瞬間を指します。この投資戦略では、企業の成長が加速する前にポジションを取り、その変化が市場に認識されることで株価が上昇することを狙います。
例えば、AIや半導体技術のブレークスルー、新興企業の急成長、産業のデジタルシフトなどがインフレクション投資の対象となるケースが多いです。ただし、こうした転換点を見極めるには、業界動向や企業戦略を深く分析する必要があり、高度なリサーチ力と先見性が求められます。
クレド・テクノロジー(CRDO)とは?
クレド・テクノロジー(CRDO)は、高速接続ソリューションを提供し、大規模なデータセンターやAIプラットフォームの処理速度を向上させ、エネルギー効率を高める技術を開発しています。
同社の技術は、大量のデータをサーバーやネットワーク機器間で可能な限り高速かつ省電力で転送することに特化しています。
これを実現するために、特殊なチップ設計、ケーブル、およびシステムレベルの革新技術を組み合わせ、AIのワークロードがより負荷の高いものになっても、スムーズなデータフローを維持できるようにしています。
特に大手クラウド企業にとっての最大の価値は、同社の製品が速度と省電力に最適化されているため、従来の非効率的な代替手段を必要としなくなることです。
今後の展望として、同社は力強い成長フェーズにあり、最大の顧客であるアマゾンがAIの生産を加速させる中で、売上が急増しています。
さらに、他の主要クラウドプロバイダーとの関係も拡大しており、同社の技術が業界の標準となる可能性も高まっています。
また、同社は新たな製品領域にも進出しており、PCIe接続ソリューションなどを手掛けることで、さらなる成長の機会を生み出しています。
このような背景を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズについて詳しく見ていきましょう。
クレド・テクノロジー(CRDO)は今後12か月で前年比80%の売上高成長の可能性
クレド・テクノロジーの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
クレド・テクノロジー(CRDO)は今後の成長見通しを非常に強気に示していることから、市場のアナリストがどの四半期にこの売上高に到達すると予想しているのかを詳しく見てみました。
下記のデータを見ると、同社の2025年度第4四半期のガイダンスは、実質的に12か月分の売上を前倒ししたものになっていることがわかります。
(出所:Seeking Alpha)
このガイダンスは市場にとって非常に力強いものであり、市場はどのように解釈すべきか迷っている状況です。市場は通常、安定的にポジティブなニュースが続くことを好みます。
しかし、今回の売上ガイダンスはあまりにも強力だったため、投資家はまだ驚きを隠せずにいます。
私自身も、今後の成長率が「どこまで強くなるのか」を自信を持って予測するのは難しいと感じています。現時点では、次の四半期の前年比成長率170%のガイダンスから、成長の鈍化を考慮し、80%程度の成長と見積もっています。
この予測が厳しすぎるかもしれないとは思いますが、一定の誤差を考慮した慎重な見積もりを立てることが重要です。
それでも、今後12か月で同社は7億8,000万ドルの売上に達する可能性があり、これは驚異的な成長を示すものです。まさにモンスター級のビジネスになろうとしているように見えます。
クレド・テクノロジー(CRDO)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの85倍
インフレクション投資を重視する立場から、企業のバランスシートは良い投資と悪い投資を分ける重要な要素だと考えています。その点において、無借金経営のクレド・テクノロジー(CRDO)は非常に健全なバランスシートを持ち、時価総額の5%に相当する現金を保有しています。これはまさに「★5評価」の素晴らしい財務体制であり、私自身非常に好感を持っています。
次に、同社のNon-GAAPベースの粗利益率の推移を見てみましょう。
・2024年第3四半期:62.2%
・2024年第4四半期:66.1%
・2025年第1四半期:62.9%
・2025年第2四半期:63.6%
・2025年第3四半期:63.8%
・2025年第4四半期(予測):64.2%
2025年度第4四半期の粗利益率は、ガイダンスの中央値を基にすると前四半期からわずかに上昇する見込みです。これは、企業価値評価のさらなる拡大を後押しする要因となります。
しかし、同社の最大の課題は、フリーキャッシュフローがまだ損益分岐点レベルであることです。現時点で重大な懸念ではありませんが、今後注視していくべきポイントだと考えています。
以前、私は2026年度には同社が1億ドルのフリーキャッシュフローに達する可能性を見込んでいました。これは、2026年度のNon-GAAP営業利益が2億ドルに達し、前年比100%増になると仮定した場合の推測です。
加えて、フリーキャッシュフローは私の投資戦略において最も重要な指標であり、特に注目しているポイントです。
とはいえ、現在の状況を見ると、同社の成長のための再投資戦略は確実に成果を上げていることが分かります。そのため、短期的なフリーキャッシュフローの最大化よりも市場シェアの拡大を優先する姿勢を過度に批判するつもりはありません。
それでも、仮に同社が本当に1億ドルのフリーキャッシュフローを達成した場合、株価は予想フリーキャッシュフローの85倍に相当する水準となります。この数値は「株価/フリーキャッシュフロー/成長率倍率」で約1倍となり、PEGレシオ(株価収益成長率)に似ていますが、私は利益の代わりにフリーキャッシュフローを用いて評価しています。
総合的に考えると、現在の株価(約55ドル)では、同社には非常に魅力的な要素が多いように見えます。
クレド・テクノロジー(CRDO)を取り巻くリスク要因
現在のクレド・テクノロジー(CRDO)にとって最大の課題は顧客の集中リスクです。前四半期の売上の86%が1社のハイパースケール顧客(アマゾン)からのものとなっており、同社は事業の多角化を進めていますが、この主要顧客の成長が鈍化すれば、同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。
この点は投資家にとって懸念材料となるかもしれません。しかし、成長途上の企業が特定の1社または2社に依存するのは珍しいことではありません。
例えば、アリスタ・ネットワークス(ANET)はメタ・プラットフォームズ(META)やマイクロソフト(MSFT)への依存度が高く、TSMC(TSM)もアップル(AAPL)からの売上比率が一時的に25%に達することがあります。それでも、これらの企業は時に株価が高い評価を受けてきた実績があります。
もう1つの懸念点は、競争の激しさです。特にブロードコム(AVGO)、マーベル・テクノロジー(MRVL)、エヌビディア(NVDA)といった企業が同じ市場で競争しており、高速接続技術やイーサネットソリューション、データセンターネットワーキングといった分野でしのぎを削っています。
クレド・テクノロジー(CRDO)に対する結論
クレド・テクノロジー(CRDO)は、今まさに大きく成長しようとしている企業です。
市場の慎重な姿勢について? 確かにリスクはあります。アマゾンへの依存は現実的なリスクであり、現時点で大きなフリーキャッシュフローを生み出していないのも事実です。しかし、成長株でリスクのない企業があるでしょうか?
同社は最適な市場環境、最適なタイミング、そして最適な技術を持っているように見えます。AI需要の急拡大により、ハイパースケール企業はより高速で効率的な接続を求めており、同社はまさにこの転換点(Inflection Point)に位置している企業です。今回のガイダンスは、まさに「マイクドロップ級」の発表であり、市場はまだその価値を完全に理解していないように見えます。
そして、私は2026年初頭までに同社の株価が105ドルに達する可能性があると考えています。
ポートフォリオに追加した今、あとはじっと待つだけであり、本当に大きな利益は、じっくり待つことで得られると考えています。
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2025年2月中旬:米国株ポートフォリオ・アップデート
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