10/30/2023

やや強気
ディアジオ
やや強気
世界的に有名で親しまれているブランドを持つ堅実なポートフォリオ、成長市場への展開や低い配当性向を踏まえ、同社に対して強気で見ています。
ディアジオ(DEO)予想配当利回り3.6% / 強気:高配当嗜好品銘柄の株価分析と今後の見通し・将来性(後編)

photography of person holding glass bottles during sunsetヴェンカット・ ラガーヴァンヴェンカット・ ラガーヴァン
  • 飲料用アルコールは、急成長する世界中の中間層の間で定番の飲料品となっており、特にアルコールは経済の低迷期にも安定した需要があり、ブランド価値が価格決定力を左右する。
  • 本レポートでは、ディアジオ(DEO:予想配当利回り3.6%)の収益と長期的な成長について考察する。
  • 同社は200以上のブランドを有し、180カ国以上で販売する国際的な蒸留酒の大手企業であり、米国市場をリードしている。
  • 同社のブランドは高い人気を誇り、特にジョニーウォーカーは1.6兆円の価値を持ち、英国で5番目に価値のあるブランドに選ばれている。
  • 更に、同社は年2回の配当を支払い、25年以上連続で増配を続けており、今後も継続的な増配が見込まれている。

※「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)予想配当利回り9% / 強気:高配当嗜好品銘柄の株価分析と今後の見通し・将来性(前編)」の続き

はじめに

前編では、タバコ需要の継続的な強さと、VAPEトレンドの高まりによって、寛容な配当利回りが期待出来る、最初の「Vice Stock(ヴァイス株 / 悪徳銘柄)」について触れた。

本日は、タバコ・セクターよりも受け入れられやすい、飲料用アルコール・セクターについて説明する。

タバコのように健康への悪影響があるにもかかわらず、アルコールは文化的嗜好の一部であることが多く、生活の社会的構成要素として見なされる傾向にあるため、社会的偏見が少ないのが現状である。

注:この銘柄は、ロンドン証券取引所に上場しています。その為、本レポート上の価格および数値は全て英ポンド建てで表記しております。英国は、海外投資家に支払われる配当金に対して、外国税を源泉徴収しておりません。

ディアジオ(DEO:年間予想配当利回り:3.6%)

ディアジオ(DEO)は、200を超える広範なブランド・ポートフォリオを有し、180カ国以上で販売する、国際的な蒸留酒の大手企業である。

同社は、米国市場をリードする存在である一方で、アルコール消費が益々受け入れられてきているインド等の新興国においても急成長を遂げている。

ディアジオのブランド

2032年までに、世界中で更に6億人の消費者が成人を迎えると予想され、「中間層以上」の所得層が継続的に成長することが見込まれている。

その為、飲料用アルコール・ビジネスは、当分の間、市場が拡大し続けることが予想される。

一方で、ディアジオにとって最大の市場である米国のような成熟市場であっても、成長の可能性は十分にある。

スピリッツの普及率は依然として低く、アルコール飲料を購入する世帯は毎年50%程度に過ぎない。

ディアジオのブランドは、あらゆる飲料カテゴリーで高い人気を誇り、業界内でも高い価値を誇っている。

例えば、ジョニーウォーカーは、最近、109億米ドル(約1.6兆円)の価値があり、英国で5番目に価値のあるブランドに選ばれた。

ディアジオは年2回配当金を支払っている。

4月の中間配当と10月の期末配当で、2回の配当金のおおよその割合は40/60である。

同社は25年以上に渡り、毎年増配を続け、配当貴族としての地位を維持している。

2023年度についても、同社は、中間配当を5%増額することで配当の払い手としての地位を維持し、加えて、最近、期末配当も5%増額することを発表した。

また、同社は、2023年度の配当に関して、1.8~2.2倍のEPSカバレッジを保持していることからも、継続的な増配の余地があることを示している。

筆者による算出

ディアジオのバランスシートは、S&PとMoody'sの格付けでA-/A3であり、2022年12月末時点のレバレッジ・レシオは2.5倍(自社目標レンジの下限)である。

過去12か月間の配当支払いに関しては、年率3.6%の利回りとなっている。

2023年度のディアジオの17億ポンドの配当支出は、28億ポンドのフリー・キャッシュ・フローで十分に賄われており、フリー・キャッシュ・フロー配当性向は60%と保守的であり、今後数年間の継続的な配当増加の可能性を示している。

また、ディアジオのPERは16.6倍であることからも、トップ・アルコール・ブランドへの投資としては、魅力的なバリュエーションであると考える。

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