中立ウォルト・ディズニーすべて表示ウォルト・ディズニー / DIS / 予想配当利回り0.78% / 中立:最新の24年1Q決算と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- ウォルト・ディズニー(DIS:予想配当利回り0.78%)は、エンターテインメント、スポーツ、エクスペリエンスという3つの事業を展開している。
- エンターテインメント部門とエクスペリエンス部門はいずれも、フランチャイズやキャラクターから利益を得ている。
- また、同社は2024年2月7日に24年第1四半期決算を発表している。
ウォルト・ディズニー(DIS)の概要
セクター:メディア
現在の株価:115ドル
時価総額:2,125.54億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:117.85ドル
安全マージン:1.68%
過去5年間の配当成長率:N/A
配当落ち日:2024年7月5日
配当支払い日:2024年7月25日
予想配当利回り:0.78%
過去5年間の売上高成長率:3.80%
過去10年間の売上高成長率:5.80%
ウォルト・ディズニー(DIS)は、エンターテインメント、スポーツ、エクスペリエンスの3つのグローバル・ビジネス・セグメントで事業を展開している。
エンタテインメント部門とエクスペリエンス部門は、同社が100年以上にわたって築き上げてきたフランチャイズやキャラクターから利益を得ている。
エンターテイメント部門には、ABC放送ネットワーク、複数のケーブルテレビネットワーク、Disney+とHuluのストリーミングサービスが含まれる。
この部門では、ディズニーは映画やテレビの制作・配給も行っており、コンテンツは映画館や他のコンテンツプロバイダーにライセンス供与されるほか、ディズニー独自のストリーミングプラットフォームやテレビネットワークで使用するために自社で保有するケースも増えている。
スポーツ部門にはESPNとESPN+ストリーミングサービスがある。
エクスペリエンス部門には、ディズニーのテーマパーク等が含まれ、商品ライセンスからも利益も含まれている。
ウォルト・ディズニー(DIS)の収益と成長に関して
24年第1四半期、ウォルト・ディズニー(DIS)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは大幅な伸びを示し、前四半期の0.82ドルに対し1.04ドルに達した。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は-17.90%で、過去10年間の年平均成長率は-8.80%となっていることからも、過去の水準を著しく上回っていることが分かる。
また、同社の1株当たり売上高も前四半期に12.833ドルに増加している。
さらに、今後10年間の業界成長予測を見ると、エンターテインメント部門は、進化する消費者の嗜好と技術の進歩に牽引され、安定した成長が見込まれている。
そして、同社は歴史的に中程度の財務レバレッジで運営されており、これはさらなる成長機会の可能性を示している。
多様なポートフォリオ、強力なブランドプレゼンス、ストリーミング・サービスへの戦略的投資により、ウォルト・ディズニーは今後数年間、業界の成長ポテンシャルを活用するのに有利な立場にあると見ている。
ウォルト・ディズニー(DIS)の配当に関して
ウォルト・ディズニー(DIS)の配当の支払いにはバラつきがあり、安定しているとは言えない。
また、EBITDA純有利子負債倍率は3.61倍で、利益に対して負債が中程度であることを示している。
さらに、予想配当利回りは0.78%で、現在の株価に基づく投資家の配当経由でのリターンは控えめであることを示唆している。
次回の2024年7月の配当支払いでは、同社は1株当たり0.45ドルの配当を支払う予定となっている。
同社の配当履歴を比較すると、配当金は2019年末の支払い以降、2023年末の支払いまで、配当の支払いは実施されていなかった。
そして、同セクターの配当実績と比較すると、同社の配当成長は乏しく見えるかもしれない。
そのため、より高い配当成長率を求める投資家は、より優れた配当成長トレンドを示す同セクター内の他の企業を物色する方が良いかもしれない。
予想配当利回り:0.78
配当性向:8%
配当カバレッジ・レシオ:5.4
5年間の配当成長率:N/A
EBITDA純有利子負債倍率:3.61
ウォルト・ディズニー(DIS)のバリュエーションに関して
ウォルト・ディズニー(DIS)の現在のバリュエーションは、弊社算出の一株当たり本質的価値である117.85ドルをわずかに下回っており、現在の株価は115.87ドルとなっている。
一方で、実績PERは71.52となっており、利益に対して高いバリュエーションを示しているが、株価売上高倍率は2.39と、売上高に基づく妥当なバリュエーションを示唆している。
EV/EBITDA倍率も19.16であり、EBITDAに基づく中程度のバリュエーションを示している。
さらに、5年平均、10年平均と比較すると、同社は過去の平均に近い水準で取引されており、現在のバリュエーションは業界標準に沿った水準にある。
株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率は妥当な範囲にあり、これらの指標から同社の株価は大幅な割高でも割安でもないように見える。
ウォルト・ディズニー(DIS)のリスクとリターンに関して
ウォルト・ディズニー(DIS)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、効率性の低下を示唆している。
また、売上総利益率は年平均-5.3%で低下しており、潜在的な収益性の課題を示している。
さらに、営業利益率は年平均-17.6%で低下していることからも経営難を示唆している。
そして、株価売上高倍率も年初来高水準に近く、上値余地が乏しい可能性を示唆している。
加えて、投下資本利益率も加重平均資本コストを下回っており、資本効率の悪さを示している。
株価も年初来高値に近く割高感があり、予想配当利回りは10年来の低水準にある。
プラス面では、ベニッシュMスコアの-2.64は、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
ウォルト・ディズニー(DIS)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ウォルト・ディズニー(DIS)においては、過去12ヶ月のインサイダー取引が比較的少なかった。
インサイダーによる同社株式の買い付けは1件、一方で売却は5件のみで、同社インサイダーは積極的に同社株式の取引を行っていないようである。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は僅かに0.96%である点にはご留意ただきたい。
一方、機関投資家の保有比率は36.02%で、機関投資家が同社株で大きな存在感を示していることを示唆している。
同社の取締役および経営陣の動向分析によると、インサイダーは積極的に株式を売買しておらず、これは社内からの強いシグナルやセンチメントの欠如を示している可能性がある。
投資家は、株価のセンチメントや将来のパフォーマ ンスの潜在的な変化を測定するために、インサイダーや機関投資家による同社株式の取引の変化をモニターすべきである。
ウォルト・ディズニー(DIS)の流動性に関して
ウォルト・ディズニー(DIS)の過去2ヶ月間の1日平均出来高は12,437,019株と比較的多く、直近営業日の出来高は7,108,608株で、引き続き活発な取引がうかがえる。
同社株式のダークプール指数(DPI)は34.05%で、取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
そして、この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
全体として、ウォルト・ディズニーは日々の取引量から流動性が高いと思われるが、投資家はダークプール取引が価格ダイナミクスに与える影響に注意する必要があるだろう。