強気ドキュサイン【テクノロジー】ドキュサイン(DOCU:目標株価130ドル)とは?今後の株価見通しと将来性に迫る!

- 本稿では、注目の米国テクノロジー銘柄である「ドキュサイン(DOCU)とは?」という基礎的な内容から、2025年3月13日に発表された最新の2025年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は市場で過小評価されているように見えますが、2026年会計年度には5年ぶりにビリング額の成長が加速し、フリーキャッシュフローマージンも向上する見込みです。
- 現在の株価は予想フリーキャッシュフローの14倍と割安であり、無借金経営かつ時価総額の5%以上を現金で保有しているため、安全性の高い投資先と考えられます。
- 成長率は控えめながらも、財務の安定性と魅力的なバリュエーションを踏まえ、2026年夏までに株価が130ドルに達する可能性があると考えています。
ドキュサイン(DOCU)の最新の2025年度第4四半期決算発表を受け、ポートフォリオへの組み入れを決定!
ドキュサイン(DOCU)は市場から見放された存在となっています。かつてのコロナ禍の勝者でしたが、多くの投資家はすでに終わった企業だと考えています。
しかし、実際には、売上成長の先行指標となるビリング額が2026会計年度に加速する見込みです。これは5年ぶりの成長加速となります。
さらに、現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの約14倍で取引されており、無借金経営を維持し、時価総額の5%に相当する現金を保有しています。
そのため、同社に対して強気になれる要素は多く、2026年夏までの目標株価として1株130ドルを想定しています。
読者の皆さんは既にご存じの通り、私の投資戦略はとてもシンプルです。
そして、完璧ではありませんが、十分に機能する方法であると考えています。私は急成長銘柄と、成長がやや緩やかな銘柄の両方をポートフォリオに追加しています。成長が遅めの銘柄をポートフォリオに組み込むことで、全体の安定性を確保するという考え方です。
例えば、リクイディティ・サービシズ(LQDT)は1月の高値から22%下落しましたが、アップラビン(APP)は45%も下落しています。成長が緩やかなリクイディティ・サービシズの方がドローダウン(下落率)が小さいため、元の水準まで戻るのに必要な上昇幅も少なくて済みます。
通常、成長が遅い銘柄にはあまり注目しないかもしれませんが、市場全体の勢いが落ちている今のような局面では非常に重要になると考えています。
そして、こうしたターンアラウンド銘柄(業績回復銘柄)は、成功すると短期間で大きな成果をもたらす傾向があります。しかし、アサナ(ASAN)やビル・ホールディングス(BILL)のように期待どおりに回復しないケースでは、難しい状況になります。
下記の図は私が過去に売却した銘柄のリストです。
(出所:筆者作成)
私のポートフォリオの詳細は、下記のレポートをご覧ください。
上記の図からも分かる通り、現時点では、私は50%以上の確率で成功する投資判断をしていると言えます。
現在の市場環境は確かに厳しいものですが、市場平均を上回るリターンを追求するために、自分が信じられなくなった投資アイデアは、どんなに冷酷でも容赦なく排除していきます。
時には、こうした姿勢が読者の皆様の間では不人気になることもあるでしょう。しかし、私は「転換点(Inflection:インフレクション)」を捉える戦略が機能することを考えており、それが一貫性と信頼性を持っていることも理解しています。
この戦略が完璧でないことは承知していますが、今は市場から距離を置くタイミングではないと考えています。
これは、「今すぐ株価が大きく反発する」と言いたいわけではなく、この水準で新たなベース(底値)が形成される可能性が高いという意味です。
したがって、フリーキャッシュフローが強く、無借金経営の企業に注目することが、今最も適切な投資戦略だと考えています。
ドキュサイン(DOCU)とは?
ドキュサイン(DOCU)は、契約書の署名をデジタル化するサービスを提供しています。これにより、契約書を印刷して署名し、スキャンしてメールでやり取りする必要がなく、数回のクリックでオンライン上で完結できます。
企業は同社を活用することで、契約手続きを迅速化し、紙の書類を削減し、契約管理を効率化できます。最近では、AIを活用した機能を追加し、契約の重要な条項を特定したり、ワークフローを自動化したり、他の業務ソフトウェアと連携したりできるようになっています。
弁護士や不動産業者など、単なる電子署名では不十分な重要な契約を扱う職種にも活用されています。
このような背景を踏まえ、同社のファンダメンタルズについて考えてみます。
ドキュサイン(DOCU)の売上成長率は前年比6%を見込む
ドキュサインの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
ドキュサイン(DOCU)の売上成長率は6%と予測されています。この数値だけを見ると、一見大したことがないように思えるかもしれません。しかし、この点に注目すべき理由があります。それは、決算説明会での以下の発言です。
「過去数年間、ビリング額の成長は減速しており、それに伴い売上成長も減速しています。ただし、売上の変化は一定のタイムラグを伴うため、すぐには反映されません。 2026会計年度では、以前の契約による売上減速の影響を受け続けることになります。2024会計年度のビリング額成長率は9%以上、2025会計年度は7%未満でした。そして2026会計年度は特別な年となります。なぜなら、初めて請求額の成長が加速すると見込まれるからです。特に、為替の影響を除外するとその傾向が顕著になります。」
さらに、以下のようにも述べています。
「2026会計年度でビリング額の成長を再加速できれば、それを継続することで長期的な売上成長の加速につなげられると考えています。」
ビリング額は、売上成長率の先行指標です。2026会計年度の請求額は前年比8%増と予測されており、2021年以来初めて成長が加速する見込みです。
これは、もし同社が順調に業績を伸ばせば、市場における評価が大きく変わる可能性があることを意味すると考えています。現在は売上成長にタイムラグがあるものの、今後数四半期の間に、投資家の見方が大きく変わるかもしれません。特に、現在の割安なバリュエーションを考慮すると、その可能性は高いと考えられます。
ドキュサイン(DOCU)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの14倍
これまでの分析と一貫して、私はドキュサイン(DOCU)が無借金である点を評価しています。投資判断において「転換点(インフレクション)」を重視する私にとって、これは投資家にとって十分な安全余裕(マージン・オブ・セーフティ)を提供する要素だと考えています。
さらに、私の分析を普段からご覧になっている方ならご存じかと思いますが、私は時価総額の5%以上を現金で保有する企業を好んで投資対象としています。
同社はその条件を満たしており、時価総額の5%以上を純現金として保有しています。これは、企業にとって選択肢を広げ、市場での評価見直し(リレーティング)の可能性を高める要因になり得ると考えています。
市場の景気後退を何度か経験してきた中で、普段は企業のバランスシートを重視しない投資家も、市場環境が悪化した途端にその重要性に気付くものだと感じています。
また、前会計年度において、同社は9億2,000万ドルのフリーキャッシュフローを創出していますが、最新の見通しはどうなるでしょうか?
決算説明会での以下の発言を見てみましょう。
「当社のフリーキャッシュフローマージンは、1年間を通じてNon-GAAPベースの営業利益率をやや上回る水準で推移しました。この傾向は、2026会計年度も続くと予想しており、特にビリング額の成長が寄与すると見ています。」
そして、2025会計年度のフリーキャッシュフローマージンは30.9%であり、Non-GAAP営業利益率の29.8%を約110ベーシスポイント上回る結果となりました。
(出所:ドキュサインの2025年度第4四半期決算資料)
もしこの利益率の推移が2026会計年度も維持されるとすれば、32%前後のフリーキャッシュフローマージンが期待できると考えられます。
仮に2026会計年度で完全に達成されなかったとしても、少なくとも13億ドルのフリーキャッシュフローを創出する道筋は見えていると言えます。
つまり、現在の株価は予想フリーキャッシュフローの14倍で取引されており、これは非常に割安な水準だと考えています。
ドキュサイン(DOCU)を取り巻くリスク要因
ドキュサイン(DOCU)を取り巻く最大のリスクは、成長率がそれほど魅力的ではない点です。 投資家が株価を再評価するのは、売上が持続的に成長し、それによってフリーキャッシュフローが増加すると確信した場合のみです。もし単なる利益率の引き上げによる成長にとどまるなら、投資家の期待感はそれほど高まりません。
私は過去に「割安だから」という理由で株を買い、そのまま「割安なまま」の状態が続くという失敗を何度も経験してきました。しかし、私は市場の期待が低く、なおかつ売上成長が加速する兆しのある銘柄こそ、最強の組み合わせだと考えています。
もう一つのリスクは、Adobe SignやDropbox Signなど、多くの企業が契約AI市場でシェアを奪い合っていることです。この分野は非常に競争が激しく、明確なリーダーが存在しない状況です。
ドキュサイン(DOCU)に対する結論
ドキュサイン(DOCU)は市場で見過ごされていますが、その財務状況は全く異なるシグナルを示しています。
2026会計年度には、5年ぶりにビリング額の成長が加速し、フリーキャッシュフローマージンは32%に達する見込みです。この状況は、同社の株価が大きく見直される可能性を示唆しています。
また、将来の予想フリーキャッシュフローの14倍という割安なバリュエーションで取引されており、無借金経営かつ時価総額の5%以上を現金で保有しているため、安全余裕(マージン・オブ・セーフティ)も確保されています。
確かに成長率は派手ではありません。しかし、財務の改善と魅力的なバリュエーションが組み合わさることで、リスクとリターンのバランスが非常に魅力的な投資機会となっていると考えています。
そのため、私は同社に対して強気であり、2026年夏までに同社の株価は130ドルに到達する可能性があると考えています。
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