01/22/2024

やや強気
エンブリッジ
やや強気
エンブリッジへの投資は、安定した予測可能なビジネスモデルと長年にわたる増配の実績から、7.5%の利回りを提供します。さらに、最近の買収や北米の公益事業分野での強力な存在感により、将来性のある投資機会と見ています。
エンブリッジ(ENB:予想配当利回り7%)&ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ:予想配当利回り6%):高配当銘柄の分析と今後の株価見通し・将来性(Enbridge & Verizon)

green plant in clear glass vaseヴェンカット・ ラガーヴァンヴェンカット・ ラガーヴァン
  • 配当による受動的収入(パッシブ・インカム)は、ウォール街が経済的自由(Financial Freedom)を得るための秘策である。
  • 歴史的に見ても、大企業の配当は弱気相場や不況期にも安定していることが伺える。
  • 本稿では、最大で7.5%の予想配当利回りを誇る2つの高配当銘柄を紹介したい。

はじめに

私はDr. Dividend(配当博士)であり、私の個人的な目標は、配当の出る株式・証券から成る包括的なポートフォリオを構築し、自身の市場分析等に費やす時間と投資資金に見合ったリターンを得ることである。

株式市場は、紛れもなく、人類史上最大の富を生み出している。

株式市場で富は築かれてきた(そして失われてもきた)が、投資家は株式市場が保証された投資形態ではないことを認識しなければならない。

なぜなら、どのような企業を買っても、株価は簡単に40~50%暴落する可能性があるからである。

そのため、全ての投資家は、このような下落に対して心構えをしておかなければならない。

そのような心構えがないのであれば、株式市場は、あなたのニーズを満たす上で最適な場所ではないかもしれない。

そして、伝説の投資家であるウォーレン・バフェットは下記のように言っている。

「短期間に50%価値が下落した際に、精神的に深刻な苦痛を感じるのであれば、あなたは投資家として普通株を保有すべきではない。」

私が配当株に投資する2つの理由

  1. 高い安定性配当を支払っている企業は、本質的にそれぞれの市場/セクターでより確立された存在であり、着実に事業運営上必要な再投資の額を上回る利益を生み出している。そうでなければ、株主に対して配当を支払えるはずがないだろう。そのため、これらの企業は株主還元を維持しながらも、景気後退等の逆風を乗り切るのに有利な立場にあると見ている。

  2. 受動的所得(パッシブ・インカム)の創出配当は、投資家に定期的で予測可能な収入源を提供する。この安定性は、生活費を賄ったり、収入を補ったりするために投資に頼っている人にとっては特に魅力的である。いつかは誰もがキャリアから引退する日が来ることから、その際には、自身の口座に定期的に多額の配当金が入金されるようであれば、日々の計画が立てやすくなるだろう。

1.エンブリッジ(ENB:年間予想配当利回り7.5%)

エンブリッジ(ENB)はカナダの中流を担う公益企業で、北米で生産される原油の約30%を輸送し、米国で消費される天然ガスの約20%を輸送している。

エンブリッジは最近 オハイオ州、ノースカロライナ州、ユタ州、アイダホ州、ワイオミング州で事業を展開する3つの天然ガス事業会社を買収、米国の公益事業部門で大きな存在感を示すことになった。

これらの買収により、同社のガス事業比率は22%に倍増することになっている。

この買収は2024年上半期に完了する予定で、これによりエンブリッジは北米最大のガス事業フランチャイズとなる。

注:エンブリッジはカナダ企業であり、本記事に記載されている価格はすべてカナダドルベースである。また、本稿執筆時点では1カナダドル=0.74米ドルとなっている。

エンブリッジは、安定性と再現性の高い事業を展開している。

同社の顧客の95% 以上は投資適格の格付けを受けており、調整後EBITDAの80%はインフレ対策が施されている。

このことは、エンブリッジが景気後退期にも収益性を維持し、長期にわたって強靭な価格決定力を発揮できる体制を整えていることを意味する。

エンブリッジは、29年にわたり毎年増配を続けている有力な配当の支払い手である。

同社の現在の四半期配当金は1株当たり0.9150ドルで、予想配当利回りは7.5%となっている。

そして、この配当の支払いは、配当性向が65%(2023年度の最初の9ヶ月間のDCFに基づく)という控えめな水準に基づくものである。

2024年度の調整後EBITDAは166億~172億ドルで、DCFに換算すると54億~58億ドルを見込んでおり、エンブリッジは暦年末に向けてさらに最大で3%の増配を実現することができる可能性があると見ている。

現在、エンブリッジは、予想PERで17倍の水準で取引されており、適度な配当性向故に、十分に配当金をカバーできている。

そのため、株主は今後数年間、継続的な増配を期待できる可能性があると見ている。

2.ベライゾン(VZ:年間予想配当利回り6.7%)

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は、売上高で世界最大の通信会社であり、そのトップライン(売上高)の約75%は、米国の消費者に対するワイヤレス、インターネット、テレビ、電話サービスによるものである。

2021年と2022年はベライゾンにとって設備投資の大きな年であり、5G周波数帯を獲得するための記録的な入札に続き、ワイヤレスとファイバーサービスのためのインフラ構築とその展開が同時に行われることとなった。

2023年には設備投資が正常化し、ベライゾンはフリー・キャッシュ・フローの拡大を通じて、その熱心な設備投資による利益を享受し始めている。

ベライゾンは2023年のフリー・キャッシュ・フロー予想を180億ドルに引き上げ、同社の年間配当は、フリー・キャッシュ・フロー配当性向で61%と適度な水準になることが予想されている。

2024年においては、私はベライゾンが設備投資を削減しながら、フリー・キャッシュ・フローをさらに成長させ、加えて、大幅な債務を返済することを見込んでいる。

また、ベライゾンのバランスシートはフィッチから投資適格A-の格付けを受けており、第3四半期末のレバレッジ比率は2.6倍であった。

2023年には、ベライゾンは9月に17年連続の増配を実施し、配当の安定を継続している。

現在の四半期配当は1株当たり0.665ドルで、予想配当利回りは6.7%となっている。

私には、フォワードPERが8.5倍の水準で取引されている同社株はお買い得に映り、且つ、同社の高配当は、市場の参加者にとって、同社に投資する上でのインセンティブとなると見ている。

一方で、金利上昇の中で、ウォール街が関心を寄せるポイントは、高水準にある債務と設備投資額である。

ベライゾンは、キャッシュフローを通じて、その両方に対応できる体制を整えており、私は、市場がそれを認識するのにそれほど時間はかからないだろうと見ている。

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