中立ファスナル【米国株式市場:最新の今後の見通し】:製造業の好転、ソフトランディングの兆し

- 米国の製造業は再び成長軌道に乗りつつあり、サービス業が消費者金融引き締めのあおりを受けて減速するなか、重要な局面を迎えている。
- 来年、米国経済がソフトランディングする可能性は高まると考えている。
好調な企業業績が金利への懸念に取って代わり、株価は債券利回りの上昇を押し切って大幅高となった。
地政学的な対立が激化し、企業トップや市場専門家が経済や市場について悲痛な警告を発しているにもかかわらず、昨日CBOEボラティリティ・インデックスが10%以上も暴落したことで、期待されたような恐怖感は見られない。
季節的に1年で最も株価が上昇する3ヶ月が目の前に迫っており、年末ラリーが始まったように感じられる。
モルガン・スタンレーの万年ベアは、先週から始まった決算パレードを全力で踏み潰そうとしている。
ストラテジストのマイク・ウィルソン氏は、業績予想の修正幅がここ数週間悪化していると指摘した。
言い換えれば、決算シーズンが始まるにつれ、アナリストは予想を上げる企業よりも下げる企業の方が多くなっているということだ。
もしそのようなことが、決算シーズンを前にして通常起こることでないのであるとすれば、悪い兆候かもしれない。
しかし、下のグラフが示すように、アナリストはほぼ全ての四半期の終わり近くに、企業が予想を上回ることができるように数字を引き下げるのが好きであることが分かる。
これは当然のことであり、ベアは藁をも掴む思いなのだろう。
今注目すべきプラスの変化率は、製造業セクターによるものだと考える。
今年初め、私は、金融引き締めの影響でサービス業が減速し始めるのと同じ時期に、米国の製造業が回復すると予想した。
製造業が1年近く収縮を続けた後、それが現実のものとなったようだ。全米供給管理協会(ISM)による9月の購買担当者景気指数(PMI)は49.0まで上昇し、11ヵ月目の縮小となったが、2022年11月以来最も遅いペースで記録された。
成長と縮小を分ける水準は50.0であり、それを上回りそうな勢いである。
サブコンポーネントである雇用と生産はすでに50.0を上回り、新規受注も49.2と成長目前である。サービス部門の活動がさらに鈍化する第4四半期には、製造業の成長回復が不可欠となることからも、足元の最新のデータは心強いと言える。
このセクターにとってもうひとつの好材料は、全国に3,000以上の店舗を展開し、幅広い産業分野の顧客に何千もの商品を販売しているファスナル(FAST)の先週の決算報告だった。
ファスナルの売上高は、製造業にとって素晴らしい結果であり、ウォール街の予想を上回る決算を発表したファスナルの株価は、先週18ヶ月ぶりの高値まで上昇した。
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