05/12/2025

強気
ファイバー・インターナショナル
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私は、強力なフリーキャッシュフローを生み出し、かつ健全なバランスシートを持つ企業を買うことを好みますが、同社はその両方を満たしています。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)の将来性:最新の2025年第1四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

A cell phone sitting on top of a wooden tableマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄であるファイバー・インターナショナル(FVRR)の2025年5月7日に発表された最新の2025年第1四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 2026年夏までに1株60ドルという目標株価を改めて維持し、強気スタンスを継続しています。この見通しは同社の堅調なフリーキャッシュフローと魅力的なバリュエーションに支えられています。
  • 私は、強力なフリーキャッシュフローを生み出し、かつ健全なバランスシートを持つ企業を買うことを好みますが、同社はその両方を満たしています。
  • 今後の予想フリーキャッシュフローに基づく倍率が10倍未満で、年間14%成長を見込んでいるにもかかわらず、同社株式は過小評価されていると考えています。
  • AIリスクの話題については、確かに現実的なものですが、新しい懸念ではなく、市場はすでにこれを織り込んでいると見ています。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)の最新の2025年第1四半期決算発表に関して

ファイバー・インターナショナルFVRR)は、今後3年間でフリーキャッシュフローを前年比14%成長させるという野心的な目標を掲げています。その一方で、株価は今なお将来のフリーキャッシュフローの10倍未満で取引されています。

さらに、同社のバランスシートは急速に強化されており、時価総額の4%に相当する現金を保有しています。これに加え、長期保有可能な有価証券も含まれており、財務基盤を一層強固にしています。

この投資方針にはいくつかの瑕疵もありますが、主にフリーランス業務におけるAIリスクが挙げられます。ただし、この懸念はすでに市場に十分織り込まれていると考えています。

本決算を踏まえても、2026年夏までに1株60ドルという目標株価を改めて維持しています。

では、詳細に入っていきましょう!

ファイバー・インターナショナル(FVRR)を取り巻く重要な背景

ファイバー・インターナショナルFVRR)は、私が2月19日にポートフォリオに追加した「退屈な」銘柄でした。これは、リベレーションデーイベントが本格化するはるか前の話です。当時の私の考えは、市場が多少不安定になった場合でも、この種の「退屈な」ビジネスは価値を維持できるだろう、というものでした。

振り返ってみると、ファイバーはその役割を見事に果たしてくれたと考えています。当時私は1株34ドルでこの銘柄をポートフォリオに追加しましたが、現在の株価は31ドルです。

以前から何度も申し上げている通り、ポートフォリオには分散が必要であると考えています。ボラティリティの高い銘柄だけに偏るわけにはいきません。市場が激しく売り込まれる局面でも、冷静さを保てるようなポートフォリオ構成が必要です。そして、同社は私のポートフォリオにおいてまさにその役割を果たしてくれました。ポートフォリオ内で、急落しない銘柄を持つことができ、本当に良かったと思っています。今後も同社を魅力的な銘柄として維持し続ける予定です。リスクとリターンのバランスが非常に良いと考えています。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)とは?

ファイバー・インターナショナルFVRR)は、企業が迅速かつ手頃な価格でフリーランス人材を見つけることができるオンラインプラットフォームです。

書籍の編集、YouTube動画の制作、大規模プロジェクトの管理など、さまざまな業務について、ファイバーはクライアントとフリーランスワーカーを結びつけています。

同社のプラットフォームには通常のマーケットプレイスだけでなく、「ファイバープロ(Fiverr Pro)」もあり、企業がトップクラスのフリーランサーやプロジェクト管理ツールにアクセスできるようになっています。要するに、クライアントが迅速に適切な人材を見つけ、従来型のエージェンシーのような煩雑な営業プロセスを経ることなく、大規模プロジェクトをスムーズに管理できるよう設計されています。

次に、収益および利益は市場予想を上回り、ファイバープロのような新しいツールも順調に浸透しています。大手企業もこのプラットフォームを本格的に活用し始めており、初期成功をきっかけに数十万ドル単位での利用を行うケースも出てきています。

さらに、同社はAIを活用した機能によってユーザーのエンゲージメントも強化しており、これがフリーランサーたちの成約率向上にも貢献しています。もちろんAIはビジネスにとってリスクでもありますが、同社はAIによる恩恵も受けているというストーリーを構築しています。

加えて、フリーランス需要が堅調に推移していること、またプレミアムサービスの拡大に注力していることから、同社は今後の成長の転換点(インフレクションポイント)を迎えつつある魅力的な企業であると考えています。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)の売上高:成長率は依然として魅力的、前年比14%を示唆

ファイバー・インターナショナルの売上高成長(%)

(出所:筆者作成)

私が最初にファイバー・インターナショナルFVRR)をポートフォリオに追加したのは2月のことでしたが、その際に次のように述べました。

「ファイバー・インターナショナル(FVRR)の2024年の年間の売上高成長率は8.3%で終了しました。一方で、2025年のガイダンスとして12%の成長を見込んでいることを考えると、2025年が終わる前には、投資家も「14%の売上成長は現実的だ」と捉えるようになると考えています。」

「特に、2025年第1四半期には、前年比16%の売上成長を達成する可能性があると見ています。これは、成長率が加速しているように見えるため、投資家にとって非常に魅力的な展開となると考えています。」

この発言通り、2025年第2四半期のガイダンスは、上記で強調した「比較対象が緩やかになることにより、同社がより力強い成長軌道に乗る」という見方を裏付ける内容となっています。

さらに、同社の経営陣が示している、2027年までにフリーキャッシュフロー(FCF)を年平均成長率(CAGR)14%で成長させるという長期ガイダンスにも信頼性が増してきたと言えます。この前提を踏まえ、ここからはバリュエーションについて考察していきます。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの10倍

インフレクション投資家として、私は強固なバランスシートを持つ企業を支援することを好みます。その観点から見ても、ファイバー・インターナショナルFVRR)が長期保有していた有価証券の大部分を流動資産化したのは非常に良いニュースです。これにより、今後数四半期の間に転換社債を返済する計画があることが示されています。

その結果、同社は現在、約4,000万ドルの純現金を保有しており、これには7,000万ドル相当の長期有価証券は含まれていません(これらは現金化までに時間を要する可能性があります)。

まとめると、同社の時価総額の約4%が現金によって構成されている点を非常に評価しています。さらに、今後の四半期において、ビジネスによって生み出されるキャッシュフローを加えることで、株価がこの水準で推移すれば、バランスシートにおける現金比率が時価総額の5%に達する見込みです。

さらに進めて、以前の分析レポートでは次のように述べました。

「この成長を前提とすると、2025年のフリーキャッシュフローは約1億1,000万ドルに達する可能性があります。これにより、現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という水準になります。」

「このバリュエーションは、非常に魅力的だと考えています。」

この四半期だけでも同社は約2,700万ドルのフリーキャッシュフローを生み出しており、私が以前に見積もった年間1億1,000万ドルのフリーキャッシュフロー予想は引き続き妥当だと考えています。特に、同社の第4四半期は通常、最もフリーキャッシュフローが強い四半期であることを考慮すると、2025年における最大のキャッシュフロー貢献はこれから期待できるためです。

総合的に見て、同社株は予想フリーキャッシュフローの10倍という非常に魅力的な価格に留まっています。ここで思い出していただきたいのは、私は調整済みPEGレシオ(通常の利益ではなくフリーキャッシュフローを用いる)を基準にしているという点です。この指標において、同社は0.7倍で取引されています。一般的に3倍未満が魅力的とされ、1倍未満であれば魅力的なバリュエーションであるとみなされます。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)を取り巻くリスク要因

現在、最も意識すべきリスク要因は3つあります。

まず第1に、フリーランス経済は急成長しているわけではなく、安定しているに過ぎないという点です。そのため、ファイバー・インターナショナルFVRR)は成長を確保するために、これまで以上に激しく戦わなければなりません。さらに、景気全体も依然として不安定であり、企業が支出を抑制する可能性もあります。

第2に、そして恐らく最も重要なリスクとして、AIは諸刃の剣であるということです。同社はプラットフォームの改善にAIを活用していますが、一方で、一部のフリーランスサービスを完全に代替してしまう生成AIツールからの圧力にも直面しています。現時点ではその影響は具体的に現れていませんが、株価が短期的に抑えられている要因の一つであることは間違いありません。

第3に、同社は厳しい競争にも直面しています。一般的なマーケットプレイスであるアップワーク(UPWK)だけでなく、よりニッチなエージェンシーとの競争もあります。さらに、ファイバーは取引単価の高い顧客層へのシフトを目指しているため、アップワークとの競争は今後ますます激化していくでしょう。アップワークは決して侮れる存在ではありません。

ファイバー・インターナショナル(FVRR)に対する結論

私は引き続きファイバー・インターナショナルFVRR)に対して強気の立場を取っており、2026年夏までに1株60ドルに到達すると可能性があると考えています。

そして、AIがフリーランスの仕事を奪うという懸念については、すでに現在の株価に十分織り込まれていると考えており、ここで注目すべきは、実際の数字であると考えています。

同社は順調に現金を積み上げており、この四半期だけでも2,700万ドルの堅実なフリーキャッシュフローを生み出しています。そして、将来のフリーキャッシュフローを基準にしても10倍未満という割安な水準で取引されています。これは非常に稀なケースです。さらに、同社は今後数年間で年平均14%のフリーキャッシュフロー成長を見込んでいます。

ビジネスは堅調に推移しており、バランスシートも一段と強化されています。そして、現在のバリュエーションは割安な水準にあると見ています。


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