【米国株式投資】When To Sell? / 株式を売却するタイミングはどのように確定すべきか?

- 割安企業への投資を中心とする一方で、自身がどのような投資家であるかにより、どのような投資スタイルを求めるかが決まる。
- 市場のセンチメントと企業のファンダメンタルズが実際に一致し、企業の将来性が十分に市場で認識され、株価に反映された時に、一貫して売却することが重要である。
- 私の株式の保有期間は通常18ヶ月であり、2年以内に株価が改善しない場合は、自分の方針に誤りがあったことを示唆していると受け止め、売却をしている。
サマリー
自分がどのような投資家か、つまりどのような気質を持っているかによって、どのような投資を求めるかが決まる。
私の場合は、常にエントリー・ポイントを間違える可能性があることを念頭に置きつつ、割安に取引されていると思われる企業を探すことを好んでいる。
株価を振り返り、その銘柄を売買するベスト・ポイントを計算することは誰にでもできる。
しかし、実際には、後知恵ではなく、常に将来を見て投資しなければならないことから、私はこのレポートにおいて、自分の中での「売却基準」を示している。
読者の皆様に、理解しやすく、繰り返し使えるように、できるだけシンプルに定式化しようと試みた。
私の思考プロセスに同意していただく必要はないが、少なくとも、このレポートが皆様にとって、投資スタイルを考えるきっかけとなれば幸いである。
私の売却基準から、皆様が好きなものを取り入れて頂ければと思う。
これから述べることが、万が一皆様の役に立つのであれば、それは素晴らしいことである。
もしそうでないのなら、最低限、自分がどのようなポイントを受け入れたくないかについて考えてみてはいかがだろうか。
どのタイミングで売るべきなのか?
この最も難しいテーマを正面から議論したい。
投資に正しい戦略も間違った戦略もない。
今日上手くいっていることが、いつもうまくいくとは限らない。
また、各投資家の投資スタイルも異なる。
だからこそ、投資はアートなのである。
とはいえ、ひとつだけ共通点がある。
ひとつは、安く買って高く売ることを追求することである。
そのためには、ある企業の将来のキャッシュフローを、他の投資家の期待値よりも割安で買う必要がある。
さらに、あなたは、再現性のある、一貫した売却基準・戦略を求めているはすである。
なぜなら、一度だけでも完璧に売却できればいいという訳ではないからである。
売り戦略には再現性のある事前の計画が必要である。
次に、投資をする際に、自身が実際にどういったアクションを試みているのかを考えてみよう。
一つは、投資家の予想がズレていて、ミスプライスで取引されている将来のキャッシュフローを買うことである。
それは、例えば、ペイパル(PYPL)のような、足元、人気のない劣勢企業を買い、平均回帰に賭けることかもしれない。
あるいは、例えば、アルファベット(GOOG/ GOOGL)のように、成長株を買い、群衆の予想よりも将来の成長をより正確に予測することかもしれない。
反対に、長期的な成長を遂げる企業であっても、その企業がほとんど成長しておらず、現在の株価が将来のキャッシュフローを完全に織り込んでいるのであれば、買う意味はない。
繰り返しになるが、株式投資とは、全ては期待値に関する問題である。
Sell When It's Aligned
これは、株を売却するタイミングを表す上では、非常に奇妙な表現かもしれない。
ここでは、私は、市場のセンチメントと企業のファンダメンタルズが実際に一致した時に、株式を売却すべきであると主張しているのである。
しかし、これは、実際にはどういうことなのか?
まず、市場の投資家が、特定の事業の将来キャッシュフローに適切な価格付けをしていない時に、あなたはその事業を発掘し、投資するために懸命に努力をしなければならない。
いつ買うべきかについては、この場では深く掘り下げず、あくまでも、売るタイミングに集中したい。
私の投資方法は、この一連のルールに従って、企業の将来のキャッシュフローが株価に十分に織り込まれていないタイミングで買うものである。
そして、その有望な将来性が、市場において認められたタイミングで売却するのである。
しかし、常に覚えておかなければならないのは、安く買い、株価が値上がりした後、その会社の将来性が悪化した際に、当株式を売却しなかった結果、せっかくの含み益を逃してしまう可能性があるということである。
投資は非常にミスが起きやすいものであることを承知した上で、常に自身に対してミスの余地を残した上で取り組まなければならない。
私の株式保有期間が約18カ月である理由
私は通常、新しいポジションを約18ヶ月間維持している。
私がこの自身の戦略をこのレポートにおいて率直に開示する理由は、私の投資スタイルは、今後、5年かけていずれ上手くいくであろう企業を探しているのではないことを皆に理解してもらうためである。
同時に、90日後に急騰を期待できるようなホットな銘柄に投資をしようとしている訳でもないというメッセージも込めている。
つまり、上記のレンジの真ん中が私の株式の保有期間である。
さらに、もし私が保有している銘柄が2年以内に大きく改善しなかったとしたら、それは2年前に私が検討した内容が全て間違っていたということと考えている。
つまり、私は何かを見落としていたのである。
もはや、この様な状況で、藪をつついても仕方がない。
他の投資家が株価を吊り上げてくれることを期待して、この期間以上に株式を保有し続けることは、私の考えでは投機に等しい。
私はそのような戦略は取っていない。
それは道徳的な理由からではなく、むしろ、時間をかけて重要な教訓を学んだからである。
私がその会社を買いたくないということは、恐らく他の人も買いたくないからである。
以上が私の売却基準であり、このレポートが、少しでも皆様のお役に立てればと思っている。