people walking on a street with flags
03 - 04 - 2024

【投資コラム】ウォーレン・バフェット氏が保有する米国高配当銘柄を徹底解説!

インベストリンゴ編集部  インベストリンゴ編集部
  • ウォーレン・バフェット氏は「投資の神様」として知られ、バリュー投資を基盤にバークシャー・ハサウェイを率い、主に米国株式市場において長期にわたる高リターンを実現しています。
  • 彼の投資戦略は、企業の本質的価値に注目し、市場価格がその価値を下回る時に投資することで知られており、質の高い企業を長期保有します。
  • 高配当銘柄への投資は、安定した収益とリスク軽減の観点から多くの投資家にとって魅力的であり、ウォーレン・バフェット氏も多くの高配当銘柄を自身のポートフォリオに組み入れております。

※「最新のバフェット銘柄:ウォーレン・バフェット氏がポートフォリオに保有する株式一覧と投資哲学、最新の注目銘柄を徹底分析!」の続き

第1章:ウォーレン・バフェット氏とは?

ウォーレン・バフェットと聞いて、多くの方がすぐに連想するのは「投資の神様」という称号ではないでしょうか。バフェット氏は、長期にわたり高いリターンを達成し続けることで世界的に名を馳せています。では、彼の成功の秘訣は何でしょうか。本章では、バフェット氏の投資哲学と彼が率いる投資会社、バークシャー・ハサウェイについて掘り下げていきます。

ウォーレン・バフェットは1930年生まれのアメリカ人投資家で、バークシャー・ハサウェイのCEOとして知られています。彼の投資哲学は「バリュー投資」に基づいており、企業の本質的価値に注目し、市場価格がその価値を下回っている時に投資を行います。この方法は、彼の師であるベンジャミン・グラハムから受け継がれたものです。

バフェット氏はただ単に安い株を買うのではなく、良い経営陣によって運営されている「質の高い企業」を長期保有することで知られています。彼は企業が持続的に収益を上げる能力、すなわち「競争優位性(モート)」があるかどうかを重視します。このような企業は、市場の変動や競争圧力に強いため、安定した利益を生み出し続けることができます。

バフェット氏のもう一つの成功の秘訣は、彼の忍耐強さです。

彼は市場の短期的な動きに惑わされることなく、長期的な視点で投資を行います。このため、彼は「株価が下がったからといって慌てて売却する」ことはほとんどありません。彼にとって重要なのは、保有している企業の長期的な価値です。

バークシャー・ハサウェイは、バフェット氏のこのような投資哲学によって絶大な成果を上げてきました。同社はもともとは繊維会社でしたが、バフェット氏が取締役会の支配権を握った後、保険業界を中心に多角的な投資を行い、現在では幅広い業界に投資する巨大なコングロマリットに成長しています。

彼の投資方法は、単に投資家にとってだけでなく、一般の人々にとっても有益な教訓を含んでいます。それは「価値を見極める目を持ち、長期的な視点で物事を考える」ということです。この哲学は投資だけでなく、日常生活においても非常に重要な考え方と言えるでしょう。

バフェット氏の投資哲学を学ぶことで、私たちは単に資産を増やす方法を学ぶだけでなく、長期的な視点で価値を判断し、決断する力を養うことができます。彼のアプローチは、急速に変化する現代社会において、一貫した成功を収めるためのヒントを提供してくれるのです。

この章では、ウォーレン・バフェットという人物と彼の投資哲学について概観しました。次章では、バフェット氏がどのようにして「高配当銘柄」に注目し、それを投資ポートフォリオに組み入れるのかについて、さらに詳しく掘り下げていきます。高配当銘柄への投資がどのようにして投資家にとって魅力的な選択肢となるのか、その理由を明らかにしていきましょう。

第2章:高配当銘柄とその魅力

高配当銘柄は、多くの投資家にとって魅力的な投資オプションです。そして、それはウォーレン・バフェット氏にとっても例外ではないようです。これらの銘柄は、安定した収益とリスクの軽減を投資ポートフォリオにもたらす可能性があります。本章では、高配当銘柄投資の基本的な概念から、その魅力、さらには予想配当利回りの重要性について詳しく掘り下げていきます。

高配当銘柄

高配当銘柄とは配当利回りが業界平均や市場平均を上回る株式のことを指します。配当利回りは、企業が株主に支払う年間の配当総額を株価で割ったもので、この数値が高いほど投資家にとって魅力的な投資先となります。これらの銘柄は、特に長期的な投資戦略において重要な役割を果たし、市場の不確実性の中で収入の安定源となり得ます。

高配当銘柄の魅力は、定期的な配当収入にあります。これにより、投資家は株価の変動リスクに対する一定の保護を得ながら、市場がどのような環境であっても利益を享受することができます。さらに、高配当銘柄は通常、経済の変動に強い安定した業種に属する企業から出されることが多く、これがさらなる安心感を投資家に提供します。

しかし、高配当銘柄投資においては、「予想配当利回り」という概念を理解することが不可欠です。

予想配当利回り

予想配当利回りは、将来にわたって企業が支払うと予想される配当を基に計算されます。具体的には、次の1年間に1株当たりで支払われると予想される配当総額を現在の株価で割ることで算出されます。


しかし、重要なのはこの利回りが「予想」に基づいているという点です。予想配当利回りは、企業の未来の業績や経済状況によって変動する可能性があり、その数値が確定的なものではないことを理解しておく必要があります。企業の業績が予想を下回る場合、配当がカットされるリスクがあり、その逆もまた然りです。

予想配当利回りを計算する際、将来にわたって企業が支払うと予想される配当総額を算出するには、いくつかの方法がありますが、主に以下のような手法が用いられます。

1.過去の配当実績に基づく予測

企業が過去にどのような配当を行ってきたかを基に、将来の配当を予測します。これは、企業が過去の配当ポリシーを継続すると仮定した場合のシンプルな方法です。ただし、企業の業績や経済状況が変化すれば、配当も変わる可能性があるため、この方法だけに依存するのはリスクが伴います。

2.企業の利益予測に基づく予測

企業の将来の利益予測を基に、その一部が配当として支払われると予測します。多くの企業は利益の一定割合を配当に回すポリシーを持っているため、利益予測から配当を推測することができます。この方法は、企業の将来の業績に基づくため、過去の実績だけに依存するよりも現実的な予測が得られる可能性があります。

また、高配当銘柄投資を行う際に配当性向を考慮することも重要です。

配当性向

配当性向は、企業が稼いだ利益のうちどれだけを配当に回しているかを示す指標であり、通常、各企業によって計算され、財務報告書などを通じて公表されます。投資家は企業の年次報告書や四半期報告書、投資家向けのプレゼンテーション資料からこの情報を得ることができます。また、金融情報サービスや投資情報サイトでは、企業の配当性向を含むさまざまな財務指標が提供されています。

そして、配当性向を評価する際には、過去のデータと予測データの両方を考慮することが有効です。過去の配当性向は企業が過去にどのように利益を配当に充ててきたかを示し、将来の配当性向の予測は企業の将来的な配当方針や業績予測を反映します。ただし、予測は不確実性を伴うため、複数の情報源からのデータを照らし合わせることが重要です。

また、当期純利益がマイナスであるにもかかわらず配当を行う企業は存在し、この場合配当性向はマイナスとなります。これは、「企業が損失を出しているにもかかわらず配当を支払っている」ことを示しており、その企業が外部資金や過去の利益蓄積を配当に充てている可能性があります。この状況は、企業の財務健全性や将来の配当支払い能力に関する疑問を投げかけるため、投資家はこのような企業に対して慎重な評価が必要です。長期的には、企業が利益を生み出し、その利益から配当を支払う能力を持っているかが重要となってきます。

したがって、高配当銘柄への投資を検討する際には、ただ単に予想配当利回りが高いからといって選ぶのではなく、企業の財務健全性、業界内での競争力、市場環境など、多角的な視点から分析することが求められます。

最終的に、高配当銘柄への投資は、ポートフォリオの一部として考え、分散投資の原則を適用することが重要です。これにより、特定の企業や業界の下振れリスクを軽減しつつ、安定した配当収入を享受することが可能になります。

第3章:バフェットが選ぶ高配当銘柄の特徴

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイは、長期にわたり安定した成果を上げており、その投資戦略は世界中の投資家から注目されています。特に、バフェットが選ぶ「高配当銘柄」は、多くの投資家が学びたいと望む対象です。本章では、バフェット氏が高配当銘柄を選ぶ際に重視する特徴について改めて詳しく解説します。

バフェット氏の投資哲学は、単純明快ですが非常に効果的です。彼はバリュー投資を信条とし、企業の内在価値に注目して投資を行います。この哲学のもと、高配当銘柄を選ぶ際にバフェット氏が注目するのは主に以下の4つの特徴です。

1.強固なビジネスモデル

バフェット氏は、市場の変動に強く、安定したキャッシュフローを生み出すビジネスモデルを持つ企業を好みます。特に、独自の競争優位性(モート)を持ち、業界内での強固な地位を築いている企業が選ばれる傾向にあります。

2.財務の健全性

高い配当利回りを持つ銘柄でも、財務が健全でなければ長期的な投資対象とはなりません。バフェット氏は、低い負債比率、高い自己資本比率、安定したキャッシュフローを重視します。これらは、企業が未来にわたって配当を維持、あるいは増やす能力があるかを示す重要な指標です。

3.明瞭な経営陣

経営陣の質は、企業の長期的な成功に不可欠です。バフェット氏は、ビジョンが明確で、株主の価値を最大化することに注力している経営陣を重視します。また、経営陣が自社株を保有しているかどうかも、彼の評価基準の一つです。

4.合理的なバリュエーション

高配当銘柄であっても、その株価が内在価値を反映しているかは重要なポイントです。バフェット氏は過大評価されている割高な銘柄を避け、内在価値に対して割安であると判断される銘柄を選びます。

これらの特徴を踏まえた上で、バフェット氏が選ぶ銘柄は、長期的な視点で見た場合に安定した収益と成長を見込める企業であることが分かります。高配当銘柄への投資を考える際には、これらのポイントを参考に、自身の投資戦略に合った選択を行うことが大切です。

第4章:バフェットが保有する高配当銘柄5選

ウォーレン・バフェット氏とその投資会社であるバークシャー・ハサウェイが選ぶ高配当銘柄は、投資家にとって非常に参考になる情報です。彼らが選ぶ企業は、安定したビジネスモデル、堅実な財務基盤、そして長期的な視点での増配が特徴です。ここでは、2023年12月31日時点でバフェット氏が保有する高配当銘柄の中から、特に高配当銘柄として市場で人気の高い5つの企業を紹介します。

1.コカ・コーラ(KO

世界的な飲料メーカーであるコカ・コーラは、長年にわたって安定した成長を遂げています。同社は60年以上にわたり連続して配当を増やしており、その堅実なビジネスと配当政策は多くの投資家に支持されています。

コカ・コーラの関連レポートはこちら

2.シェブロン(CVX

エネルギー業界の大手であるシェブロンは、石油とガスの探査から生産、精製、販売まで幅広い事業を展開しています。同社は30年以上の連続増配を誇り、エネルギー業界の中でも特に投資家にとって魅力的な銘柄です。

シェブロンの関連レポートはこちら

3.クローガー (KR)

アメリカの大手スーパーマーケットチェーンであるクローガーは、食料品小売業界で安定した業績を維持しています。同社は配当を継続的に増やしており、投資家にとって魅力的な配当収益を提供しています。

クローガーの関連レポートはこちら

4.ディアジオ(DEO

世界最大級のスピリッツ製造会社であるディアジオは、ジョニーウォーカー、ギネス、スミノフなどの有名ブランドを保有しています。同社は安定した収益基盤を背景に、着実に配当を支払っており、長期的な投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

ディアジオの関連レポートはこちら

5.シティグループ(C

金融業界の大手であるシティグループは、広範な金融サービスとグローバルなネットワークを持ちます。金融危機後、シティグループは配当の安定性と成長を取り戻しつつあります。

これらの企業は、それぞれ異なる業界に属しながらも、安定したビジネスモデルと長期にわたる配当の増加を通じて、投資家に安定したリターンを提供しています。ウォーレン・バフェット氏がこれらの銘柄を選んだ理由は、彼の投資哲学に基づいた堅実なビジネス運営と将来にわたる収益の持続可能性にあります。これらの企業から学ぶべき点は多く、投資家がポートフォリオを構築する際の重要な参考情報となるでしょう。

シティグループの関連レポートはこちら

第5章:バフェット流高配当銘柄投資のコツ

ウォーレン・バフェット氏の投資方法は多くの投資家にとって魅力的ですが、彼が選んだ銘柄を盲目的にフォローすることは推奨されません。バフェット氏が購入した時点と現在では市場環境が異なり、彼が同じ銘柄を現在の価格で購入するとは限りません。したがって、バフェット氏の投資戦略を理解し、自身で銘柄選択を行うことが重要です。以下に、バフェット流の高配当銘柄投資のコツを紹介します。

1.企業の本質的価値を見極める

バフェット氏は企業の内在価値と市場価格の乖離を評価して投資を行います。企業の業績、市場地位、競争優位性などを総合的に分析し、その企業が長期的に価値を提供し続けるかを判断します。

2.財務健全性に注目する

投資を検討する企業が健全な財務状況にあるかを確認します。高い債務、不透明な財務報告、過剰なリスク取りは避けるべきシグナルです。特に、バフェット氏が購入した当時と現在で財務状況が大きく変わっていないかを確認することが重要です。

3.長期的な視点を持つ

短期的な市場の変動に惑わされず、企業が将来的にどのような価値を提供し続けるかを考えます。バフェット氏のように、10年、20年と保有し続けられる銘柄を選ぶことが、成功への鍵です。

4.分散投資を心掛ける

バフェット氏も全資産を一つの銘柄に投じることはありません。市場の不確実性に備え、複数の銘柄やセクターに分散投資を行うことでリスクを軽減します。

5.自己責任の原則を守る

バフェット氏の投資戦略を参考にすることは有益ですが、最終的な投資判断は自己の責任で行う必要があります。他人の意見や流行に流されず、独自の調査と分析に基づいて投資を行いましょう。

投資家がバフェット氏の高配当銘柄投資戦略から学ぶべきは、彼の選択した銘柄を盲目的に真似ることではなく、その背後にある分析プロセスと長期的な視点です。自身で市場を分析し、賢明な投資判断を下すことが、成功への道となります。

次の章では、配当株投資家として成功する上で不可欠な専門用語と重要指標一覧を解説していきます。

※続きは「配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧」をご覧ください。

最後に

インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、AIや半導体関連のテクノロジー銘柄から高配当関連銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は200銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

弊社がカバーしている企業・銘柄の一覧ページはこちら