Part 1:株式投資で成功を目指す投資戦略:インカム投資家とは?REIT、MLP、配当株を活用した高配当利回りのインカム投資法とは?

- インカム投資は経済的自立への楽しい旅の始まりであるが、この旅の途中に落とし穴がないわけではない。
- そこで、インカム投資の基本からその潜在的なリスクまで、3部作で詳細に解説していき、Part 1である本稿では、インカム投資家になる上で必要な基礎を詳細に解説していきたい。
- 金融市場には、投資を通じて企業の成長や繁栄を享受できる多くの機会があり、インデックス・ファンドやETFなど多様な投資手段が存在している。
- 私の投資スタイルは、高い利回りを提供する証券や市場価格が本質的価値よりディスカウントされている証券への投資を優先し、配当や利払いを通じて定期的に報酬を得ることに重点を置いている。
- 配当収入を主目的とするファンドや証券には、不動産投資信託(REIT)、マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)、事業開発会社(BDC)、優先株、債券等が含まれている。
インカム投資とは?インカム投資家になるための基本を徹底解説!
金融市場は、人類史上最大の富の創出源のひとつである。世界には何千もの上場企業があり、投資を通じて、それらの企業の成長と繁栄を享受することができる。個々の企業以外でも、インデックス・ファンド、ミューチュアル・ファンド、ETF(上場投資信託)、CEF(クローズド・エンド・ファンド)といった形で、何千もの分散投資が可能な証券が存在する。そのため、市場からリターンを得るために、私たちが採用できる戦略や手法、テクニックは多く存在していると言える。
その1つが投資スタイルである。私たちの投資スタイルでは、配当や利払いを通じて定期的に報酬を得るというものである。インカム投資の中でも、私は高い利回りを提供するもの、或いは、証券の構造的な設計によって、或いは、市場価格が本質的価値に対して大幅なディスカウントになっていることによって、今後の配当の伸びが期待できるものを優先している。そして、私の上述の投資スタイルに合致する証券には、下記のようなものが挙げられる。
不動産投資信託(REIT)
不動産投資信託(REIT)とは、不動産資産を所有、運営、または融資しており、法人レベルでの所得税納税義務はない。その代わり、これらの企業は利益の少なくとも90%を配当金として株主に分配することが義務付けられており、その結果、非常に高い利回りを実現している。例としては、リアルティ・インカム(O)や、NNNリート(NNN)は、数十年にわたり株主への配当を増やし続けている注目すべきREIT銘柄である。
マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)
MLPとは、主にパイプライン、貯蔵施設、加工インフラなどのエネルギー中流事業に携わる上場パートナーシップで、安定した予測可能なキャッシュフローを生み出している。MLPはパススルー事業体であり、法人所得税を支払わず、代わりに株主に利益を分配している。その結果、投資家の利回りは高くなる傾向にある。一方で、規制上の制約や複雑な税務報告要件(Schedule K-1など)があるため、多くの機関投資家や投資信託はMLPを保有できないか、保有しないことを選択している。その結果、MLPのバリュエーションは比較的魅力的な水準であるものが多い傾向にある。例としては、エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)とエナジー・トランスファー・パートナーズ(ET)は、国内各地にパイプラインと貯蔵施設の広範なネットワークを持ち、分配金も大きく成長している大規模な中流MLPである。
事業開発会社(BDC)
BDCとは、銀行に似ているが、中小企業や不良企業への融資に重点を置いている。BDCの投資は、借り手のキャッシュフロー、設備、知的財産、その他の資産に裏打ちされていることが多い。BDCは、少なくとも90%の収益を株主に分配することで法人税を回避しており、インカム投資家にとって非常に魅力的な投資対象となっている。
アレス・キャピタル・コーポレーション(ARCC)とメイン・ストリート・キャピタル・コーポレーション(MAIN)は、市場を凌駕する長期トータル・リターンと高利回りを誇る2つの注目すべき優良BDCであると言える。
その他の配当株
上述の特定の資産構成タイプ以外では、多くの企業が配当という形で利益を定期的に分配することを優先している。多くの場合、これらの企業は安定した収益と経常的なキャッシュフローの実績を持つ老舗企業である。これには、エネルギー、公益事業、電気通信、製薬、消費財などの企業が含まれる。エクソンモービル(XOM)、ベライゾン(VZ)、エジソン・インターナショナル(EIX)、ウォルマート(WMT)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アルトリア・グループ(MO)等は、アメリカの企業における注目すべき配当銘柄である。
優先株(Preferred Stocks)
優先株は、債券と普通株の特徴を持つハイブリッド証券である。優先株式は、配当支払いの面で優先権を持ち、企業の清算の際には会社の資本スタックの上位に置かれる。バンク・オブ・アメリカ(BAC)、JPモルガン(JPM)、オールステート(ALL)のような銀行や保険会社、エンブリッジ(ENB)のようなエネルギー会社は、優先証券の主要な発行体となっている。
債券
債券とは、政府、自治体、公共・民間企業が発行する負債証券で、定期的に利子を支払い、満期時に元本を返還する金融商品である。 債券は通常、発行体の信用によって保証されており、資本スタックの上位に位置づけられる。最近、私たちは、個人向け債券をめぐる戦略と、債券ラダーを維持することの重要性について議論している。
クローズド・エンド・ファンド(CEFS)と上場投資信託(ETF)
株主へのインカムゲイン(配当収入)の支払いを主目的とする多様なファンドが何千本も存在する。これらのファンドは一般的に、配当収入に特化した上述の証券・金融商品に分散投資するか、保有銘柄から利益を得て株主に分配するアクティブ運用を追求している。
Part 2とPart 3では、投資家が配当収入にフォーカスを当てた、インカム投資を追求する際に犯す7つの大きな間違いについて説明していきたい。
※続きは「インカム投資のハイイールド(高利回り)戦略の誤解と正しいアプローチ:高配当利回りの落とし穴&問題点と成功の秘訣を徹底解説」をご覧ください。
アナリスト紹介:ヴェンカット・ ラガーヴァン
📍インカム・高配当株担当
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