※「【Part 1 - ①】大手ソフトウェア企業によるM&Aが失敗しがちな理由とは?」の続き
前章では、M&Aの事前準備や買収企業の特徴に関して詳しく解説しております。
本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。


CEOは、買収の目的について正直であるべきです。もしM&Aの目的が、自己利益(例えば、高額な報酬)を得るための短期的な収益や利益の確保であるならば、両社のソフトウェア基盤の互換性についてほとんど考慮されていない可能性が高く、それが長期的には事業に悪影響を及ぼすでしょう。
残念ながら、多くの場合、CXOチームは新興市場への足掛かりを得たいと考え、買収を進めたがるものの、そこで発生するソフトウェア統合の課題を理解せず、あるいは聞き入れようとしません。特に、買収企業が非常に大規模化し、創業者が経営から退き、代わりに予算管理や企業ルールに長けた経営陣が運営するようになった場合に、この問題は顕著です。こうした経営陣は、ソフトウェア統合の課題を理解するための技術的な専門知識を持たず、結果的に長期的な成功を妨げる原因となることが少なくありません。
技術環境が変化し始めるとき、先見性のある開発者の一部は市場の変化を察知します。しかし、こうした洞察を組織の上層部に伝えることができない場合が多いです。その理由として、中間管理職や上司が自身の快適な職場環境を壊されたくないと感じたり、市場の変化がもたらす潜在的な影響を理解できなかったりすることが挙げられます。また、組織内の政治的な力関係が変化への抵抗を引き起こす場合もあります。
このダイナミックを象徴する強力な例が、ズーム・コミュニケーションズ(ZM)の創業者兼CEOであるエリック・ユアン氏です。ユアン氏は元々シスコシステムズ(CSCO)に勤務しており、同社のWebExソフトウェアの限界を認識するとともに、より優れたクラウドネイティブなビデオ会議ソリューションを構想しました。しかし、彼の先見性にもかかわらず、シスコシステムズの経営陣を説得することはできませんでした。シスコシステムズはWebExから得られる安定したキャッシュフローを守ることに注力し、不確実な未来を伴う新プロジェクトにリスクを取ることを避けたのです。
Pro Plan専用コンテンツ

この記事の続きを読むには「Pro Plan」にアップグレードする必要があります。