トランプ関税の90日間停止が米国株に与え得る影響とは?米国株の今後の見通しと注目の2銘柄に迫る!

- 本稿では、トランプ関税の90日間停止が米国株に与え得る影響、並びに、今後の米国株見通しと注目の2銘柄を詳しく解説していきます。
- 米国株式市場は関税延期のニュースを受けて急騰しましたが、まだ明確に底を打ったとは言い切れない状況であると見ています。
- 著者はRSIやMACD、波動構造などのテクニカル指標を用いて、リスクとリターンのバランスを見ながら慎重に市場動向を見定めています。
- 現在はロビンフッド(HOOD)やスポティファイ(SPOT)といった銘柄に注目しており、柔軟かつ冷静な投資判断を心がけています。
トランプ関税は90日間停止
関税が90日間延期されるとの報道を受けて、市場はとんでもないほどの急騰を見せました(ただし中国は例外です)。
これはまさに私たちが予想していた展開であり、4月9日にリリースした下記の分析レポートの中でも強調していました。
しかし、これで底打ちしたと言えるのでしょうか?
率直な答えとしては「それは分かりません」。特にホワイトハウスにあのオレンジ色の男がいる限りは。ただ、トランプ氏は私たちに「いつ買うべきか」をはっきり教えてくれているように見えます。
そして、自信を持ってリスクリワードの良い取引を行うことは可能であると見ており、私は自分のインジケーターを信頼するようにしています。
本稿で学べること
✅ なぜ一昨日、市場が10%以上も上昇したのか
✅ ドナルド・トランプはなぜ関税で折れたのか
✅ トランプインジケーターは信頼できるのか
✅ 市場の底を見極める方法とは
✅ ストップロス(SL)によってどうやって損失を回避できたのか
✅ スイングポートフォリオの最新状況
今は米国株式市場に積極的に関わるうえで、最も素晴らしく、同時に最も混沌とした時期です。今日の判断が、将来の成功につながる可能性もあれば、私たちの未来を完全に狂わせることもあり得ます。
米国株式市場で一体何が起きているのか?
どうやら最近は、市場に勝つために必要なのはたった1つのインジケーターだけのようです。
トランプ大統領は、恐れられていた関税の延期が発表される直前に、「買いだ」と人々に伝えていました。
(出所:@realDonaldTrump)
トランプ氏の発言は日によって一貫性がなく、ある日は強硬姿勢を貫いたかと思えば、次の日には関税を撤回しています。
とはいえ、今回のように発表直前に投資家に買いを促すような先行ガイダンスについては、一定の評価ができるかもしれません。
では、一昨日は何が起きたのでしょうか?
一部のアナリストは、トランプ氏が債券市場に屈したのではないかと推測しています。債券市場は一昨日から崩れ始めており、中国による売却だったのか、ベーシストレードの巻き戻しだったのかという声もあります。
これはややマクロ経済的な話になりますが、今のところ言えるのは、この前例のない動きがトランプ氏を警戒させた可能性があるということです。
(出所:CNBC)
しかし、こうした展開は以前にも見てきたことがあります。
2008年以来の最強のラリーだったと報じる見出しを目にした方も多いのではないでしょうか。少し記憶をたどってみましょう。
(出所:TrendSpider)
はい、ご覧の通り、ナスダックではかなり激しい反発がありました。ただし、これが「市場の回復」や「底打ち」を意味するわけではありません。
興味深いことに、どちらのケースでも20日指数移動平均線(20 EMA)で上昇は頭打ちとなっていました。
さて、ここで「我らの小さな友人」に再会しましょう。
(出所:TrendSpider)
今回もナスダックは20 EMAまで反発しましたが、この水準を明確に上抜けるには至っていません。わずかながら底打ちの兆しが見え始めているかもしれませんが、まだ確信を持てる状況ではありません。
さらなる確証が必要と言えるでしょう。
それでは次に、以下を見ていきましょう。
✅ 私が使用する「底」の見極め方
✅ 私が使用する自信を持って市場に参入する方法
✅ スイングポートフォリオの最新情報:注目の2銘柄
私が使用するテクニカルな底を見極める方法
現時点では、S&P500(SPX)が本当に底を打ったのかどうかについて、私はかなり懐疑的です。
ここで私が確認しているポイントは以下のとおりです:
✅ ダブルボトムの形成
✅ RSIのダイバージェンス
✅ MACDのクロスオーバーおよびダイバージェンス
✅ 明確な5波のインパルス(衝撃波)
これらは過去において、底を見つけるために非常に信頼性の高い手法でした。
(出所:TrendSpider)
たとえば、2022年の安値では、週足チャートでRSIの明確なダイバージェンスとMACDが見られました。
(出所:TrendSpider)
2018年の場合はそこまで極端ではなかったものの、市場が底を打つ際にダイバージェンスが発生していました。
そして2008年にも、週足チャートではかなり明確なダイバージェンスが確認されました。
たとえすでに底を打っていたとしても、どこかのタイミングでエントリーポイントは訪れるはずです。
押し目買いのタイミングとは?
(出所:TrendSpider)
確認すべきは、まず5波構成のインパルスが形成されることであると見ています。そしてその後、ABC構成の調整波が現れることになります。
この調整局面こそが、押し目買いの絶好のタイミングではないかと考えています。
それでは、これを私の運用するポートフォリオの1つである「スイングポートフォリオ」に当てはめてみましょう。
スイングポートフォリオの最新状況
最近の下落によって、いくつかのポジションがストップロスにかかりました。
(出所:Snowball Analytics)
✅ AMD(AMD):100ドルで売却
✅ ソラナ(SOLUSD):120ドルで売却
✅ コインベース(COIN):160ドルで売却
AMDについて
(出所:TrendSpider)
昨日、AMD(AMD)は20%以上の上昇を見せ、現在はストップロスが発動した価格に近づいています。再エントリーも検討できますが、まだ20日および50日移動平均線の下にあり、大きな出来高抵抗帯も存在している点に注意が必要であると見ています。
現時点では、自信を持ってエントリーできるトレードとは言えないと考えています。
ソラナについて
(出所:TrendSpider)
私の見解では、ソラナ(SOLUSD)はさらに弱気な展開に見えます。
コインベースについて
(出所:TrendSpider)
コインベース(COIN)も20日移動平均線の下に位置しています。
(出所:Snowball Analytics)
(出所:Snowball Analytics)
これらの売却により、現在ポートフォリオの現金比率は3分の2を超えています。この株式への低配分が功を奏し、大きなドローダウンを避けることができました。運用開始以来、現在も22%のプラスを維持しています。
では、次はどうするのか?
私はスポティファイ(SPOT)を少し購入し、ロビンフッド(HOOD)には買い注文を設定する予定です。
ロビンフッドについて
(出所:TrendSpider)
現在、ロビンフッド(HOOD)は大きく反発しており、日足の200日移動平均線を再び上回ってきた点からも、良い兆しが見られると考えています。
ここでは、日足チャート上にRSIのダイバージェンスとMACDのクロスも確認できます。
私は、5波構成のインパルスとその後のリトレースメントが形成されることを確認したいと考えています。
リミット注文は35ドルで設定します。
スポティファイについて
(出所:TrendSpider)
スポティファイ(SPOT)に関しては、かなり低い水準にリミット注文を設定しており、そのまま維持する予定です。
ただし、現時点では「底打ち」の可能性を考慮し、また現在の株式保有比率が非常に低いことから、念のため寄付きで少量を組み入れ予定です。
同社はダブルボトムを形成しており、RSIのダイバージェンスとMACDのクロスも確認できます。
最後に
米国株式市場は、関税が90日間延期されたというニュースを受けて急騰しました。これは今週初めに私たちが指摘していた通りの展開です。しかし、過剰な楽観には注意が必要です。私たちはまだ「底打ちが確定した」とは確信していません。
現在注視しているのは、RSIのダイバージェンス、MACDのクロスオーバー、そして波動構造といった重要なテクニカル指標です。これらによって初めて本当の確証が得られると考えています。
それまでは、リスクリワードの良いリトレースメント局面を狙って取引を行っています。「現金は王様」と言われますが、それが通用しなくなる時もあります。足元では、私はロビンフッドやスポティファイのような銘柄に注目し、慎重な姿勢を保ちながらも柔軟に動いていきたいと考えています。
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