01/13/2024

中立
インテル
中立
同社の現在の株価は47.12ドルであり、弊社算出の一株当たり本質的価値である32.09ドルより高く、株価が割高である可能性を示している。
インテル(INTC)予想配当利回りは1.06%!最新の2023年第3四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

the intel logo is shown on a white cubeイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるインテル(INTC:予想配当利回り: 1.06%)の10月26日に発表された最新の2023年第3四半期決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • インテルは半導体市場でリーディングカンパニーであり、PCおよびデータセンター向けのプロセッサー設計・製造を中心に、多様な分野へ事業を展開しています。
  • 同社の株価は現在47ドルであり、弊社の算出する本質的価値(32.09ドル)を上回っているため、割高である可能性があります。
  • 長期的な成長率は低下しており、リスク要因として利益率の低下や財務ストレスがあるものの、内部関係者による自社株式購入や高い機関投資家の保有率はポジティブ材料と言えます。

インテル(INTC)の概要

セクター:半導体

現在の株価: 47ドル

時価総額:1,986億6,000万ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値: 32.09ドル

安全マージン: -46.83%

過去5年間の配当成長率: 5.90%

配当落ち日: 2023年11月6日

配当支払い日: 2023年12月1日

予想配当利回り: 1.06%

過去5年間の売上高成長率: 5.00%

過去10年間の売上高成長率: 6.50%

インテル(INTC:予想配当利回り: 1.06%)はデジタル・チップのリーディング・カンパニーであり、世界のパーソナル・コンピューターおよびデータ・センター市場向けのマイクロ・プロセッサーの設計と製造に注力している。

同社はマイクロプロセッサー用x86アーキテクチャーのパイオニアであり、半導体製造の進歩におけるムーアの法則の主唱者でもある。

同社は、PCとサーバーの両エンド市場において、セントラル・プロセッシング・ユニットのマーケット・シェア・リーダーであり続けている。

同社はまた、通信インフラ、自動車、モノのインターネットといった新たな隣接分野にも進出している。

さらに同社は、そのチップ製造能力を活かして、他の企業のためにチップを製造するアウトソーシング・ファウンドリー・モデルを目指している。

また、同社は2023年10月26日に23年第3四半期決算を発表している。

インテル(INTC)の収益と成長

インテル(INTC)は、2023年第3四半期に一株当たり0.41ドルの利益を報告し、前四半期の一株当たり0.13ドルの利益と比較して大幅な改善を示した。

このプラス成長は、同社の1株当たり売上高にも見られ、第2四半期の3.086ドルから第3四半期には3.348ドルに増加した。

一方で、長期的な成長を見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでの過去5年間のEPSの年間平均成長率(CAGR)は-7.40%であり、10年間の平均成長率は7.40%となっており、これは、ここ数年の同社全体の収益低下を示している。

結論として、同社の2023年第3四半期の業績は前四半期に比べ大幅に改善したが、過去5年間、同社全体の収益成長率はマイナスの着地となった。

インテル(INTC)の配当

同社は、過去数年間一貫した配当成長を示している。

5年間の配当成長率は5.90%、3年間の配当成長率は5.00%であり、これは、同社が安定したペースで株主への配当を増やしていることを示している。

実際に、直近の四半期では、インテルは1株当たり0.125ドルの配当を支払っている。

同社の予想配当利回りは1.06%で、投資家は配当だけで1.06%のリターンを期待できることになる。

同社の配当実績をセクターと比較する際には、EBITDA有利子負債倍率を考慮することが重要である。

同社のEBITDA有利子負債倍率は5.88倍で、収益に比べて負債が比較的少ないことを示している。

これは、同社が株主への配当を継続できる財務的安定性を持っていることを示唆している。

全体として、同社は一貫した配当成長を示しており、配当利回りも堅実である。

また、同社の負債水準が低いことは、将来も配当を支払い続けることができる良い状態にあることを示している。

予想配当利回り: 1.06%

配当カバレッジ: -0.4

5年間配当成長率: 5.90%

EBITDA有利子負債倍率:5.88

インテル(INTC)のバリュエーション

同社の現在の株価は47.12ドルであり、弊社算出の一株当たり本質的価値である32.09ドルより高く、株価が割高である可能性を示している。

実績PERはマイナスの水準であり、これは同社が利益を生み出していないことを意味する。

株価売上高倍率は3.72であり、投資家が同社の売上1ドルに対して3.72ドルを支払うことを望んでいることを示唆している。

この比率は5年平均、10年平均のいずれよりも高く、株価が過去の実績に比べて割高であることを示している可能性がある。

EV/EBITDAレシオは27.04であり、EBITDAに比べて高い評価で取引されていることを示している。

このレシオは5年平均と10年平均のいずれよりも高く、過去の実績と比較して株価が割高である可能性を示唆している。

以上より、株価売上高倍率とEV/EBITDAレシオに基づくと、全体として同社は過去の平均値や業界平均と比べて高いバリュエーションで取引されているように見える。

インテル(INTC)のリスクとリターン

投資家が考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。

まず、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、潜在的な非効率性を示唆している。

さらに、ピオトロスキーのFスコアが2であることは、事業運営のまずさを示唆しており、リスクをさらに高めている。

また、同社の売上総利益率は長期的に低下しており、その平均低下率は年-6.3%である。

これは潜在的な収益性の低下を示しており、投資家にリスクをもたらす可能性がある。

同様に、営業利益率も過去5年間平均で-26.7%と低下しており、同社の財務上の課題をさらに浮き彫りにしている。

一株当たり売上高も過去3年間減少しており、投資家にとって懸念材料となりうる。

さらに、株価は1年ぶりの高値に近く、割高の可能性を示している。

さらに、株価売上高倍率は3年ぶりの高水準に近く、配当利回りは10年ぶりの低水準に近い。

これらの要因は、株価が割高である可能性を示唆しており、配当収入を求める投資家にリスクをもたらす可能性がある。

最後に、アルトマンZスコアの2.29はグレーゾーンにあり、財務上のストレスを示している。

1.8を下回る危険水域にはないが、潜在的な倒産リスクを示唆しているため、投資家は慎重になるべきである。

プラス面では、インサイダー(内部関係者)による買い付けがあり、過去3ヶ月間で合計72,775株が購入されている。

さらに、ベニッシュMスコアが-3.4であることから、同社が利益操作を行っている可能性は低いと考えられる。

結論として、同社株のリスク評価には、利益率の低下、一株当たり収益の減少、潜在的な財務ストレスなど、いくつかの留意すべき点がある。

投資家は投資判断を下す前に、これらの要因を慎重に検討すべきである。

インテル(INTC)のインサイダー(内部関係者)による売買

同社は、過去12ヶ月間で合計9件のインサイダーによる買い取引を確認しており、同社の取締役や経営陣の間でポジティブなセンチメントがあることを示している。

一方、同期間中には2件のインサイダーによる売却があり、利益確定を示唆している。

しかし、同社のインサイダー保有率はわずか0.53%である点にはご留意いただきたい。

一方で、機関投資家の保有比率は46.22%と比較的高い。

これは、同社株式のかなりの部分が投資信託や年金基金などの機関投資家によって保有されていることを示している。

機関投資家の保有比率が高いことは、プロの投資家が同社の将来性に自信を持っていることを示唆するため、ポジティブな指標と見なすことができる。

インテル(INTC)の流動性

同社の過去2ヶ月の1日平均出来高は40,220,347株、直近取引日の出来高は27,367,333株となっており、これは、同社株式の売買が活発であることを示唆しており、投資家にとっては好材料である。

取引分析に関しては、同社のDPI(ダークプール指数)が4.32%であることは注目に値する。

これは、同銘柄の取引活動のごく一部がダークプール(取引が公開されない私設取引所)で行われていることを示しており、株式の全体的な流動性と透明性に影響を与える可能性がある点にはご留意いただきたい。

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