01/09/2024

強気
サムサラ
強気
同社の力強い売上高成長率と無借金のバランスシートを踏まえると、同社のバリュエーションが予想売上高の13倍であることは、高成長を遂げる同業他社と比較しても妥当な水準であると考えている。
【IOT関連】サムサラ(IOT)とは?今後の株価見通しは魅力的?最新の2024年第3四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

worm's eye-view photography of ceilingマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国IOT関連銘柄である「サムサラ(IOT)とは?」という疑問に答えるべく、同社の詳細と2023年11月30日発表の最新の2024年度第3四半期決算分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • サムサラ(IOT)は、建設や輸送業界向けにデータ収集・分析のプラットフォームを提供し、急成長を遂げています。特に年平均成長率35~40%を維持することで、今後も収益拡大が期待されます。
  • 同社は無借金のバランスシートと改善する収益性を背景に、高いバリュエーションを正当化できると考えられます。また、競合他社と比較しても、予想売上高の13倍という評価は妥当な水準であると考えています。
  • サムサラは、革新的な「コネクテッド・オペレーション・クラウド」により市場で独自の立ち位置を築いています。これにより、企業の業務効率や安全性を向上させ、さらなる成長の可能性を秘めていると見ています。

サムサラ(IOT)への投資テーマ

サムサラ(IOT)は非常に急成長している企業であり、株価は割高に見えるかもしれない。

しかし、私は、株価は見かけほど割高ではないと考えている。

そして、私の仮説は、次の2つのポイントに集約される。

  1. 今後1年間で、同社事業が年平均成長率35%前後で成長する可能性が高く、規模が大きくなれば株価もそれに追随するはずである。
  2. 事業の収益性が大幅に向上していることから、株価のバリュエーション・プレミアムを支えるはずである。

この投資テーマは、マネーライオン(ML)、センチネルワン(S)、ギガクラウド・テクノロジーズ(GCT)などへの私の思考プロセスと似ている。

サムサラ(IOT)の当面の見通し

サムサラは、特に建設や輸送のような複雑な物理的オペレーションを行う企業を支援する企業である。

同社のプラットフォームは、車両、設備、作業員からデータを収集し、クラウドに保存・処理する。

サムサラはデジタル・パートナーとして、顧客の業務の効率性、安全性、持続可能性を高める。

そして、僅か8年で年間経常収益が10億ドルを突破した好調な財務パフォーマンスも注目いただきたい。

さらに、同社は、世界のGDP40%以上を占める、物理的な事業を展開する初期段階の市場に焦点を当てている。

同社のコネクテッド・オペレーション・クラウドは、さまざまなソースからモノのインターネット(IoT)・データを収集し、すべてのオペレーション・システムに統一されたプラットフォームを提供することで、他社との差別化を図っている。

膨大なデータとAPIコールを活用し、同社は成長する顧客ベースに価値あるアプリケーションと洞察を提供する態勢を整えている。

サムサラ(IOT)の非常に高い売上高成長率

(出所:筆者作成)

私が皆さんにお届けしたい最大のポイントは、サムサラが年平均成長率40%以上で成長している点である。

これは重要なことであり、年平均成長率30%以上で数年間成長できる急成長するスケーラブルな事業は、プレミアムのバリュエーションに値すると見ている。

一方で、これはひとつのリスク・ファクターでもある。

なぜなら、私が同社に強気である理由の一つとして、同社が(来月から始まる)2025年度に30%以上の成長を遂げることを完全に条件としているからである。

もし同社の売上成長率が年平均成長率30%を下回るようであれば、私の仮説は上手くいっておらず、この株への見通しを変えざるを得ないだろう。

サムサラ(IOT)の収益性について

(出所:サムサラの決算資料)

この事業は、2024年度第4四半期に2%程度の営業利益を見込んでいる。

これは、2025年度には営業利益率6%への道を歩む可能性があることを意味する。

また、この事業が高いバリュエーションの倍率を維持できるのは、バランスシートに負債がないからでもある。

私の仮説では、この銘柄が私の期待に沿うために、バリュエーションの倍率がさらに拡大する必要はない。

それを念頭に置いて、下記をお読みいただきたい。

サムサラ(IOT)のバリュエーション:予想売上高の13倍は割安

サムサラが今後1年間、年平均成長率35%で収益を伸ばせると仮定すると、売上高は約12億5000万ドルとなり、同社の株価は2025年度売上高の13倍となる。

そして、私は、これが割高な評価だとは思わず、同業他社と比べても、非常に適正な倍率であると思っている。

参考として、他の同業他社の倍率を考えてみよう。

その前に、決算期が異なる銘柄があることに留意する必要がある。

例えば、スノーフレーク(SNOW)とサムサラは、クラウドフレア(NET)やデータドッグ(DDOG)とは決算期が異なることから、いくつかの調整が必要となる。

また、実際、上のグラフにあるサムサラの2024年度決算期はまだ1ヶ月ほど残っているが、私の予想売上高の13倍という想定は、すでにそれらの会計年度の違いを考慮後の想定である。

ここで重要なのは、上記の同業他社の中でサムサラが最も成長率が高いということである。

繰り返しになるが、最速の成長であれば、株価が最も割高になるのは当然であると見ている。

しかし、私は、この銘柄のバリュエーションの倍率が現在の水準から拡大しなかったとしても、単純にバリュエーションの倍率が現在の水準にとどまるのであれば、今後18カ月で事業は50%程度成長するはずであると見ている。

サムサラ(IOT)に対する結論

私は、サムサラは、今後1年間で年平均成長率35~40%を達成し、収益性の向上に注力することで、大きな成長を遂げることが出来ると見ている。

株価は割高と思われがちだが、堅調な財務パフォーマンスと将来の成長率を踏まえれば、そのバリュエーションのは妥当であると考えている。

同社は、複雑な物理的オペレーションを行う企業にサービスを提供するという市場において独自のポジションを築いており、革新的なコネクテッド・オペレーション・クラウドが同社の成長を後押ししている。

同社の力強い売上高成長率と無借金のバランスシートを踏まえると、同社のバリュエーションが予想売上高の13倍であることは、高成長を遂げる同業他社と比較しても妥当な水準であると考えている。