06/07/2024

強気
サムサラ
強気
同社はすでに堅実なフリー・キャッシュフローを生み出し、年平均成長率30%という驚異的な成長を遂げている。
サムサラ(IOT)強気:2025年1Q決算速報・財務&強み(競争優位性)分析と今後の株価見通し・将来性(Samsara)

turned-on charcoal Google Home Mini and smartphoneマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • サムサラ(IOT)は2025年第1四半期決算を発表し、好調な業績を発表したが、SaaSセクターの高いバリュエーションに対する市場の反発により、時間外では大幅下落となっている。
  • 同社の将来性は、資産が多く労働集約的な業界の課題に対処できることから有望視されている。
  • 同社は年平均成長率30%のペースでトップラインである売上高が成長すると予想されており、ファンダメンタルズもしっかりしていることから、魅力的な投資機会と映る。
  • 目標株価:2025年夏までに1株当たり60ドル

サムサラ(IOT)への投資に関して

サムサラ(IOT)は、昨日、2024年6月6日に2025年第1四半期決算を発表し、市場の投資家の予想を上回る着地であったにもかかわらず、同社の株価はプレマーケットで大幅に下落している。

これは、なぜだろうか?

1つには、市場がバリュエーションを理由に多くのSaaS銘柄に背中を向けているということであり、これは理にかなっているようにも見える。

実際に、表面的には、同社は今年の売上高の15倍のバリュエーションとなっており、決して割安とは言えない水準である。

しかし、このバリュエーションは同社の将来性をほとんど無視している。

この事業は年平均成長率30%で成長し、且つ、既に堅実なフリー・キャッシュフローを生み出しているという点を市場は考慮していないように見える。

同社は本当に魅力的なビジネスであり、繰り返しになるが、売上高は年平均成長率30%のペースで成長し、売上高は10億ドルを超えているのである。

そして、この種の銘柄は、通常割高なバリュエーションが付与される傾向にあるのは事実である。

このような力強いファンダメンタルズを持つテクノロジー銘柄が割安で放置される可能性は低いと見ている。

以上より、私はサムサラへの目標株価として、2025年夏までに1株あたり60ドルと見ている。

では、今回の決算の内容を深堀していきたい。

サムサラ(IOT)の短期的見通し

サムサラ(IOT)は、より安全で、より効率的で、より持続可能な作業を実現するテクノロジーを駆使することで、大企業の物理的なオペレーションの管理と改善を支援している。

同社は、車両フリート向けのビデオベースの安全システムや、時代遅れのプロセスに代わるデジタルフォームなどのツールを提供している。

そして、同社の製品は、企業が燃料費を削減し、事故を防止し、メンテナンス費用を削減し、全体的な生産性を向上させるのに役立っている。

例えば、ドライバーの安全性を高めるニュートリエン・アグ・ソリューションズ社や、燃料を節約し二酸化炭素排出量を削減するフロンティア・コミュニケーションズ社などと協業している。

同社の将来性は、燃料の節約、職場の安全性、メンテナンス、保険料等、資産が多く労働集約的な産業における課題に対処する能力に支えられており、有望なビジネスであるように思われる。

特に、ビデオベースの安全アプリケーションやテレマティクス・アプリケーションの展開を含む同社の革新的なアプローチは、大規模なオペレーションの運用効率と持続可能性を高める能力を実証している。

さらに、同社の新興製品への戦略的注力は、同社の成長軌道を確固たるものにしている。

また、私のレポートを日々読んで下さっている読者の皆様は、私がインフレクション投資家として、収益性の向上と顧客導入曲線にこだわっていることをご存じだろう。

上記のグラフが示していることは、サムサラに対してARR(年間経常収益)で10万ドル以上を消費する顧客が前年同期比で43%増加したことである。

これはインフレクション投資(Inflection Investing)にとって重要な指標である。

実際、以前から述べているように、顧客導入曲線は売上高の成長曲線よりも重要だと考えている。

結局のところ、企業の製品に対する需要を獲得することがビジネスにおいて最も重要であると見ている。

顧客の需要がなければ、ビジネスは価格戦略に頼ることになり、短期的には上手くいくかもしれないが、それは結果的に失敗につながるケースが多いパターンと言える。

サムサラ(IOT)の2024年の売上高成長率:年平均成長率30%を想定

上記のグラフの通り、サムサラ(IOT)は2025年会計年度(2024年暦年と混同しないように)に年平均成長率30%で成長すると予想されており、これは極めて素晴らしい成長率であると言える。

しかも、もし同社が今年30%の成長を遂げることができれば、この事業は「ハイパーグロース」株とみなされることになるだろう。

因みに、ハイパーグロース株とは、年平均成長率30%以上の安定的かつ一貫した成長を実現しているビジネスのことである。

冒頭で述べたとおり、足元では、市場の投資家が短期的にハイテク株に売りを浴びせるチャンスをうかがっているだけのように見える。

ただし、この下落局面は長くは続かず、直ぐに市場は再び急成長を遂げる同社のビジネスに注目することになると見ている。

サムサラ(IOT)のバリュエーション:今年の売上高の15倍

前回の分析で、私は下記の様に説明している。

「私は、サムサラが今後12ヶ月間で6%の営業利益率を達成すると見ている。私は、2025年第1四半期はおよそマイナス2%になると考えている(これはほぼ同社のガイダンスに沿っている)。しかし、2024年第1四半期(前年同期)のNon-GAAPベースの営業利益率はマイナス9%だったことを思い出してほしい。つまり、今期はすでに700ベーシス・ポイント(7%)の収益性改善が予定されていることになる。そして、この同じ700ベーシス・ポイントを2025年度全体に当てはめると、同社は2025年度のある時点でNon-GAAPベースの営業利益率で7%を達成する可能性が高い。」

しかし、2025年第1四半期決算を踏まえると、この私の推論は保守的すぎたと言え、実際に同社のNon-GAAPベースでの営業利益率の成長は700ベーシスポイントに留まることはなかった

下記のグラフを見ていただきたい。

実際には、同社は1,200ベーシス・ポイント(12%)も収益性の改善を実現しており、センチネルワン(S)の3,200ベーシス・ポイント(32%)の改善程ではないとは言え、素晴らしい業績と言える。

また、前回の分析では、私は下記の様に述べている。

「誤差の余地を残しておきたいので、今期はやや保守的に、Non-GAAPベースの営業利益率として6%を目指すことにしている。参考値として、経営陣はNon-GAAPベースの営業利益率を2%とガイダンスで説明しているが、私は、今期が進むにつれ、この数字は、市場の投資家にポジティブなニュースを与えるために、経営陣が予想を意図的に低く見積もろうとしているのではないかと見ている。」

以前、経営陣はNon-GAAPベースの営業利益率として2%と予想していたのである。

そして、現在、経営陣は営業利益率では3%を目安としており、第1四半期決算を発表したばかりである。

来期でなかったとしても、おそらく再来期には、同社はこのガイダンスをさらに引き上げることになるだろうと見ている。

その理由としては、同社は前回の営業利益率のガイダンスを500ベーシス・ポイント(5%)も上回ったためである。

実際に、今年が終わるまでに、営業利益率をさらに300ベーシス・ポイント引き上げることは難しくないだろうと見ている。

サムサラについての私の見方は下記の通りである。

同社の事業はまだハイパーグロースであるため、収益性を最大化しようとはしていないことからも、フリー・キャッシュフロー・ベースで同社を評価するのは難しい。

同社は、まさに今、この破壊の準備が整った業界で成長し、市場シェアを獲得しようと努力しているのである。

ただし、フリー・キャッシュフローは黒字で、バランスシートには負債がない一方で、事業は明らかに前進していると言える。

加えて、同社の経営陣が同社株式の上昇を望んでいると予想出来る理由として、同社経営陣がどれだけこのゲームに関与しているか理解するために下記のグラフを見ていただきたい。

同社のCEOであるサンジット・ビスワス(Sanjit Biswas)氏は、依然として31.6%の同社株式を保有しており、さらに、伝説的な投資家であるマーク・アンドリーセンも未だ21.5%の同社株式を保有している。

サムサラ(IOT)への結論

上記のグラフにある通り、サムサラ(IOT)は、10億ドルのトップラインで成長し、売上高が30%増加し、12ヵ月後のフリー・キャッシュフローがプラスになることが予想されている、私の注目の2銘柄のうちの1つである。

繰り返しになるが、同社はすでに堅実なフリー・キャッシュフローを生み出し、年平均成長率30%という驚異的な成長を遂げている。

同社の革新的なソリューションは顧客に大きな支持を得ており、年間10万ドル以上を消費する顧客は43%増加している。

10億ドルを超える売上高と収益性の改善により、サムサラのファンダメンタルズは強固であると言える。

足元の市場の一時的な売り局面が過ぎ去れば、同社株価は反発して上昇に転じることと見ている。

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