KLA(KLAC)の株価の今後の見通しとは?最新の2024年第4四半期決算では業績とガイダンスが共に好調!
ダグラス・ オローリン- 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるKLAコーポレーション(KLAC)の最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 最新決算では業績は概ね好調で、売上高は予想を下回ったものの、調整後EPSは予想を上回りました。
- 2025年度第1四半期のガイダンスでは、先端技術への投資が進む中、売上成長が期待され、特にファウンドリー/ロジック分野での収益が約80%を占める見通しです。
- 高NA向けのアクチニック検査や次世代技術への対応に自信を持つKLAは、今後数年内の大規模量産に向けて成長機会を見込んでいます。
KLAコーポレーション(KLAC)の最新の2024年度第4四半期決算に関して
2024年度第4四半期決算
・調整後EPS:6.60ドル(ファクトセット予想:6.15ドル)
・売上高:25.7億ドル(ファクトセット予想:26.2億ドル)
2025年度第1四半期ガイダンス
・調整後EPS:7.00ドル ± 0.60ドル(ファクトセット予想:6.51ドル)
・売上高:27.5億ドル ± 1.5億ドル(ファクトセット予想:26.2億ドル)
KLAコーポレーション(KLAC)の最新の2024年度第4四半期決算は非常に優れた四半期結果でした。ほぼ完璧ですが、正直に言って、決算説明会の遣り取りにはあまり多くの情報は含まれていません。ただし、私は、同社はSemicap(Semiconductor Capital Equipment:半導体製造装置)の他の企業よりも早く成長すると予想しています。というのも、検査および計測の増加は通常HVMの数四半期前に行われるからです。この場合のHVMは、GAAを含む大規模なN2の増加であり、皆が期待する強度の増加です。
※検査および計測:半導体製造プロセスにおける品質管理のための測定と評価の工程。
※HVM (High Volume Manufacturing):半導体の大量生産を指す用語。
※GAA (Gate-All-Around):次世代トランジスタ技術で、全方向からゲートがチャネルを囲む構造。
※N2:次世代の2ナノメートル技術ノードを指す用語で、半導体製造における微細化技術の一つ。
では、決算説明会の遣り取りで注目すべき点を幾つか見ていきましょう。
(原文)While it's too early to be overly specific on expectations for calendar 2025, we do expect a year of growth through principally by growth in leading-edge investments in both logic/foundry and in memory. Given KLA's business momentum, we are confident in our relative performance opportunities moving forward. Daily September quarter guidance is as follows: Total revenue is expected to be $2.75 billion, plus or minus $150 million; foundry/logic revenue from semiconductor customers is forecasted to be approximately 80%; and memory is expected to be approximately 20% of semi process control systems revenue. Within memory, DRAM is expected to be about 83% of the segment mix and NAND the remaining 17%.
(日本語訳)2025年の具体的な見通しについて述べるのはまだ早いですが、先進的な投資の成長を通じて成長の年になると予想しています。KLAの事業の勢いを考えると、今後のパフォーマンス機会には自信があります。9月四半期のガイダンスは次の通りです。総売上高は27.5億ドル、プラスマイナス1.5億ドルを予想しています。半導体顧客からのファウンドリー/ロジック売上高は約80%と予測され、メモリは半導体プロセス制御システム売上高の約20%を占めると予想しています。メモリ内では、DRAMがセグメントミックスの約83%、NANDが残りの17%になると予測されています。
これらは、強度が増加し続けている証拠です。この傾向は、より小さなアーキテクチャに移行するにつれて、さらに進むでしょう。プロセス制御の強度増加のほとんどはマスク検査によるものです。
(原文)And so I think as we look into next year, I think that where we are today is probably we're historically around 10% that were probably in excess of 11% today. And I think moving forward, if we can execute and deliver some of the products and capabilities we have in development here, I think it creates a number of opportunities covering the things that you talked about and some of the other things we talked about in the last question or 2.
(日本語訳)来年を見据えると、現在の状況は歴史的には約10%だったものが、現在は11%を超えていると思います。そして、今後、開発中の製品や機能を実行し提供できれば、ここで話し合ったことや前回の質問で触れた他のことも含め、多くの機会が生まれると考えています。
ここで一つ申し上げるべきは、ほとんどの中国の需要に対する弱気な見解を打ち消す要因です。絶対的なドルベースで見れば、中国は1H(上半期)と2H(下半期)で横ばいかもしれません。これは弱気な見解にとっての痛手です。参考までに、下記のグラフにもある通り、中国(China)は現在売上高の44%を占めています。
主要製品および地域別の売上高の内訳
それでも、絶対ドルベースでは前年と同じ水準になるはずであると考えています。
(原文)Yes. It still might not be the absolute dollar basis right? And then with the second half growing relative to the first half, the percent will start to move in the second half versus the first half. But on an absolute dollar basis, as I said last quarter, it's about flat.
(日本語訳)そうです。まだ絶対ドルベースではないかもしれませんが、後半が前半に比べて成長することで、後半の割合が前半に対して変動し始めます。しかし、前四半期に述べたように、絶対ドルベースではほぼ同じ水準です。
彼らはEUVにアクチニック検査が必要とは考えていませんでしたが、高NA EUVには避けられないようです。
※EUV (Extreme Ultraviolet Lithography):半導体製造における極端紫外線リソグラフィ技術で、微細な回路パターンを形成するために使用される。
※アクチニック検査:半導体製造プロセスで使用される、製造中のフォトマスクやウェハーの欠陥を検出するための検査技術。
※高NA (High Numerical Aperture):光学系の集光性能を示す数値で、高NAはより高い解像度を可能にし、より細かな回路パターンの形成を支援する。
(原文)When it comes to investment in the actinic or the product that we've identified for high NA, we're pretty confident of our ability to intercept the high [indiscernible] volume manufacturing of high NA, which is still some years away.
(日本語訳)高NA向けに特定した製品やアクチニック検査への投資については、高NAの大規模量産に対応する能力に自信を持っていますが、それはまだ数年先の話です。
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アナリスト紹介:ダグラス・ オローリン / CFA
📍半導体&テクノロジー担当
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