04/25/2024

中立
キンダーモルガン
中立
全体として、同社のバリュエーション指標は過去の平均値や同業他社と比べてまちまちで、さらに弊社算出の一株当たり本質的価値に対しても若干のプレミアムで取引されている。
キンダー・モルガン / KMI / 予想配当利回り6.13% / 中立:最新の2024年1Q決算・強み分析と今後の株価見通し・将来性

gray pipe on green grassイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • キンダー・モルガン(KMI:予想配当利回り6.13% / 配当性向105%)は北米最大の中流エネルギー企業の一つで、約82,000マイルのパイプラインと139の貯蔵ターミナルを所有または運営している。
  • 主に同社は天然ガス、原油等の輸送、貯蔵、処理を行っている。
  • また、同社は2024年4月17日に2024年第1四半期決算を発表している。

キンダー・モルガン(KMI)の概要

セクター:石油・ガス

現在の価格:18ドル

時価総額:417.5億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:17.03ドル

安全マージン:-10.44%

過去5年間の配当成長率:8.00%

次回配当落ち日:2024年4月29日

次回配当支払い日:2024年5月15日

予想配当利回り:6.13%

過去5年間の売上高成長率:5.40%

過去10年間の売上高成長率:-4.80%

キンダー・モルガン(KMI/ 予想配当利回り6.13% / 配当性向105%)は北米最大の中流エネルギー企業のひとつで、約82,000マイルのパイプラインと139の貯蔵ターミナルを所有または運営している。

同社は主に天然ガス、原油、精製品、天然ガス液、二酸化炭素等の輸送、貯蔵、処理に従事している。

そのため、同社のキャッシュフローの大部分は、化石燃料製品の取り扱い、移動、貯蔵に関する料金ベースの契約から生じている。

また、同社は2024年4月17日に2024年第1四半期決算を発表している。

キンダー・モルガン(KMI)の収益と成長に関して

キンダー・モルガン(KMIの2024年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは前四半期の0.27ドルから0.319ドルに増加しており、一株当たり売上高も、前四半期の1.817ドルから1.731ドルへとわずかに上昇している。

加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は12.70%で、過去10年間の年平均成長率は6.70%となっており、同社の最近のパフォーマンスはやや加速しているように見える。

また、堅調と予測される今後10年間の同社業界の成長予測を考慮すると、同社はこの成長トレンドの恩恵を受ける好位置にあると見ている。

加えて、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持してきたため、効果的なリスク管理を行いながら成長イニシアティブに資金を供給することができている。

以上より、着実な収益成長の実績と業界の成長見通しにより、キンダー・モルガンは今後も成長軌道を維持する態勢を整えていると見ている。

キンダー・モルガン(KMI)の配当に関して

キンダー・モーガン(KMI)の過去5年間の配当成長率は8.00%であり、過去3年間の配当成長率は2.70%となっており、足元配当成長率がやや減速していることが分かる。

また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は4.93倍で、利益に対する負債の水準が中程度であることを示している。

加えて、同社の予想配当利回りは現在6.13%であり、配当収入を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

直近発表された1株当たりの配当金(DPS)は0.288ドルで、2024年5月15日に支払われる予定である。

実際に、同社は過去数四半期にわたって一貫した配当の支払いを行っており、安定した配当支払いのスケジュールを維持していると言える。

さらに、同セクターと比較すると、同社の配当実績は、競争力のある予想配当利回りと一貫した配当成長の歴史により魅力的に見える。

以上より、安定した配当収入を求める投資家にとっては、キンダー・モーガンが同セクターの中で有望な投資オプションに映るかもしれない。

予想配当利回り: 6.13%

配当性向:105%

配当カバレッジ・レシオ:0.97

過去5年間の配当成長率: 8.00%

EBITDA純有利子負債倍率:4.93

キンダー・モルガン(KMI)のバリュエーションに関して

キンダー・モルガン(KMI)の現在の株価である18.81ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である17.03ドルをわずかに上回っており、若干割高の可能性を示している。

また、株価売上高倍率は2.72で業界平均より高く、投資家が同社の売上高1ドルに対してプレミアムを支払っていることを示している。

加えて、PEGレシオは21.71と高水準で、同社の成長見通しに比べて株価が割高である可能性を示している。

一方で、実績PERは17.1となっており、株価が平均的な利益倍率で取引されていることを示唆している。

また、EV/EBITDA倍率は11.3と業界平均を下回っており、EBITDAに基づくと、同社株価が過小評価されている可能性を示唆している。

全体として、キンダー・モルガンは過去の平均や同業他社と比較したバリュエーション指標がまちまちである一方で、弊社算出の一株当たり本質的価値に対してはやや割高な水準で取引されているようである。

キンダー・モルガン(KMI)のリスクとリターンに関して

キンダー・モルガン(KMIのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、同社の売上総利益率と営業利益率は、それぞれ年平均-3.4%と-3.3%の割合で長期的に低下している。

また、配当性向が105%と高いことから、同社の今後の配当が持続可能でない可能性が懸念される。

加えて、1株当たり売上高は減少傾向にある一方で、株価は3年ぶりの高値に近いというのが事実である。

さらに、株価売上高倍率も2.72と2年ぶりの高水準に近くなっている。

そして、投下資本利益率(ROIC)は加重平均資本コスト(WACC)より低く、潜在的な資本効率の悪さを示唆している。

最後に、アルトマンのZスコアは0.85で、今後2年以内に倒産する可能性を示す窮境ゾーンに入っている。

しかし、プラス面では、ベニッシュMスコアは-2.83で、基準値の-1.78を下回っており、同社が利益操作を行っている可能性は低いことを示唆している。

全体として、上述のマイナス要因は、キンダー・モルガン株式への投資に関連する重大な財務リスクを示している。

キンダー・モルガン(KMI)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

キンダー・モルガン(KMI)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月間インサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていない一方で、同期間にインサイダーによる同社株式の売却は5件確認されている。

これは、社内のインサイダーが同社株式の買い付けよりも売却に傾いていることを示唆しており、同社の将来の業績に対する自信のなさを示している可能性がある。

また、インサイダーによる同社株式の保有比率は13.25%となっており、一定量がインサイダーにより保有されている点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家による同社株式の保有比率は46.84%で、同社株式のかなりの部分が機関投資家によって保有されていることがわかる。

この高水準の機関投資家保有比率は、同社の株価に安定性と長期的なサポートを与える可能性がある。

全体として、キンダー・モルガンのインサイダー取引と保有トレンドからは、インサイダーからの売却が目立つ一方で、機関投資家の保有が中程度であることが分かった。

キンダー・モルガン(KMI)の流動性に関して

キンダー・モルガン(KMI)の過去2ヶ月間の1日当たり平均出来高は13,485,101株と比較的高水準にあると言える。

これは同社の株式の流動性が健全な水準にあることを示しており、投資家は価格に大きな影響を与えることなく、容易に同社株式を売買することができると言える。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は42.92%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

以上より、投資家は、キンダー・モルガン株式の売買を決定する際には、これらの要因を考慮する必要があるだろう。