03/28/2024

中立
メーシーズ
中立
メーシーズ(M)の現在の株価は、弊社算出の一株当たり本質的価値である20.63ドルをわずかに下回っている。
メーシーズ / M / 予想配当利回り3.5% / 中立:最新の23年4Q決算と今後の株価見通し・将来性(Macy's)

a group of people crossing a street at a crosswalkイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 1858年創業のメーシーズ(M:予想配当利回り3.48%)は、ニューヨークを拠点とし、メイシーズの名で約550店舗、Bloomingdale'sとBloomie'sの名で約60店舗、158店舗の独立型Bluemercury専門美容店を運営している。
  • そして、同社は2024年2月27日に23年第4四半期決算を発表している。

メーシーズ(M)の概要

セクター:小売(シクリカル)

現在の価格:19ドル

時価総額:54.4億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:20.63ドル

安全マージン:3.78%

過去5年間の配当成長率:-18.10%

直近配当落ち日:2024年3月14日

直近配当支払い日:2024年4月1日

予想配当利回り:3.48%

過去5年間の売上高成長率:2.40%

過去10年間の売上高成長率:0.60%

1858年に設立され、ニューヨークを拠点とするメーシーズ(M)は、メーシーズの名で約550店舗、Bloomingdale'sBloomie'sの名で約60店舗、そして158の独立型Bluemercury専門美容店を運営している。

同社はeコマースサイトも運営し、アラブ首長国連邦とクウェートでBloomingdale'sの2店舗のライセンスも取得している。

そして、婦人服、アクセサリー、靴、化粧品、香水が同社の売上高の約6割を占めている。

メーシーズ(M)の収益と成長に関して

メーシーズ(M)は2023年第4四半期に好業績を報告し、非経常損益項目を除くベースでのEPSは2.45となり、前四半期の0.21から大幅に上昇している。

また、一株当たり売上高も、前四半期の18.148から29.943と大幅な伸びを示している。

全体として、2023年第4四半期の業績は前四半期を上回り、大幅な伸びを示す着地となった。

加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間及び10年間の年平均成長率(CAGR)一貫した成長を見せている。

また、今後10年間の業界の成長予測はプラスであり、同社が成長軌道を継続するのに有利な環境であることを示している。

過去の財務レバレッジの度合いと今後の成長可能性を考慮すると、メーシーズは将来の機会を活用し、投資家に持続的なリターンを提供する可能性があると見ている。

メーシーズ(M)の配当に関して

メーシーズ(M)の過去5年間の配当成長率は-18.10%で、5年間というスパンでは配当が減少していることを示している。

しかし、過去3年間の配当成長率は20.50%で、足元では配当金の支払いが改善していることを示唆している。

EBITDA純有利子負債倍率は5.17で、同社は収益に比べて負債が中程度の水準にあることが分かる。

また、予想配当利回りは3.48%で、配当収入を求める投資家にとっては魅力的な水準である。

直近の四半期では、同社は0.174ドルの一株当たり配当金(DPS)を発表しており、その以前の配当金は0.158ドルから0.165ドルの範囲であった。

以上より、足元の配当の一貫性は、株主への価値還元へのコミットメントを示していると言える。

さらに、セクターと比較すると、同社の配当実績は過去5年間の成長率がマイナスであるため、それほど魅力的には映らないかもしれないが、最近の過去3年間の成長率の改善は明るい兆しである。

投資家は今後の配当動向を注視し、メーシーズの配当維持能力および増配の可能性を慎重に評価すべきである。

予想配当利回り:3.48%

配当性向:19%

配当カバレッジ・レシオ:0.56

過去5年間の配当成長率:-18.10%

EBITDA純有利子負債倍率:5.17

メーシーズ(M)のバリュエーションに関して

メーシーズ(M)の現在の株価は、弊社算出の一株当たり本質的価値である20.63ドルをわずかに下回っている。

また、株価売上高倍率は0.22で、EV/EBITDA倍率は8.8となっており、これらの点でも同社の株価が業界平均に比べて割安で取引されていることを示唆している。

さらに、同社のバリュエーションは5年平均と10年平均を下回っており、さらなる上昇の可能性を示唆している。

一方で、実績PERは53.65となっており、株価が過去の平均と比べて割高である可能性を示している。

以上より、メーシーズの現在の株価は、同業他社に比べて割安であることからも魅力的なエントリー・ポイントであるようにも見える。

メーシーズ(M)のリスクとリターンに関して

メーシーズ(Mのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、インサイダーによる同社株式の売却が10件(合計152,994株)確認されている一方で、買い付けは0件であることから、同社インサイダーの同社株式への自信のなさが伺える。

さらに、同社の1株当たり売上高は過去12ヶ月間減少しており、潜在的な財務上の課題を示唆している。

また、アルトマンZスコアの2.44はグレーゾーンにあり、同社が財務上のストレス下にある可能性を示している。

一方、ベニッシュMスコアの-2.57は-1.78を下回っており、同社が利益操作を行っている可能性は低いことが分かる。

全体として、インサイダーによる同社株式の売却、一株当たり売上高の減少、ボーダーラインのアルトマンZスコアの組み合わせは、メーシーズの財務の健全性と安定性に懸念を抱かせる内容である。

そのため、投資家はこれらの要因がさらに悪化しないか注意深く監視すべきである。

メーシーズ(M)のインサイダー活動(内部関係者)による売買に関して

メーシーズ(M)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月でインサイダーによる同社株式の買い付けはなかった一方で、同じ期間に22件のインサイダーによる売却が確認されている。

これは、インサイダーによる同社株式の売却がより活発であることを示しており、自社の将来の業績に対する自信のなさを示唆している可能性がある。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は僅かに1.13%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は45.94%と高く、機関投資家が同社に大きな関心を持っていることを示唆している。

全体として、メーシーズのインサイダー取引活動と保有比率のトレンド分析では、インサイダーの慎重なセンチメントが示され、過去1年間は買いよりも売りの方が圧倒的に多いことが分かった。

しかし、機関投資家の保有比率は比較的高く、機関投資家は同社に対して継続的に関心を示していると言える。

メーシーズ(M)の流動性に関して

メーシーズ(M)の直近営業日の1日当たり出来高は6,044,387株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は8,366,286株であることからも、同社株式が日々活発に取引されていることを示している。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は33.29%で、この銘柄の取引活動の大部分は、公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そのため、投資家は、株価の流動性と取引ダイナミクスに関する洞察を提供する可能性があることからも、同社株式の売買に関する意思決定を行う際にはDPIを考慮する必要があるだろう。