中立マクドナルドマクドナルド(MCD)の将来性とは?最新の2024年第1四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
- 本稿では、注目の配当銘柄であるマクドナルド(MCD:配当貴族・予想配当利回り2.45%・配当性向53%・1株当たり配当金1.67ドル)の2024年4月30日に発表された最新の2024年度第1四半期決算と配当推移を詳細に分析していきます。
- そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
- マクドナルドはフランチャイズ収益が全体の約60%を占める収益構造で、25年以上連続増配を続けており、米国の配当貴族の一角を担っています。
- 2024年第1四半期のEPSは安定しており、業界の成長予測も明るいため、今後も成長拡大の可能性が期待されています。
- 現在の株価は弊社算出の一株当たり本質的価値よりもやや割安に見えますが、他のバリュエーション指標では割高感があるため、投資判断には慎重な分析が求められます。
マクドナルド(MCD)の概要
セクター:レストラン
現在の株価:272ドル
時価総額:1963億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:298.08ドル
安全マージン:8.62%
過去5年間の配当成長率:7.60%
直近配当落ち日:2024年2月29日
直近配当支払い日:2024年3月15日
予想配当利回り:2.45%
過去5年間の売上高成長率:5.20%
過去10年間の売上高成長率:1.60%
マクドナルド(MCD:予想配当利回り2.45% / 配当性向53%)は世界最大のレストラン・オーナー・オペレーターであり、2023年時点のシステム売上高は1300億ドルとなっており、115の市場、約42,000店舗から構成されている。
同社はフランチャイズ・モデルの先駆者であり、世界中の独立系レストラン・フランチャイジーやマスター・フランチャイズ・パートナーとの提携を通じて、その足跡を築いてきた。
同社の売上高の約60%をフランチャイズ・ロイヤリティとリース料から得ており、残りの大半の売上高は直営店からの収入となっている。
そして、同社は2024年4月30日に2024年第1四半期決算を発表している。
また、同社は過去25年間以上連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。
マクドナルド(MCD)の収益と成長に関して
マクドナルド(MCD)の2024年度第3四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは2.7ドルで、前四半期の2.95ドルを若干下回る着地となったが、依然として好調な業績を示しており、前年同期と比較してプラスの傾向を示している。
また、一株当たり売上高も前期の8.80ドルから8.50ドルに小幅に下落している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は9.70%で、過去10年間の年平均成長率は8.70%となっていることからも、同社は長年にわたり安定した成長軌道を維持しており、特に、足元、成長のペースが加速しているように見える。
また、今後10年間の同社の業界成長予測を見ると、業界は堅調に成長すると予想されており、同社に一層の事業拡大機会を提供する可能性がある。
さらに、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持してきており、これにより持続可能な成長を可能にしてきた背景がある。
そして、この実績は、成長資金を調達する上でバランスの取れたアプローチを採用していることを示している。
以上より、マクドナルドは着実な収益成長と業界見通しにより、市場での存在感を拡大し続ける可能性があると見ている。
マクドナルド(MCD)の配当に関して
マクドナルド(MCD)は過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は7.60%で、過去3年間の配当成長率は7.30%と安定した成長を示している。
また、同社は過去25年間以上連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っている。
一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は3.62倍で、財務面でのリスクがやや高いことを示しており、今後の同社の経営、並びに、継続した配当の支払いに影響を与える可能性がある点には注意が必要である。
ただし、直近の予想配当利回りは2.45%となっており、投資家に対して、同社の株価水準と比較して合理的な水準の配当収入を提供しているように見える。
そして、最近の一株当たりの配当金は1.67ドルとなっており、定期的な現金配当を通じて株主に報いるために同社のコミットメントを反映している。
さらに、同社の配当パフォーマンスをセクターと比較して評価すると、同社の一貫した成長率と予想配当利回りの水準は魅力的に映る。
以上より、同社の配当成長実績を踏まえ、信頼性の高い配当収入を求める投資家は、マクドナルドが同セクターの中で適切な投資対象であると考えるかもしれない。
予想配当利回り:2.45%
配当性向:53%
配当カバレッジ・レシオ:1.85
過去5年間の配当成長率:7.60%
EBITDA純有利子負債倍率:3.62倍
マクドナルド(MCD)のバリュエーションに関して
マクドナルド(MCD)の現在の株価は272ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である298.08 ドルより低く、割安感を示している。
一方で、株価売上高倍率は7.72倍で、5年および10年の平均より高い水準となっており、株価が過大評価されている可能性を示唆している。
さらに、EV/EBITDA倍率は17.51で業界平均より高く、同業他社に比べ株価が割高である可能性を示唆している。
全体として、マクドナルドは株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率に基づくと割高で取引されているように見えるが、弊社算出の一株当たり本質的価値と比較した場合には割安に見える。
以上より、投資家は同社への投資判断を下す前に、他の財務指標とともにこれらの要因を考慮すべきである。
マクドナルド(MCD)のリスクとリターンに関して
マクドナルド(MCD)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、過去3年間に総額28億ドルの長期債務を発行している点が挙げられるが、現時点では全体的な負債水準は許容範囲と考えられる。
また、総資産の成長率が7.3%と、過去5年間の売上高成長率である5.2%を上回っていることは、資本の効率性の低下を意味している可能性がある。
加えて、同社の株価が10年来の高値水準に近いことは、割高の可能性を示唆している。
一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが7となっており、非常に健全な財務状況を反映していると言える。
さらに、ベニッシュのMスコアは-2.37となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示している。
加えて、営業利益率の拡大と4.91という強力なアルトマンのZスコアも魅力的に映る。
そして、現在の実績PERは23.12倍となっており、これは過去3年間の最低水準である21.85倍に近く、潜在的な投資機会を示しているようにも見える。
全体として、マクドナルドにはいくつかのリスクが存在するが、同社の財務の健全性と業績は比較的安定していると言える。
マクドナルド(MCD)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
過去12ヶ月間、マクドナルド(MCD)のインサイダーによる同社株式の買い付けはなかったが、24件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている。
これは、同社の取締役や経営陣を含むインサイダーが、同社の株価が割高だと考えている可能性を示唆している。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.21%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家による同社株式の保有比率は40.47%と健全な水準にあり、機関投資家が同社に大きな関心を寄せていることを示している。
全体として、高水準なインサイダーによる売却と相対的に低いインサイダー保有比率は、インサイダーによる同社株式への慎重な見方を示唆している可能性がある一方で、機関投資家の保有比率が高いことは、同社に対する市場の投資家の関心が高いことを示しており、一定の安心感を与える内容であると言える。
マクドナルド(MCD)の流動性に関して
マクドナル(MCD)の直近営業日の1日当たりの出来高は2,266,925株で、過去2ヵ月間の1日平均出来高は3,425,530株となっており、同社の株式には多くの流動性があることを示している。
そのため、同社の株式は、投資家がポジションを容易にエントリー、エグジットできる十分な機会を提供していると言える。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は63.78%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、マクドナルの流動性は健全で、取引量は多く、DPIの比率は高水準にあることからも、同社株式は流動性の高い有望な投資対象であるように見える。
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関連用語
※ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。
※ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏
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