やや強気スリーエムスリーエム / MMM / 予想配当利回り6% / 強気 / 配当王:2023年4Q決算・強み(優位性)分析と今後の株価見通し・将来性
- スリーエム(MMM:予想配当利回り6.29%)は、Minnesota Mining and Manufacturingとして始まった多国籍コングロマリットである。
- そして、同社は2024年1月23日に23年第4四半期決算を発表している。
- また、同社は過去65年間連続して増配をしており、米国株配当王の一角を担っている。
スリーエム(MMM)の概要
セクター:コングロマリット
現在の株価: 94ドル
時価総額:521.4億ドル
一株当たり本質的価値:124.98ドル
安全マージン:24.51%
5年間の配当成長率:1.70%
配当落ち日:2023年11月16日
配当支払い日:2023年12月12日
予想配当利回り:6.29%
5年間の売上高成長率:2.20%
10年間の売上高成長率:3.10%
スリーエム(MMM:予想配当利回り6.29%)は、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング(Minnesota Mining and Manufacturing)として始まった1902年以来、継続して事業を展開している多国籍コングロマリットである。
同社はR&Dの研究所で有名であり、複数の製品カテゴリーにわたってその科学技術を活用している。
同社は主に、安全・産業(Safety and Industrial)事業、輸送・エレクトロニクス(Transportation and Electronics)事業、ヘルスケア事業、コンシューマー事業の4つの事業セグメントで構成されており、60,000を超える製品を保有している。
売上高の50%近くは米州以外からのもので、安全・産業事業が売上高の大半を占めている。
そして、同社は2024年1月23日に23年第4四半期決算を発表している。
また、同社は過去65年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
スリーエム(MMM)の収益と成長に関して
前四半期、スリーエム(MMM)の1株当たり利益(EPS)は2.42ドルで、前々四半期の2.68ドルから減少ており、この減少は、当四半期の業績に影響を与えた様々な要因によるものであると考えられる。
一方で、四半期EPSを前年同期と比較すると、2.18ドルから2.42ドルへとわずかに増加していることが分かる。
しかし、同社の希薄化後EPSは四半期ごとに大きく変動しており、第3四半期には最低の-3.74ドルを記録している一方で、最高値は前年同期の6.77ドルとなっている点にはご留意いただきたい。
一株当たり売上高を見ると、前四半期の14.62ドルから前四半期の14.427ドルへと微減しているものの、一株当たり売上高は年間を通じて比較的安定している。
長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでの過去5年間のEPSの年平均成長率は0.60%であり、過去10年間では3.80%となっている。
そして、これらの成長率は、同社が比較的緩やかではあるが着実に成長していることを示している。
さらに、同社の業界全体としては、今後10年間はプラス成長が見込まれている。
この成長は、技術の進歩、特定の製品やサービスに対する需要の増加、世界的な経済成長など、さまざまな要因によってもたらされると予想される。
また、スリーエムは歴史的に、適度な財務レバレッジを維持しており、これによって安定した成長を遂げてきた。
しかし、過度なレバレッジは、同社の財務の安定性と成長の可能性にリスクをもたらす可能性があることに留意することが重要である。
スリーエムは今後、持続可能な成長を確保するため、レバレッジを慎重に管理する必要がある。
スリーエム(MMM)の配当に関して
直近四半期では、スリーエムの過去5年間の配当成長率は1.70%となっており、過去5年間一貫して配当が増加していることを示している。
一方で、過去3年間の配当成長率は0.70%であり、過去3年間の成長率はやや鈍化していることが分かる。
しかし、EBITDA有利子負債倍率は-2.19で、同社が負債よりもキャッシュを多く保有していることを示しており、これは配当の持続可能性にとってプラスの兆候である。
さらに、6.29%の予想配当利回りは、投資家が配当という形で堅実なリターンを期待できることを示唆している。
加えて、一株当たり配当金(DPS)のデータを見ると、同社は直近の四半期で一貫して1株当たり1.50ドルの配当金を支払っていることが分かる。
実際に、配当金は現金で支払われ、過去1年間に4回の支払いが行われている。
ただし、同社の配当実績をセクターと比較する際には、配当成長率と配当利回りを考慮することが重要である。
同社の配当成長率である1.70%はセクター平均より低いが、予想配当利回りの6.29%はセクター平均より高い水準にある。
このことは、スリーエムが、このセクターでより高い配当利回りを求める人々にとって、魅力的な投資対象となる可能性を示唆している。
予想配当利回り:6.29%
配当性向:65%
配当カバレッジ・レシオ:-2.1
5年間の配当成長率:1.70%
EBITDA有利子負債倍率:-2.19
スリーエム(MMM)のバリュエーションに関して
スリーエムの現在の株価は94.35ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値の124.98ドルより低く、株価が割安である可能性を示している。
株価売上高倍率は1.61となっており、株価が売上高に対して妥当な価格で取引されていることを示唆している。
また、EV/EBITDAレシオは-8.52とマイナスになっており、理想的とは言えないのが現状である。
一方で、実績PERに関しては、同社が足元赤字であったことからも、こちらでは適用することは控えたい。
さらに、これらの比率を5年平均や10年平均と比較する際には、平均値が異常値や過去の出来事の影響を受けている可能性があることを考慮することが重要である。
そのため、業界平均を見ることは、比較のためにより正確なベンチマークを提供することができる。
全体として、株価売上高倍率と本質的価値を基準とすると、同社は割安であり、良好な投資機会であるように思われる。
しかし、一方で、EV/EBITDAレシオがマイナスであることには懸念が残る点も事実である。
スリーエム(MMM)のリスクとリターン
同社株のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まず、ピオトロスキーFスコアが3であることから、経営不振が示唆され、株価のパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
さらに、売上総利益率は長期的に低下しており、年平均で-2.4%となっている。
この売上総利益率の低下は、同社の収益性にさらに影響を与える可能性がある。
さらに、同社の1株当たり売上高は過去12ヵ月間減少しており、全体的な売上高が減少している可能性を示している。
加えて、アルトマンZスコアは0.77で、今後2年以内に倒産の可能性があることを示唆している。
しかし、一方で、考慮すべきポジティブな内容もある。
まず第一に、ベニッシュMスコアは-3.94となっており、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示している。
さらに、株価は10年来の安値に近く、投資家にとっては割安な価格で買うチャンスであるようにも見える。
加えて、株価売上高倍率は1.62となっており、10年来の最低水準である1.46に近く、割安株の可能性を示唆している。
そして、同社の予想配当利回りは10年ぶりの高水準に近づいており、投資から配当収入を期待する投資家にとっては魅力的な投資対象となっているようにも見える。
全体として、投資家はスリーエムに関する投資判断を下す際、上記のマイナスな側面における詳細を注意深く検討し、ポジティブな側面と天秤にかけるべきである。
スリーエム(MMM)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
スリーエムの過去12ヶ月間のインサイダー取引は限定的で、インサイダーによる同社株式の買い付け取引はなく、インサイダーによる売却取引も1件のみであった。
これは、同社の取締役や経営陣が積極的に株式を売買していないことを示唆している。
しかし、同社のインサイダー保有率は僅かに0.38%である点にはご留意いただきたい。
一方で、機関投資家保有率は38.31%と比較的高く、これは、同社株式のかなりの部分が投資信託や年金基金などの機関投資家によって保有されていることを示している。
機関投資家の保有比率が高いことは、プロの投資家が同社の長期的なポテンシャルに自信を持っていることを示唆しており、ポジティブな兆候とみなすことができる。
全体として、インサイダー取引の動きは限定的だが、同社への機関投資家の保有株数は、同社の将来性に対するポジティブなセンチメントを示唆しているように見える。
スリーエム(MMM)の流動性
スリーエムの流動性と取引分析によると、前営業日の1日の出来高は6,898,531株であり、過去2カ月間の1日当たり平均出来高は4,180,847株となっている。
このことから、同社株式は比較的売買が活発で、毎日かなりの株数が売買されていることがわかる。
一方で、流動性の面では、同社のダークプール指数(DPI)は48.45%となっている。
この指標は、ダークプール(取引情報を公開しない代替取引プ ラットフォーム)で発生する取引活動の割合を測定している。
DPIが高いほど、取引活動がダークプールで行われる割合が高いことを示唆している。
全体として、同社の流動性と取引分析は、同銘柄の取引量は比較的多いが、DPIは中程度であることを示している。
投資家は、取引の意思決定を行う際にこれらの要因を考慮し、流動性と市況に与える潜在的な影響を認識しておく必要があると考える。