08/13/2024

やや強気
マンデー・ドット・コム
やや強気
同社が初めて営業利益を達成し、引き続き売上高も順調に成長していることから、私は引き続き同社に対して「強気」で見ています。
マンデードットコム(MNDY)2024年2Q決算速報:決算発表で株価上昇!AI銘柄の今後の株価見通しと将来性に迫る!

person using MacBookドノヴァン・ ジョーンズドノヴァン・ ジョーンズ
  • 本稿では、マンデードットコム(MNDY)の最新の2024年第2四半期決算と今後の株価見通しおよび将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
  • 同社は世界中の組織に勤務管理ソフトウェアを提供しているテクノロジー企業であり、足元、AIテクノロジーのプラットフォームへの統合を最優先として事業を拡大している。
  • 同社は力強い売上高成長を続けており、さらに、上場以来、初めてGAAPベースの営業利益もプラスに転じていることから、私は同社の株価見通しに対して、引き続き「強気」で見ています。

マンデードットコム(MNDY)に関して

マンデードットコム(MNDY)は2024年8月12日、2024年度第2四半期決算を発表し、売上高と利益において市場のアナリストのコンセンサス予想を上回る着地となりました。

私は以前の同社に関するレポートにおいて、同社に対して「強気」に見ており、その理由として、継続的な売上高の伸びと経営陣によるポジティブなガイダンスを挙げました。

現在、同社は初めて営業利益を出しており、同時に売上高も目覚ましく成長し続けていることから、私は同社の株価見通しに対して、引き続き「強気」で見ています。

マンデードットコム(MNDY)の概要と市場

マンデードットコム(MNDY)は、イスラエルのテルアビブに本社を置き、ニューヨーク、マイアミ、デンバー、シカゴ、メルボルン、ロンドン、東京にもオフィスを展開しています。

同社はクラウドベースのWork OSを提供しており、柔軟にカスタマイズできる業務管理ソリューションとして設計されています。

Work OS:企業やチームが業務の管理、プロジェクトの進行、コミュニケーション、コラボレーションを一元化して効率的に行うためのプラットフォーム。これはクラウドベースのシステムであり、ユーザーが自分たちの業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズできるように設計されている。

このプラットフォームは、ユーザーが独自のソフトウェアアプリケーションや業務管理ツールを作成できるようにすることで、多岐にわたる業界で利用されています。

また、業務管理、セールスCRM、ソフトウェア開発、さらにはビジネス開発や顧客成功サービスのソリューションも提供しています。

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理):企業が顧客との関係を効率的かつ効果的に管理するための戦略やシステムのこと。

共同創設者兼共同CEOであるロイ・マン氏は、イスラエルの起業家であり、以前はWixで勤務し、SaveAnAlien.comやntt.co.ilといったテックスタートアップの立ち上げにも携わっていました。

マンデードットコム(MNDY)のソフトウェアおよびサービスの提供内容

・業務管理ソフトウェア

・セールスCRMソリューション

・ソフトウェア開発ツール

・ビジネスインテリジェンスソリューション(UJET WFMを含む)

UJET WFM:UJETが提供するワークフォースマネジメント(WFM)ソリューションのこと。ワークフォースマネジメントとは、企業が従業員のスケジューリング、勤務時間の管理、労働力の最適化などを効率的に行うためのプロセスやツールを指す。

UJET:カスタマーサポートやコンタクトセンター向けの次世代クラウドベースのプラットフォームを提供する企業。

また、業務管理ソフトウェア市場は現在、著しい成長を遂げています。2023年には市場規模が880億ドルと推定されており、2032年までには1820億ドルに達する見込みです。そして、年間平均成長率(CAGR)は8.5%と予測されています。

これらのデータは、業務管理ソフトウェア業界が今後も力強い成長を続けることを示しています。

マンデードットコム(MNDY)の主要競合企業とプロダクト

・オラクル(ORCL):包括的な労務管理ソリューションを提供。

・SAP SE(SAP):強力な労務管理ソフトウェアを提供。

・オートマチック・データ・プロセシングADP):さまざまなビジネスニーズに対応した労務管理ソリューションを提供。

・ワークデイWDAY):クラウドベースの労務管理ソリューションを提供。

・マイクロソフト(MSFT):チームコラボレーションおよび生産性向上ツールを提供。

マンデードットコム(MNDY)を取り巻くトレンドと成長要因

・リモートワーク:COVID-19パンデミックによりリモートワークの普及が加速し、労務管理ツールの需要が増加しました。

・AIと機械学習:AIと機械学習の導入により、スケジューリングや最適化が一層進化した労務管理が実現。

・クラウドベースのソリューション:拡張性と柔軟性を求める動きが強まり、クラウド技術の導入が進んでいます。

マンデードットコム(MNDY)の最近の財務動向

マンデードットコム(MNDY)の四半期別総売上高(赤色の列:Total Revenues)は目覚ましい成長を続けており、さらに、四半期別営業利益(青色の線:Operating Income)は上場以来、初めて若干のプラスに転じています。

また、四半期別売上総利益(赤色の列:Gross Profit)は、売上高の伸びとともに顕著に上昇しており、四半期別販売費および一般管理費(青色の線:Selling General & Admin Expenses. Total)も上昇しているが、上昇幅はれほど大きくはなっていません。

さらに、希薄化後1株当たり利益(EPS)は、売上高の好調な伸びを受けて上昇を続けています。

(上記グラフのデータはすべて百万ドル単位・GAAPベース)

加えて、過去12か月間で、同社の株価は55%上昇した一方で、ベンチマークであるiShares Expanded Technology - Software ETF(IGV)は20.7%の上昇にとどまっています。

マンデードットコム(MNDY)のバリュエーション

以下は、マンデードットコム(MNDYに関連するバリュエーションの表です。

バリュエーション指標

EV(企業価値)/ 売上高倍率(予想

12.1

EV/EBITDA倍率(予想)

97.9

株価売上高倍率(直近過去12か月

16.1

売上高成長率(予想)

32.9%

純利益率

2.5%

EBITDAマージン

-1.8%

時価総額

$12,890,000,000

企業価値

$11,660,000,000

営業キャッシュフロー

$264,630,000

実績EPS(直近過去12か月ベース

$0.41

予想EPS

$2.85

一株当たりフリー・キャッシュフロー(直近過去12か月ベース

$5.32

また、40%ルールとは、ソフトウェア業界の経験則であり、売上高成長率と営業利益率の合計が40%以上であれば、その企業は、ソフトウェア企業として、許容できる成長と営業利益率の軌道に乗っていることを示すものです。

下表の通り、同社の直近の調整前40%ルールの計算値は2024年第2四半期の決算時点で33.7%に上昇していることからも、緩やかに改善していることが分かります。

40%ルール・パフォーマンス(調整前

2024年第1四半期

2024年第2四半期

売上高成長率

32.4%

32.9%

営業利益率

-2.3%

0.8%

合計

30.1%

33.7%

マンデードットコム(MNDY)の今後の株価見通し

市場のアナリストとの直近の決算説明会議において、マンデードットコム(MNDY)の経営陣の準備発言は以下の点を強調していました。

売上高

同社は単一製品の提供から真のプラットフォームへと移行し、その結果、顧客数がほぼ倍増し、年間定期売上高が3倍に増加しました。

2024年度第2四半期の総売上高は2億3,610万ドルで、前年同期比34%増加しました。

同社は、2024年度の新しい価格設定による売上高効果が2,500万ドルになると予測しています。

また、2024年度から2026年度までの間で、新しい価格設定による総売上高効果が7,500万ドルから8,000万ドルになると見込んでいます。

2024年度通年の売上高は、前年同期比31%から32%の成長を見込んでおり、9億5,600万ドルから9億6,100万ドルの範囲に収まると予測しています。

リテンション率

2024年度第2四半期の全体的なネットドルリテンション率(Net Dollar Retention: NDR)は110%で安定していました。

同社は、2024年度を通じて報告されるNDRが安定し、年末には若干の改善が見込まれるとしています。

長期的には、全体的なNDRが110%から115%の間で推移することを期待しており、これは非常に強力な数値です。


ネットドルリテンション率(Net Dollar Retention: NDR):既存顧客から得られる売上がどれだけ維持され、成長しているかを示す指標。NDRは、既存顧客が離れずに継続してサービスを利用するだけでなく、アップセル(追加のサービスや製品の購入)やクロスセル(関連する他の製品やサービスの購入)を通じて売上が増加しているかどうかを測るために使われる。

NDRは以下のように計算される:

NDR = (期初の既存顧客からの売上 + 期中に既存顧客が追加した売上 - 既存顧客が減少させた売上) / 期初の既存顧客からの売上 × 100%

この指標の値が100%を超えている場合、その会社は既存顧客からの売上を維持するだけでなく、さらに増加させていることを意味する。例えば、NDRが110%であれば、既存顧客からの収益が10%増加していることを示している。

NDRは、顧客のロイヤルティや満足度、ビジネスモデルの強さを測る上で非常に重要な指標で、NDRが高い企業は、顧客との関係が強固であり、安定した収益を確保できていると考えられる。


コストまたは経費の変動

同社は、Non-GAAPベースで過去最高の営業利益を達成し、GAAPベースでも初めて営業利益を計上しました。

2024年度第2四半期の粗利益率は91%で、平均を上回る水準でした。

同四半期の研究開発費は3,690万ドルで、売上高の16%を占めています。

同四半期の販売・マーケティング費用は1億2,070万ドルで、売上高の51%を占めています。

同四半期の一般管理費は1,820万ドルで、売上高の8%を占めています。

経営陣は2024年度を通じて、特に研究開発、製品、営業チームの強化に向けて採用を進める計画です。

キャッシュフロー

2024年度第2四半期を1,300億ドルの現金および現金同等物で締めくくりました。

2024年度第2四半期のフリー・キャッシュフローは5,080万ドルで、フリー・キャッシュフローマージンは22%でした。

2024年度通年では、経営陣は2億7,000万ドルから2億7,500万ドルのフリー・キャッシュフローと、28%から29%のフリーキャッシュフローマージンを期待しています。

バランスシート

2024年度第2四半期を1,300億ドルの現金および現金同等物で終了し、2023年度第4四半期末の1,100億ドルから増加しました。

総従業員数は2,110人で、第1四半期から122人増加しました。

海外展開

2024年度第2四半期に欧州に拠点を置く多国籍ヘルスケア企業との大規模な契約が締結されました。

トレンド

大規模なアカウントでの強いトラクションを見せており、多くの既存顧客が使用範囲を拡大しています。

AIは引き続き最優先事項であり、カスタマーサービスにおける成功した導入やプラットフォームへの新機能の追加が進んでいます。

Monday CRMは大きな成功を収めており、2022年の立ち上げ以来、20,000以上のアカウントに拡大しました。

同社は、企業向けのワークマネジメントのためのポートフォリオソリューションなど、新製品の導入を通じて、大規模アカウントのニーズに応えることに注力しています。

2024年第1四半期に導入された新しい価格設定は引き続き良好な成果を上げており、顧客基盤の約40%に適用されています。

業績報告に関するQ&A

同社は、大規模顧客からの強いトラクションを経験しており、ソフトウェアの統合や既存アカウント内での自然な成長がその要因となっています。

経営陣は、カスタマーサービスにおける生成AIの使用と効率的な成長に注力した結果、マージンの改善が見られると述べています。

需要環境はやや不安定ですが、全セグメントで安定した需要が見られています。

同社の新しい価格設定は顧客から概ね好評を得ていますが、非常に小規模な企業には多少の影響が出ています。

経営陣は既存の製品スイートの充実に注力しており、近い将来、新製品を追加する予定はないとしています。

製品スイート:関連する複数の製品やサービスを一つのパッケージとして提供する形態を指す。これにより、ユーザーは一つのスイート(パッケージ)内で、互いに連携し合う製品やサービスを利用できるようになる。例えば、ビジネス向けの製品スイートには、業務管理ツール、CRM、データ分析ツールなどが含まれており、これらが統合されて効率的に使用できるようになっている。

売上高ガイダンス

2024年度第3四半期の売上高は、2億4,300万ドルから2億4,700万ドルの範囲に達すると予測されており、前年同期比で28%から31%の成長が見込まれています。

2024年度通年では、売上高は9億5,600万ドルから9億6,100万ドルの範囲に達すると予測されており、前年同期比で31%から32%の成長が見込まれています。

以上より、引き続き力強く成長するトップライン売上高、プラスの営業利益、および強力なフォワードガイダンスを踏まえ、私はマンデードットコムの今後の株価見通しとして「強気」を維持しています。

テクノロジー銘柄関連レポート

1. 【米国IPO:2024年7月17日上場】アーデント・ヘルス・パートナーズ(ARDT)の財務分析と今後の株価見通し・将来性

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3. 【今年最大の米国IPO:2024年7月25日上場】リネージュ(LINE)の財務分析と今後の株価見通し・将来性を徹底解説!

また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

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