【Part 8‐②:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)とAirtableの比較:競合他社分析によりマンデードットコムの強みと競争優位性に迫る!
コンヴェクィティ- 本編は、注目の米国テクノロジー企業であるマンデードットコム(MNDY)の将来性を詳細に分析した長編レポートとなり、10の章で構成されています。
- 具体的には、マンデードットコムの最新の決算分析、競争優位性、4つの主要製品カテゴリーの進展、AI開発、そして最後にバリュエーション分析について詳しく解説していきます。
- そして、本稿【Part 8-②】では、競合他社分析として、競合の一社であるAirtableとの比較を通じて、同社の強みと競争優位性を詳しく解説していきます。
- Airtableは高度なカスタマイズ性と柔軟性に優れ、技術的な知識を持つユーザーに支持される一方、マンデードットコムは使いやすさと柔軟性を両立し、幅広いユーザー層に対応しています。
- AirtableはIPOの準備を進めつつも財務面や投資家対応に課題を抱える一方、マンデードットコムはIPOによるメリットを活かし、競争力を強化しています。
※「【Part 8‐①:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)とアサナ(ASAN)の比較:競合他社分析によりマンデードットコムの強みと競争優位性に迫る!」の続き
前章ではマンデードットコム(MNDY)の競合他社分析として、競合の一社であるアサナ(ASAN)との比較を通じて、同社の強みと競争優位性を詳しく解説しております。
本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。
マンデードットコム(MNDY)とAirtableの比較
Airtableは2012年に設立され、ノーコードやローコードでのアプリケーション開発分野をリードする存在となっています。ユーザーが自分のニーズに合わせてカスタマイズ可能なソリューションを作成できる高い柔軟性が魅力です。この特徴は、特定の用途に応じた高度なアプリケーションを必要とするワークマネジメントの上級ユーザーに特に支持されています。Airtableは、自由に描ける白紙のキャンバスのようなツールで、創造性豊かなユーザーには理想的ですが、マンデードットコム(MNDY)と比較すると、ガイドや提案、サポートが不足していると感じる場合があります。
柔軟性と使いやすさの違い
Airtableは高度なカスタマイズ性に優れ、従来のワークマネジメントを超えた機能を提供しますが、その反面、習得には一定のスキルが求められるため、主に技術的な知識を持つユーザー向けです。一方、マンデードットコム(MNDY)は柔軟性と使いやすさを両立しており、あらかじめ用意されたワークフローによって、チームがすぐに導入して成果を上げることができます。その結果、幅広いユーザーに対応できる使いやすさを実現しています。また、App Marketplaceを通じて、柔軟性のあるプログラマブルな機能をさらに充実させており、使いやすさを損なうことなく柔軟性を求めるユーザーにも対応しています。
対象ユーザー
Airtableは、複雑で専門的なワークフローに対応できるプラットフォームを必要とするユーザーに支持されています。次世代のExcel代替ツールとしての評価を得ており、主にパワーユーザー向けに特化した設計が特徴です。一方で、マンデードットコム(MNDY)は直感的なデザインと使いやすさを重視し、中小企業や中堅市場の顧客層から広く支持を集めています。さらに、プログラマビリティの強化を進めることで、従来Airtableが優位に立っていた高度なユースケースにも対応できる競争力を備えつつあります。
財務状況とIPOの展望
2024年初頭時点で、Airtableの推定年間経常収益(ARR)は3億7500万ドルに達し、前年比で50%の成長を遂げています。この成長は、複雑なカスタマイズを求める企業からの支持に支えられています。同社の評価額は、2021年12月のシリーズF資金調達で7億3500万ドルを調達した際に117億ドルに達し、その成長ポテンシャルが高く評価されました。AirtableはIPOの準備が整っているとされていますが、持続可能な成長を重視し、市場環境の好転を待っている状況です。
しかし、この戦略には疑念が残ります。Airtableは現在、投資家との関係に課題を抱えているとされています。現在の成長率を基に評価すると、ARR倍率は良くても10倍から15倍程度に留まる見込みで、2021年のピーク時に約50倍という高評価を受けていた状況とは大きく異なります。このため、2021年のピーク時に投資した投資家は大幅な損失を被る可能性があります。Airtableが非公開のままでいる期間が長引けば、資金調達が困難になり、IPOに踏み切れない状況が「負のスパイラル」を引き起こす可能性があります。さらに、公開市場の圧力がないことが、事業拡大や改善のスピードを鈍らせるリスクもあります。
一方で、マンデードットコム(MNDY)は早い段階でIPOを実施したことで、一般的に「公開市場は短期的視点に偏る」とされる常識に反して、大きなメリットを享受しました。これに対し、Airtableは深刻な負の利益率や高水準の株式報酬(SBC)といった課題を抱えており、これがIPOの障害となっている点も見逃せません。
以上より、Airtableは高度なカスタマイズが必要な組織にとって依然として強力な選択肢ですが、マンデードットコムは柔軟性と使いやすさを両立させる取り組みに加え、App Marketplaceの革新を通じて競争力を着実に高めています。
次章では、第3の競合他社であるスマートシート(SMAR)との比較を通じて、マンデードットコムの強みと競争優位性について詳しく解説していきます。
※続きは「【Part 8‐③:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)とスマートシートの比較:競合他社分析によりマンデードットコムの強みと競争優位性に迫る!」をご覧ください。
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