12/22/2024

【Part 9:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)のAIエージェントとは?

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  • 本編は、注目の米国テクノロジー企業であるマンデードットコム(MNDY)の将来性を詳細に分析した長編レポートとなり、10の章で構成されています。 
  • 具体的には、マンデードットコムの最新の決算分析、競争優位性、4つの主要製品カテゴリーの進展、AI開発、そして最後にバリュエーション分析について詳しく解説していきます。 
  • そして、本稿【Part 9】では、マンデードットコムのAIエージェントに関して詳しく解説していきます。
  • マンデードットコムは、AIエージェントの進化に向けた基盤を整備しており、柔軟なプロセス自動化やmonday AIを活用して自律的なワークフロー設計と実行を可能にしています。
  • 今後、部門特化型エージェントや協調型ワークフローの実現により、マンデードットコムはエージェント型AIの中心的なハブとして、企業の効率的な業務運営を支える可能性があります。

※「【Part 8‐③:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)とスマートシートの比較:競合他社分析によりマンデードットコムの強みと競争優位性に迫る!」の続き

前章ではマンデードットコム(MNDY)の競合他社分析として、競合の一社であるスマートシート(SMAR)との比較を通じて、同社の強みと競争優位性を詳しく解説しております。

本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。

マンデードットコム(MNDY)のAIエージェント

マンデードットコム(MNDY)は、今後のAI進化の新たな波である「エージェント型AI」を活用する絶好のポジションにあります。

OpenAIは、AIの発展を5つの段階で構想しており、現在は高度なチャットボット(レベル1、OpenAIの4oやAnthropicのClaude's SonnetなどのLLM)や、人間レベルの問題解決が可能な推論システム(レベル2、OpenAIのo4、通称StrawberryなどのLLM)に焦点が当てられています。次の段階である「AIエージェント」(レベル3)は、分析や要約にとどまらず、自律的に行動してタスクを完了するシステムを実現するものです。この進化により、マンデードットコムのようなプラットフォームが重要な基盤として大きな役割を果たす可能性が広がっています。

OpenAIが描く私たちのAIの未来

マンデードットコム(MNDY)のAIエージェント時代に向けた準備

マンデードットコム(MNDY)は、AIエージェントの時代に対応するために必要な2つの重要な基盤をすでに整えています。

1. 柔軟なプロセス自動化

マンデードットコムのノーコード自動化ブロックは、ユーザーが繰り返し発生するタスクを効率化するワークフローを自由に設計できる仕組みを提供しています。この自動化機能は、AIエージェントが事前に定義されたタスクを正確に実行するための基本的な土台となります。

2. monday AI

現在、チャットボットのサポート役として機能しているmonday AIは、テキストの要約、分類、提案などを行います。OpenAIのLLMを活用したこの機能により、マンデードットコムは文脈を理解し意思決定をサポートするための高度な知能を備えています。

これらの要素を組み合わせることで、マンデードットコムは、自律的に最適なワークフローを設計し実行できるAIエージェントの開発に自然につながる道筋を描いています。たとえば、monday AIはプロセス自動化ブロックを活用して、プロジェクト管理を効率化するタスクの手順を動的に提案・構築することができます。その後、これらの手順を実行し、部門間で他のエージェントと連携しながらタスクをスムーズに進めることが可能です。

マンデードットコム(MNDY)のエコシステムにおけるAIエージェントの役割

将来、マンデードットコム(MNDY)のボードは、専門的なAIエージェントが連携しながら、部門を横断するワークフローを効率的に完了するための中心的なハブとなる可能性があります。

部門特化型エージェント

マーケティング、法務、IT、営業など、各部門に特化したエージェントが、チケット対応、コンプライアンス審査、請求書処理などのタスクを効果的に管理します。

協調型ワークフロー

AIエージェントが互いに連携し、部門間の依存関係を調整しながら、タスクをスムーズに進行させることで、効率的なワークフローを実現します。

人間による管理

すべてのエージェントの行動は、透明性の高い監査履歴に記録され、人間の関係者が必要に応じて介入できる仕組みを備えることで、ガバナンスと信頼性を確保します。

ガバナンスAIエージェント

プロセスレベルのAIエージェントを監視・管理する役割を担う「ガバナンスAIエージェント」の導入も、今後必要になると考えられます。

このアーキテクチャにより、組織はAIの活用をチャットボットや推論の段階を超えて発展させ、文脈に基づいて意味のあるアクションを実行できる「レベル3」の能力を引き出すことが可能になります。このようなAIエージェントの応用範囲は非常に広いため、マンデードットコムのようなワークマネジメントプラットフォームは、AIエージェントの需要を活かす絶好の立場にあります。さらに、同社は、これらのエージェントを構築、管理、統制、監視し、そのパフォーマンスを評価するためのアーキテクチャをネイティブに提供することができます。

マンデードットコム(MNDY)の課題と可能性への対応

このビジョンは非常に魅力的ですが、マンデードットコム(MNDY)が実現するにはいくつかの課題を克服する必要があります。

複数エージェントの調整の複雑さ

複雑なワークフローでエージェントが連携し、ボトルネックや競合を引き起こさないようにするには、革新的なアプローチが求められます。

信頼性とコンプライアンスの確保

エンタープライズ顧客は、エージェントの意思決定履歴を記録した詳細なログや、厳格なデータプライバシー基準の遵守を含む堅牢なガバナンスフレームワークを期待します。

変革管理

自律型システムの導入には、ユーザーからの抵抗が予想されます。そのため、ユーザーがシステムの価値を明確に理解し、信頼性を確信できる仕組みが必要です。

一方、マンデードットコムのモジュール型プラットフォームとノーコードのコンセプトは、AIエージェントの普及を加速するうえで大きな強みとなります。ユーザーが簡単にエージェントを設定し、自分たちのニーズに合わせて展開できる仕組みを提供することで、中小企業から大企業に至るまで幅広い層での採用を促進する可能性があります。ただし、この未来の実現には少なくとも数年はかかると予想されるため、現時点で過度に楽観的になるのは避けるべきです。

マンデードットコム(MNDY)のさらに未来を見据えたワークマネジメントにおけるAIの可能性

少し先を見すぎかもしれませんが、10~20年後には「レベル4(イノベーター)」や「レベル5(組織)」のAIが実現する可能性があります。その頃には、マンデードットコム(MNDY)のプラットフォームも、人間のワークフローの管理にとどまらず、完全に自律的な組織運営プロセスを調整する役割を果たすまでに進化しているかもしれません。

イノベーター(レベル4)

マンデードットコム上のAIエージェントが、ワークフロー全体の非効率を発見し、生産性を向上させる革新的なソリューションを提案できるようになるでしょう。

組織(レベル5)

完全に統合されたマンデードットコムプラットフォームは、AIエージェントを調整しながら、マーケティングキャンペーンの企画から実行、さらにはサプライチェーンの管理まで、ビジネス全体を自律的に運営できるようになる可能性があります。

カスタマイズ可能な自動化機能と高度なLLM(大規模言語モデル)の能力を組み合わせることで、同社は、人間主導の作業と自律的なタスク実行を橋渡しする、AIエージェントエコシステムの中核となる可能性を秘めています。その成功は、革新性とユーザーからの信頼を両立させつつ、顧客に具体的な価値を提供し続けることにかかっています。

また、エージェント型AIの時代で成功を収めるためには、マンデードットコムが「システム・オブ・レコード(SOR:企業や組織において、正確で信頼性のあるデータを一元的に管理・保存するための基盤となる情報システム)」ベンダーとして進化することが重要です。AIエージェントが最大限の効果を発揮するには、正確で検証された信頼できるデータに基づいて行動し、意思決定を行う必要があります。同社が信頼されるSORになることで、エージェントに一貫性があり信頼性の高いデータを提供する集中管理型のプラットフォームを構築し、分散化された未検証データによるエラーのリスクを軽減することが可能になります。この移行により、マンデードットコムのAI駆動型ワークフローの機能性と精度がさらに強化されるだけでなく、AIを活用した職場の不可欠なインフラストラクチャー提供者としての地位を確立することができるでしょう。

そして、最終章である次章では、マンデードットコムのバリュエーション分析と今後の株価見通しについて詳しく解説していきます。

※続きは「【Part 10:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)のAIエージェントとは?」をご覧ください。

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