ミドルセックス・ウォーター / MSEX / 予想配当利回り2% / 配当王:2024年1Q決算速報と今後の株価見通し・将来性
- ミドルセックス・ウォーター(MSEX:予想配当利回り2.25% / 配当性向63%)は、米国で水道事業と廃水システムを所有・運営しており、主にニュージャージー州、デラウェア州、ペンシルベニア州の東部で事業を展開している。
- そして、同社は2024年5月8日に2024年第1四半期決算を発表している。
- また、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の概要
セクター:公益事業
現在の株価:57ドル
時価総額:10.2億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:31.3434ドル
安全マージン:-82.52%
過去5年間の配当成長率:6.70%
直近配当落ち日:2024年5月14日
次回配当支払い日:2024年6月3日
予想配当利回り:2.25%
過去5年間の売上高成長率:2.80%
過去10年間の売上高成長率:2.30%
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)は、米国で水道事業と廃水システムを所有・運営しており、主にニュージャージー州、デラウェア州、ペンシルバニア州の東部で事業を展開している。
同社には、規制事業と非規制事業の2つの事業セグメントがある。
規制事業には、住宅用、商業用、工業用、防火用の消費者への水の収集と配給が含まれる。
一方で、非規制事業には、民間の上下水道システムの運営受託サービスが含まれる。
同社の売上高の大半は、規制部門と住宅関連ビジネスからのものである。
そして、同社は2024年5月8日に2024年第1四半期決算を発表している。
また、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の収益と成長に関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の2024年第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは、2023年第4四半期の0.32ドルに対し、0.581ドルと大幅な増益を報告している。
また、1株当たり売上高も前四半期の2.15ドルから2.27ドルに増加している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は-1.20%で、過去10年間の年平均成長率は7.60%となっていることからも、足元、同社の成長は鈍化していることが分かる。
ただし、今後10年間の業界の成長予測、同社の過去の財務レバレッジの程度、成長の可能性を考慮すると、同社には成長の余地があるようにも見える。
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の配当に関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)は過去数年間、一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は6.70%で、過去3年間の配当成長率も6.70%となっている。
一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は5.43倍で、財務面でのリスクが高いことを示しており、今後の同社の経営、並びに、継続した配当の支払いに影響を与える可能性がある点には注意が必要である。
しかし、予想配当利回りは2.25%となっており、投資家に同社の株価水準と比較して合理的な配当収入を提供しているように見える。
そして、最近の一株当たりの配当金は0.325ドルとなっており、定期的な現金配当を通じて株主に報いるために同社のコミットメントを反映している。
実際に、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
また、セクターと比較すると、同社の配当成長実績は堅調に見え、投資家にとって信頼できる配当収入源であることを示している。
以上より、ミドルセックス・ウォーターの財務面では一定の警戒は必要であるものの、同社の一貫した配当支払い、並びに、配当額の成長における実績は、その安定性故に、同セクター内で配当収入を求める投資家にとって同社を潜在的に魅力的な投資対象とする可能性がある。
予想配当利回り:2.25%
配当性向:63%
配当カバレッジ・レシオ:1.58
過去5年間の配当成長率: 6.70%
EBITDA純有利子負債倍率:5.43倍
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)のバリュエーションに関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の現在の株価は57.21ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である31.34ドルよりかなり高く、割高感を示している。
また、実績PERは28.32倍となっており、投資家が同社の収益に対してプレミアムを支払うことを望んでいることを示唆している。
さらに、株価売上高倍率は6.06倍となっており、EV/EBITDA倍率も18.55倍と業界平均より高く、同社株価の割高感をさらに裏付けている。
また、PEGレシオは4.25倍となっており、成長見通しに比べて株価が割高である可能性を示している。
加えて、これらの指標を同社の5年平均、10年平均と比較すると、同社は現在割高で取引されているように見える。
以上より、投資家はミドルセックス・ウォーターへの投資判断を下す前に同社のファンダメンタルズを考慮し、注意を払う必要があるだろう。
ミドルセックス・ウォーターのリスクとリターンに関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の長期債務は過去3年間で増加し、1億3,201万5,000ドルに達し、負債による資金調達に依存していることを示している。
さらに、足元は税率が低いため、一時的に利益を押し上げる可能性があることからも、足元のトレンドの持続可能性への懸念も意識される。
加えて、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、さらに、投下資本利益率は加重平均資本コストを下回っていることからも、資本効率の悪さを示している。
また、ベニッシュのMスコアは-1.78より高く、同社が利益操作を行っている可能性を示唆している。
そして、営業利益率は過去5年間、年率-2.4%で低下しており、経営上の課題を示している。
最後に、アルトマンのZスコアは1.22で、今後2年以内に倒産する可能性を示す窮境ゾーンにあるというのが現状である。
一方で、予測可能な売上高の成長といったプラス要因もあるが、上述のリスクはミドルセックス・ウォーターへの投資における重大な懸念を浮き彫りにしているように見える。
ミドルセックス・ウォーターのインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の過去12ヶ月間のインサイダーによる同社株式の売買活動は限られており、インサイダーによる同社株式の買い付けは1件、インサイダーによる同社株式の売却は3件のみとなっている。
これらのインサイダーによる同社株式の売買活動の低調は、同社のインサイダーが同社株式を積極的に株式を売買していないことを示している。
しかし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか1.21%とである点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家による同社株式の保有比率は50.39%と健全な水準にあり、機関投資家が同社に大きな投資をしていることを示している。
機関投資家の保有比率が高水準にあることは、プロの投資家が同社の将来性に自信を持っていることを示唆しており、ポジティブな兆候となり得る。
全体として、インサイダー取引は低調かもしれないが、機関投資家の保有比率が高いことは、ミドルセックス・ウォーターの将来の業績にとって強気の指標となる可能性がある。
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の流動性に関して
ミドルセックス・ウォーター(MSEX)の流動性は比較的高く、直近営業日の一日当たり出来高は111,934株で、過去2ヶ月間の1日当たり平均出来高は112,164株となっている。
そして、これは、この銘柄が活発に取引されていることを示しており、投資家にとっては価格に大きな影響を与えることなく株式を売買し易い環境があると言える。