06/29/2024

マイクロン・テクノロジー(MU)2024年3Q決算速報と今後の株価見通し:ガイダンスで株価下落も、HBM投資の拡大に注目

black and red circuit boardダグラス・ オローリンダグラス・ オローリン
  • マイクロン・テクノロジー(MU)は、2024年度第3四半期の決算で予想を上回るEPS 0.62ドルと売上高6.81億ドルを達成。
  • 同社の2024年度第4四半期のガイダンスは市場の期待を下回り、株価は下落した一方で、設備投資の増加とHBMへの注力が示されている。
  • HBM市場は今後の成長が期待されており、マイクロン・テクノロジーは来年の売上が数十億ドルに達すると見込んでいる。

マイクロン・テクノロジー(MU):2024年度第3四半期決算概要

2024年度第3四半期決算

・EPS:0.62ドル(ファクトセット予想:0.48ドル)

・売上高:6.81億ドル(ファクトセット予想:6.67億ドル)

2024年度第4四半期ガイダンス

・EPS:1.08ドル +/- 0.08ドル(ファクトセット予想:1.02ドル)

・売上高:76.0億ドル +/- 2億ドル(StreetAccount予想:76.1億ドル)

・Non-GAAPベースの売上総利益率:34.5% +/- 1.0%(コンセンサス:33.9%)

市場は今回発表された2024年度第4四半期ガイダンスを好まなかったが、これは期待値の調整によるものだと考えている。

マイクロン・テクノロジー(MU)は明らかに上昇基調にあり、株価は健全な売上高と利益の市場予想を上回る成長を必要としている。

さて、いくつか大きなポイントがあり、それは主に来年のWFE(半導体前工程製造装置 / 半導体ウェハー製造装置)支出が大幅に増加することである。

彼らは設備投資が売上の30%台半ばに増加し、2025年が売上のピーク年になると予想している。

そして、2024年第4四半期の3億ドルを大幅に上回るという言葉通り、2025年の設備投資は150億ドル以上になると見込まれる。

ここで重要なことは、同社の具体的な動きが示されたことである。

彼らはHBMへの投資を増やし、DRAMへの投資を減らし、NANDへの投資は最低限に抑えることが予想される。

さらに、ニューヨークとアイダホでの新規設備投資が設備投資増加の半分以上を占めることになる。

つまり、大部分の支出が設備ではなく建物に向かうことを意味している。

また、ウエスタン・デジタルWDC)の投資家向け説明会を受けて、ビット需要の成長予測を引き下げている。

NAND市場における供給調整の時期であり、大手企業がHBMに明確に焦点を当てている。

さて、ここで、HBMについても少し触れておきたい。

HBM4はダイサイズが3倍以上になるとされているため、供給能力の追加はさらに制約されることが予想される。

しかし既に、マージンはDRAMのマージンを上回り、来年の投資の大部分を占める見込みである。

マイクロン・テクノロジーは2024年の売上を約7億ドルと見込んでおり、来年には「数十億ドル」になると予想している。

HBMは注目すべき市場であり、HBMメモリ市場の動向は順調である。

HBMの供給成長に関する私の見解は次回の投稿に記載しているので是慈悲参照してほしい。

マイクロン・テクノロジー(MU)の株価について

マイクロン・テクノロジー(MU)の株価は、市場における非常に高い期待から、決算後、株価が下落したと認識している。

我々はメモリの上昇期にあり、期待を上回る業績を見込んでいる。

しかし、同社が発表したガイダンスは、市場が期待したほど良くはなかったため、株価は下落したという流れである。

私としては、全体として、足元の流れに問題はなく、サイクル半ばの同社に期待されることであると見ている。

利益は減少しており、現在の取引価格は将来のEBITDAの8倍で、過去のサイクルの4倍と比較してもかなり割高な水準となっている。

過去の歴史を踏まえると、今後、市場の株価倍率(マルチプル)がさらに低下することがなければ、おそらく同社の株式も大丈夫だろうと見ている。

HBMはこれまでで最も強力なメモリサイクルとなり、マイクロン・テクノロジーの米国上場企業としての地位は有利に働くと見ている。

ただし、個人的には、マイクロン・テクノロジーよりも、単純で優れたSKハイニックス000660.KS)やサムスン電子(005930.KS)の方を好むというのも本音である。

サムスン電子の株価は今年ほぼ横ばいであり、たとえHBMのシェアを獲得できなくても、DRAMの供給減と価格上昇が株価に寄与する可能性がある。

半導体株に関するさらなる見解は次のレポートで共有していきたい。

※続きは「サイタイム(SITM:SiTime)のSpectrum-Xに注目:消費者向け半導体市場の回復とエヌビディア採用理由を分析」をご覧ください。

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