やや強気ナイキナイキ / NKE / 予想配当利回り1.6% / 強気:24年第3四半期決算分析と今後の株価見通し・将来性(Nike)
イアニス・ ゾルンパノス- ナイキ(NKE:予想配当利回り1.59%)は世界最大のアスレチックフットウェアおよびアパレルブランドである。
- 同社は1964年に設立され、オレゴン州ビーバートンに本拠を置いている。
- また、同社は2024年3月21日に24年第3四半期決算を発表している。
ナイキ(NKE)の概要
セクター:アパレル&アクセサリー
現在の株価:93ドル
時価総額:1423億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:131.88ドル
安全マージン:28.74%
過去5年間の配当成長率:11.30%
直近配当落ち日:2024年3月1日
配当支払い日:2024年4月1日
予想配当利回り:1.57%
過去5年間の売上高成長率:8.00%
過去10年間の売上高成長率:8.40%
ナイキ(NKE)は世界最大のアスレチックフットウェアおよびアパレルブランドである。
同社は1964年に設立され、オレゴン州ビーバートンに本社を置いている。
同社の対象とする主なカテゴリーとしてはバスケットボール、ランニング、フットボール(サッカー)等が挙げられ、主なブランドにはナイキ、ジョーダン、コンバース等がある。
同社は直営店、フランチャイズ店、サードパーティの小売店を通じて世界中で商品を販売している一方で、40カ国以上でeコマースプラットフォームも運営している。
ほぼ全ての生産は30カ国以上の契約製造業者に委託しており、フットウェアが売上の約3分の2を占めている。
ナイキ(NKE)の収益と成長に関して
24年第3四半期の、ナイキ(NKE)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.98ドルで、前四半期の1.03ドルをわずかに下回った。
しかし、一株当たりの売上高は7.918ドルから8.142ドルに増加している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は22.50%で、過去10年間の年平均成長率は9.00%となっており、継続して好調なパフォーマンスを見せていることが分かる。
また、今後10年間の業界成長予測はプラスであり、同社のさらなる成長機会の可能性を示していると言える。
さらに、同社は歴史的に適度な財務レバレッジを維持しており、成長イニシアティブへの戦略的投資が可能であるように見える。
以上より、過去の成長率と業界の見通しを考慮すると、ナイキは成長軌道を継続する可能性があると考えている。
しかし、投資家は、同社が市場トレンドを上手く活用し、今後も業界における競争上の地位を維持することができるかを注視する必要がある。
ナイキ(NKE)の配当に関して
ナイキ(NKE)は過去数年間、一貫した配当成長を示してきた。
過去5年間の配当成長率は11.30%で、過去3年間の配当成長率は11.50%とやや高い水準となっており、株主への配当が小幅ながら増加傾向にあることを示している。
また、EBITDA純有利子負債倍率は1.84であり、同社は健全なバランスシートを有していると言える。
さらに、配当利回りは1.57%で、投資家に適度なリターンを提供している。
直近の四半期では、同社は0.37ドルの一株当たり配当(DPS)を宣言している。
下記の配当のチャートからも確認できるように、同社は配当金支払いに一貫性があり、安定した配当政策を維持している。
加えて、同社の配当実績をセクターと比較すると、同社の配当成長率は競争力があり、株主への価値還元へのコミットメントを反映している。
全体として、ナイキの配当成長率は、投資家にとって安定した信頼できる収入源であることを示唆している。
予想配当利回り:1.57%
配当性向:39%
配当カバレッジ・レシオ:2.39
過去5年間の配当成長率:11.30%
EBITDA純有利子負債倍率:1.84
ナイキ(NKE)のバリュエーションに関して
ナイキ(NKE)の現在の株価は93.98ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である131.88ドルを下回っており、割安である可能性を示している。
実績PERは27.64となっており、投資家が利益の1ドルごとに27.64ドルを支払うことを望んでいることを示唆しており、これは5年および10年の平均よりも高い水準にある。
株価売上高倍率は2.8で、EV/EBITDA倍率は21.83と、いずれも業界平均を上回っており、これらの指標から同社の株価は割高である可能性が示唆されている。
加えて、PEGレシオも2.8となっており、予想成長率に比べて株価が割高である可能性を示唆している。
全体として、ナイキは弊社算出の一株当たり本質的価値を下回って取引されているように見えるが、業界平均と比較して高いバリュエーションであることから、投資家は慎重になるべきであろう。
ナイキ(NKE)のリスクとリターンに関して
ナイキ(NKE)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、総資産が売上高を上回るペースで成長しており、効率性が低下している可能性がある。
加えて、過去3ヶ月間にインサイダーによる同社株式の買い付けが確認されていない一方で、インサイダーによる売却は確認されている点も気になるポイントである。
しかし、プラス面では、同社のM-Scoreは、同社が利益操作をしている可能性が低いことを示す範囲内にあり、また、営業利益率は拡大しており、概してポジティブである。
加えて、PBRと予想PERはそれぞれ1年ぶりの低水準に近く、潜在的な割安感を示している。
さらに、同社は予測可能な増収増益を示している点に加えて、株価売上高倍率は5年ぶりの低水準に近く、アルトマンZスコアも6.2と高水準にある。
そして、予想配当利回りは10年ぶりの高水準となっている。
全体として、考慮すべきリスクはあるものの、ナイキの財務指標と業績指標は比較的良好な見通しを示している。
ナイキ(NKE)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ナイキ(NKE)は、過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の買い付けが1件確認された一方で、売却が10件となっている。
これは、同社インサイダーが同社株式を購入するよりも売却に傾いていることを示唆しており、同社株価の将来のパフォーマンスに対する自信のなさを示している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は僅かに1.07%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は41.13%と非常に高く、機関投資家の方が同社株を多く保有していることを示唆している。
このことは、機関投資家が同社の将来の見通しについて、会社関係者よりも前向きな見通しを持っていることを示唆している可能性がある。
全体として、インサイダー取引分析とトレンド分析は、ナイキの株式に対するインサイダーと機関投資家の感情が混在していることを示している。
ナイキ(NKE)の流動性に関して
ナイキ(NKE)の直近営業日の1日の出来高は11,152,945株で、過去2ヶ月の1日平均出来高は9,639,967株となっており、一貫した取引が行われていることが分かる。