やや強気ナイキすべて表示ナイキ(NKE:予想配当利回り1.9%・配当性向37%)最新の2024年4Q決算速報・財務&強み(優位性)分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- ナイキ(NKE:予想配当利回り 1.93% / 配当性向 37%)は1964年に設立され、オレゴン州ビーバートンに本社を置く世界最大のアスレチック・フットウェアとアパレルのブランドである。
- 同社の2024年度第4四半期決算では、EPSと1株当たり売上高が共に前四半期比で上昇し、足元は好調な業績をは示している。
- 同社の株価は、弊社算出の本質的価値である130.31ドルを下回る76.04ドルで取引されており、また、株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率においても業界平均に比べて割安で取引されているように見える。
ナイキ(NKE)の概要
セクター:アパレル&アクセサリー
現在の株価:76ドル
時価総額:1147.7億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:130.31ドル
安全マージン:41.65 %
過去5年間の配当成長率:11.30%
直近配当落ち日:2024年6月3日
直近配当支払い日:2024年7月1日
予想配当利回り:1.93%
過去5年間の売上高成長率:8.00%
過去10年間の売上高成長率:8.40%
ナイキ(NKE:予想配当利回り 1.93% / 配当性向 37%)は1964年に設立され、オレゴン州ビーバートンに本社を置いている世界最大のアスレチック・フットウェアとアパレルのブランドである。
主な対象スポーツのカテゴリーは、バスケットボール、ランニング、フットボール(サッカー)等となっている。
フットウェア関連商品が売上高の約3分の2を占めており、主なブランドにはナイキ、ジョーダン、コンバース(カジュアルシューズ)等が挙げられる。
同社は直営店、フランチャイズ店、サードパーティの小売店を通じて世界中で商品を販売しており、また、40カ国以上でeコマースプラットフォームも運営している一方で、ほぼ全ての生産は30カ国以上の契約製造業者に委託している。
そして、同社は2024年6月27日に2024年度第4四半期決算を発表している。
ナイキ(NKE)の収益と成長に関して
ナイキ(NKE)は2024年度第4四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.01ドル(前四半期:0.98ドル)、また、1株当たり売上高は8.311ドル(前四半期:8.14ドル)と、いずれも前四半期比で上昇し、好調な業績をは示している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は22.50%で、過去10年間の年平均成長率は9.00%となっており、長期的な観点からは継続して成長していることが分かる一方で、特に足元の成長が著しく加速していることが分かる。
また、今後10年間の業界の成長予測は依然としてポジティブで、アスレチック関連のアパレルとフットウェア部門は、スポーツとフィットネス関連製品に対する消費者の需要に牽引され、拡大を続けると予想されている。
以上より、ナイキの最新の四半期における堅調な業績は、業界の成長トレンドを活用し、業界のリーディング・プレイヤーとしての地位を維持する能力を示していると言える。
※チャート上の値は年間ベースであり、直近4四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の合計値
ナイキ(NKE)の財務パフォーマンスに関して
ナイキ(NKE)は過去5年間一貫した財務パフォーマンスを示している。
過去5年間のROIC(投下資本利益率)の中央値は29.06%で、過去5年間のWACC(加重平均資本コスト)の中央値の7.99%を上回っており、ジョエル・グリーンブラット氏のROCにおいては53.92%と高いパフォーマンスを示している。
特に、ROICとWACCの差は大きく、同社が株主のために経済的価値を継続して創出し、安定した業績を達成してきたことを示している。
そして、現在のROICの水準も25.84%と高く、投下資本に対する堅実なリターンを示している。
また、同社のROEは一貫して高く、過去5年間のROEの中央値は42.74%、現在のROEは40.27%となっている。
一方で、同社の現在のWACCはやや高水準で推移しており、過去5年間のWACCの中央値は7.99%、現在のWACCは10.91%となっている。
以上より、ナイキの財務指標は、効率的な資本配分と強力な経済価値の創造を示していると言える。
ナイキ(NKE)の配当に関して
ナイキ(NKE)の過去5年間の配当成長率は11.30%で、過去3年間の配当成長率は11.50%と継続してプラスの成長を示しいる。
また、同社の予想配当利回りは1.93%で、高水準でとは言えないものの、健全な水準を維持しており、株主への安定した配当金の支払いを示している。
加えて、配当実績をセクターと比較すると、ナイキの配当性向は37%と比較的低く、さらなる増配の余地があることを示唆しているようにも見える。
さらに、EBITDA純有利子負債倍率は1.72倍と許容範囲内であり、同社の利益に対する負債水準は妥当な範囲内であることを示している。
そして、直近四半期の1株当たり配当金は0.37ドルで、過去数四半期にわたり安定した配当が支払われている。
全体として、ナイキの配当成長と配当性向は、健全なバランスシートを維持しながら株主に配当支払いを通じて報いるという同社の強いコミットメントを示唆している。
潜在的な増配余地と管理可能な負債水準により、ナイキは配当収入重視のインカム志向の投資家にとって魅力的な投資対象と映るかもしれない。
予想配当利回り:1.93%
配当性向:37%
配当カバレッジ・レシオ:2.57
過去5年間の配当成長率:11.30%
EBITDA純有利子負債倍率:1.72倍
ナイキ(NKE)のバリュエーションに関して
ナイキ(NKE)は現在、弊社算出の一株当たり本質的価値である130.31ドルを下回る76.04ドルで取引されていることからも、割安に放置されているように見える。
また、株価売上高倍率は2.3倍で、EV/EBITDA倍率は16.71となっており、同社の株価が業界平均に比べて割安である可能性を示している。
さらに、予想PERは19.99倍となっており、直近過去12カ月間ベースの実績PERである20.39倍をわずかに下回っている。
一方で、PEGレシオは2.06倍となっており、成長率に比べて株価がやや割高であることを示唆している。
加えて、株価フリー・キャッシュフロー倍率は18.89倍と業界平均を上回っており、キャッシュフローに基づくと同社株価には割高感があると言える。
全体として、ナイキは株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率に基づくと割安な水準で取引されているように見える。
そして、過去5年平均や過去10年平均と比較すると、現在のバリュエーションはより有利なバリュエーション水準にあるように見え、更なる上昇の可能性を示唆していると見ている。
ナイキ(NKE)のリスクとリターンに関して
ナイキ(NKE)のリスク評価分析では、比較的低いリスクレベルを示してる。
まず、ピオトロスキーFスコアは7となっており、同社の財務状況が非常に健全であることを示唆している。
さらに、ベニッシュのMスコアは-2.48となっており、同社が利益操作に関与している可能性が低いことを示している。
また、同社の営業利益率は拡大しており、これは一般的に投資家にとってポジティブな兆候である。
そして、同社のPBRとPERは、それぞれ過去5年間と過去10年間の最低水準に近く、投資家にとって潜在的に割安であることを示している。
加えて、1株当たりの売上高に反映されているように、同社は一貫した売上高の成長を実現しており、株価売上高倍率は10年来の低水準に近く、予想配当利回りも10年来の高水準に近い。
アルトマンZスコアも5.48と高水準にあり、安定した財務状態を維持しているように見える。
ナイキ(NKE)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
過去12ヶ月間、ナイキ(NKE)のインサイダーによる同社株式の買い付けは限定的で、10件のインサイダーによる同社株式の売却に対し、2件の買い付けに留まっている。
このことは、インサイダーが同社株式の買い付けよりも売却に傾いていることを示唆しており、同社の将来の業績やバリュエーションに対する自信のなさを示している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか1.06%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は40.45%であり、機関投資家の方が同社への出資比率が高いことを示している。
これは、機関投資家がインサイダーに比べ、同社の成長見通しや財務の健全性をより信頼していることを示唆している可能性がある。
全体として、ナイキのインサイダー取引のトレンドは、買いよりも売りのインサイダーが多く、あまり良い印象は受けない。
以上より、投資家は、同社に関連する投資判断を下す際に、他の要因とともにこの情報を考慮するとよいだろう。
ナイキ(NKE)の流動性に関して
ナイキ(NKE)の流動性は高く、直近営業日の1日の出来高は24,961,803株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は13,046,106株となっており、一貫した取引活動が行われていることが分かる。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は37.8%で、取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
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