中立ノースロップ・グラマンすべて表示ノースロップ・グラマン(NOC:予想配当利回り1.6%)2024年1Q決算速報&強み分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- ノースロップ・グラマン(NOC:予想配当利回り1.6% / 配当性向52%)は、航空、防衛、宇宙システムを提供する多角的なテクノロジー企業である。
- F-35プログラムの機体を製造し、グローバルホーク無人偵察機等の自律型・操縦型航空機も製造している。
- そして、同社は2024年4月25日に2024年第1四半期決算を発表している。
ノースロップ・グラマン(NOC)の概要
セクター:航空宇宙・防衛
現在の株価:473.75ドル
時価総額:697.9億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:493.26ドル
安全マージン:4.39%
過去5年間の配当成長率:9.30%
直近配当落ち日:2024年2月23日
直近配当支払い日:2024年3月13日
予想配当利回り:1.60%
過去5年間の売上高成長率:7.50%
過去10年間の売上高成長率:9.90%
ノースロップ・グラマン(NOC)は、航空、防衛、宇宙システムを提供する多角的な防衛請負業者である。
同社の航空宇宙システム部門は、大規模なF-35プログラムの機体の製造に加え、グローバルホーク無人偵察機や新型爆撃機B-21などの自律型・操縦型航空機を製造している。
また、防衛システム部門は、大砲やミサイルの弾薬や誘導システム、ミサイル防衛システムを製造し、多数の軍用機のメンテナンスやアップグレードを行っている。
ミッション・システム部門は、ヘリコプターから駆逐艦まで、さまざまなプラットフォームのアビオニクス、武器制御、対抗措置のためのさまざまなレーダー、ナビゲーション、通信システムを製造し、統合している。
最後に、宇宙システム部門は衛星、センサー、宇宙構造物を製造し、長距離ミサイルとロケットモーターを製造している。
そして、同社は2024年4月25日に2024年第1四半期決算を発表している。
ノースロップ・グラマン(NOC)の収益と成長に関して
ノースロップ・グラマン(NOC)の2024年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは、2023年度第4四半期の-3.5ドルから6.32ドルに上昇し、一株当たり売上高も67.87ドルとわずかに増加しており、前四半期に比べて大幅な収益改善を示している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は-2.60%で、過去10年間の年平均成長率は10.90%となっており、同社の最近のパフォーマンスは減速しているように見える。
ただし、今後10年間の同社業界の成長予測は、防衛分野での成長機会が期待されることから、明るい見通しを示唆していると言える。
また、同社の過去の財務レバレッジの程度は中程度であることから、持続的な戦略的投資と潜在的成長を可能にしているように見える。
以上より、ノースロップ・グラマンの過去の業績と今後の業界の予測を考慮すると、同社は将来の市場の成長機会を活用し、市場での存在感をさらに拡大する可能性を秘めていると見ている。
ノースロップ・グラマン(NOC)の配当に関して
ノースロップ・グラマン(NOC)は、過去5年間の間、一貫した配当成長のトレンドを示しており、実際に過去5年間の配当成長率は9.30%、過去3年間の配当成長率は9.00%となっている。
また、直近の四半期では、同社の予想配当利回りは1.60%となっている。
配当金の支払いに関しては、同社は最近の四半期では、1株当たり配当金(DPS)として1.87ドルの安定した現金配当を実施している。
さらに、同社の配当支払いのスケジュールは定期的なパターンを維持しており、過去3回の配当はすべて1株当たり1.87ドルとなっている。
また、同社の配当実績をセクターと比較すると、同社の配当成長率は業界標準に沿ったものであると言えるが、1.60%の予想配当利回りは、同セクターの他の企業と比べると若干低いようにも見える。
全体として、ノースロップ・グラマンの一貫した配当成長と安定した配当の支払いは、財務の安定性を維持しながら株主に報いるという同社のコミットメントを反映していると言える。
予想配当利回り:1.60%
配当性向:52%
配当カバレッジ・レシオ:1.92
過去5年間の配当成長率:9.30%
EBITDA純有利子負債倍率:3.78倍
ノースロップ・グラマン(NOC)のバリュエーションに関して
ノースロップ・グラマン(NOC)の現在の株価は473.75ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である493.26ドルを下回っていることから、割安の可能性を示している。
一方で、実績PERは32.89倍となっており、投資家が同社の利益1ドルにつき32.89ドルを支払うことを望んでいることを示唆しており、これは業界平均よりも高い水準となっている。
また、株価売上高倍率は1.77倍となっており、投資家が同社の売上高1ドルにつき1.77ドルを支払っていることを反映しており、これも業界平均より高い水準となっている。
さらに、EV/EBITDA倍率は19.09倍となっており、同社の株価がEBITDAベースで割高である可能性を示唆している。
加えて、PEGレシオも4.57倍となっており、同社の予想成長率を踏まえると、同社の株価が割高である可能性を示唆している。
そして、これらの指標を同社の過去5年平均、並びに、10年平均と比較すると、現在のバリュエーションはいずれも割高に見える。
以上より、投資家はノースロップ・グラマンへの投資判断を下す前に、他のファンダメンタル要因とともにこれらの指標を考慮すべきである。
ノースロップ・グラマン(NOC)のリスクとリターンに関して
ノースロップ・グラマン(NOC)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、同社の売上総利益率は年平均-4.6%で減少しており、今後も収益性が低下する可能性を示している。
さらに、営業利益率は過去5年間で年平均-10.6%減少しており、財務上の課題がさらに浮き彫りになっている。
また、10年来の高水準である35.58倍に迫る32.89倍という高い実績PERは、同社の株価が割高である可能性を示唆している。
加えて、アルトマンのZスコアは2.76とグレーゾーンにある(1.8を下回ると財務上のストレスと潜在的な倒産リスクを示す)。
一方でプラス面では、ベニッシュのMスコアは-2.56となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
さらに、同社は予測可能な売上高と利益の伸びを示しており、加えて、株価売上高倍率は1.77と2年ぶりの低水準に近い。
さらに、予想配当利回りは3年ぶりの高水準に近く、投資家に配当経由で一定のリターンを提供していることが分かる。
全体として、ノースロップ・グラマンには一定の財務リスクが存在するが、同社の安定した収益成長と予想配当利回りは、投資家にある程度の安心感を提供していると言える。
ノースロップ・グラマン(NOC)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ノースロップ・グラマン(NOC)は、過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の買い付けが0件であった一方で、インサイダーによる同社株式の売却が10件確認されている。
このインサイダーによる売却件数の多さは、取締役や経営陣を含む同社のインサイダーが、同社の株価が割高である、あるいは、潜在的なリスクがあると考えていることを示唆している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに2.38%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は64.19%と著しく高く、機関投資家の存在感が大きいことを示している。
以上より、保有トレンド分析では、インサイダーの関与に比べて機関投資家の関与が圧倒的に高いことが明らかになったが、これはインサイダーと機関投資家の間で同社の将来性に対する認識が異なることを反映している可能性がある。
ノースロップ・グラマン(NOC)の流動性に関して
ノースロップ・グラマン(NOC)の過去2カ月間の1日平均出来高は983,785株と比較的高く、直近営業日の1日当たりの出来高も791,198株で、同社株式への市場の関心が高いことを示唆している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は39.75%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、ノースロップ・グラマンの株式における取引活動は比較的堅調で、1日の取引量も一定水準にあり、ダークプールでの取引も多いことが確認されている。