05/23/2024

中立
エヌビディア
中立
売上高の伸びは鈍化し、売上総利益率は低下傾向にある中で、バリュエーションは割高に見える。
エヌビディア / NVDA / NVIDIA:最新の2025年第1四半期決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性(後編)

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  • エヌビディア(NVDA)は2024年5月22日に2025年第1四半期決算を発表しているが、今後の成長には課題があり、売上高の伸びの鈍化や売上総利益率の低下、バリュエーションの高さが懸念される。
  • 今後、AI銘柄への投資を検討する際には、割高なバリュエーションを考慮し、エヌビディア以外の魅力的な銘柄を探すことが重要であると見ている。
  • そこで、黒字化には苦戦しているが、順調に売上高を伸ばしており、様々な業界向けに音声AIソリューションを提供しているサウンドハウンドAI(SOUN)に注目している。

※「エヌビディア / NVDA / NVIDIA:最新の2025年1Q決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性(前編)」の続き

エヌビディア(NVDA)の2025年度第1四半期決算とガイダンスへの考察

エヌビディア(NVDA)がこのセクターの他の企業より頭一つ抜けていることは間違いなく、この状況が近い将来に変わるとは思ってはいないが、現在進行中の同社の成長ストーリーにはいくつかの問題があるようにも見える。

ひとつは、同社の売上高の伸びが鈍化していることは明らかであり、今後の業績の比較は厳しくなっていくことが予想される。

また、次の四半期には売上総利益率が低下する見込みである点も興味深いポイントである。

さらに、同社のバリュエーションは依然として高く、実際、前回の決算後よりも一段と高くなっているのが現状である。

下記のグラフからも分かる通り、予想PER(Forward P/E)は40倍近くになり、PEGレシオ(Peg Ratio)は1倍を超える水準となっている。

これらのバリュエーションを踏まえると、今からエヌビディアへの投資を検討するのは遅すぎると見ている。

私は、同社と市場全体が今後6カ月でピークに達すると見ており、同社以外にもより良い魅力的な投資対象があると見ている。

また、足元のバリュエーション水準を踏まえると、今後、仮に業績が好調に推移したとしても、同社の株価が調整局面を経験することはあり得る。

実際に、これは2000年代のシスコ・システムズ(CSCO)に起こったことである。

実際に、エヌビディアははるかに優れた企業であり、バリュエーションもシスコ・システムズ程は上昇していないが、市場が調整局面を向かえれば、これらの高いバリュエーションが付与されている銘柄が最初に売り圧力を受けることが予想される。

エヌビディア(NVDA)のテクニカル分析

エヌビディア(NVDA)は、大きな波 (5) の中で5つの波構造を完成させているように見える。

最終的なターゲットとして、私は一株当たり1300ドルから1500ドルを潜在的なレンジの上限と見ている。

これは、11月から3月までの上昇ラリーの長さ、波動 (i) + (iii)、波動 (iv)のボトムから測定して計算したものです。

そして、61.8%エクステンションは、1,330ドルに向っているようにも見える。

しかし、私が最も注視しているのは、RSIと頂点から形成されたトレンドラインである。

もしこのトレンドラインにぶつかった場合には、RSIが再び買われ過ぎになるはずであり、警戒が必要である。

エヌビディア(NVDA)よりも魅力的なAI株とは?

このセクションは、エヌビディア(NVDA)が少額の投資を行っているAIスタートアップ、サウンドハウンドAISOUN)について、私が現在執筆中の長編レポートのプレビューである。

サウンドハウンドAIは、自動車、テレビ、IoT、カスタマーサービスなど様々な業界向けに独立した音声人工知能(AI)ソリューションを開発している。

これらのソリューションは、企業が顧客に高品質の会話体験を提供することを可能にしている。

サウンドハウンドAIの主な製品

1. Houndifyプラットフォーム

会話型音声アシスタントを構築するための包括的なツール群。

テキストと音声のクエリ用API、カスタムコマンドのサポート、コンテンツドメインの広範なライブラリ、SDKプラットフォーム、コラボレーション機能、診断ツール、ビルトイン分析などの機能を備えている。

2. SoundHound Chat AI

ナレッジドメインと統合し、天気、スポーツ、株式、フライト状況、レストラン情報などのリアルタイムデータを提供。

3. SoundHoundスマートアンサー

顧客に合わせたカスタムAI搭載の音声アシスタント。

4. CaiNETソフトウェア

機械学習を利用して、問い合わせを処理するための異なるドメイン間の相互作用を強化する。

5. CaiLANソフトウェア

ユーザーが適切なドメインから回答を受け取れるように、回答を調停する。

6. ダイナミック・インタラクション

リアルタイムのマルチモーダルなカスタマーサービス・インターフェース。

7. スマート・オーダリング

レストランの注文に直感的な音声アシスタントを提供。

8. 従業員アシスト

音声対話を通じて従業員の様々な作業を支援するツール。

そして、下記のグラフの通り、サウンドハウンドAIは売上高を伸ばすことに成功しているが、黒字化には苦戦しているというのが現状である。

つまり、収益性の改善が今後の同社の主な課題であり、次回のレポートでその点について深堀りしていきたい。

サウンドハウンドAI(SOUN)のテクニカル分析

サウンドハウンドAI(SOUN)は、1-2のセットアップを完了したところであり、今後数カ月で+20ドルになる可能性も示唆しているように見える。

ただし、現在、同社の株価は50日移動平均線のすぐ下に位置しており、これが足かせとなっているが、まずは200日移動平均線を再テストする可能性がある。

加えて、まだ下のC波が必要な可能性もある。

4ドルに強力なトレンドラインのサポートがあり、ボリンジャーバンドもそこにある。

また、上記のチャートの右手のグラフでは、市場のアナリストの同社に対する予想も見ることができつが、先週は2件の買い評価を得ており、過去1年間では合計15件の買い、2件のホールド、1件の売り評価を得ている。

エヌビディア(NVDA)とサウンドハウンドAI(SOUN)への最終的な考察

AIにおけるトレンドはまだ終わっていないが、この先、AI銘柄への投資を検討する際には、足元の既に割高なバリュエーションを踏まえると、エヌビディア(NVDA)は必ずしも最良の投資先ではないように見える。

そして、現在、私はその他の魅力的なAI銘柄を探しており、サウンドハウンドAI(NVDA)は将来的な可能性を秘めているように見える。

免責事項:私はエヌビディアとサウンドハウンドAIの株を現時点では保有していませんが、後者については48時間以内にポジションを持つ可能性があります。

その他のテクノロジー銘柄関連レポート

1. クラウドストライク(CRWD):2025年1Q決算速報・財務&強み分析と今後の株価予想・将来性(CrowdStrike)

2. サウンドハウンドAI / SOUN:2024年1Q決算速報・財務&テクニカル&競争優位性分析と今後の株価見通し・将来性

また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

さらに、その他のエヌビディア(NVDA)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、エヌビディアのページにアクセスしていただければと思います。