注目のヨーロッパ(欧州)高配当株:安定した配当が魅力のノボ・ノルディスク(NVO)とアリアンツ(ALV)の将来性に迫る!

- 本稿では、「注目のヨーロッパ(欧州)株とは?」という疑問に答えるべく、私が注目する2つのヨーロッパ株、ノボ・ノルディスク(NVO)とアリアンツ(ALV)の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- ヨーロッパ株は米国株より割安な水準にあり、景気回復や財政刺激策、利下げ観測を背景に、2025年に向けて有望な投資先と考えています。
- ノボ・ノルディスク(NVO)は短期的な不安材料がある一方で、高い利益率と成長性、割安なバリュエーションを評価しています。
- アリアンツ(ALV)は安定した利益成長と配当利回りを備えた金融大手であり、EOWポートフォリオへの組み入れによりヨーロッパと保険セクターへの分散効果を期待しています。
はじめに
現在、ヨーロッパ市場が非常に好調であるように見えます。
ヨーロッパ株は米国株を上回るパフォーマンスを見せており、財政政策は積極的に展開され、欧州中央銀行(ECB)も近いうちに利下げを実施する可能性があります。
本稿では、私が注目しているヨーロッパ株2銘柄について解説していきます。
1銘柄は、すでに私の運用するポートフォリオの1つである「End Of The World(EoW)ポートフォリオ」で保有しているものであり、もう1銘柄は今回新たに追加する予定のものです。
当EOWポートフォリオは、過去1か月間において実に良好なパフォーマンスを維持しており、世界中に分散された投資が奏功しています。
(出所:Snowball Analytics)
このポートフォリオはS&P500を上回る成績を収め、実際に利益も出しました。
そこで私は、本稿で解説する2銘柄をポートフォリオにさらに追加することにしました。
1銘柄は株価が45%下落しているもので、もう1銘柄は過去1年間で30%上昇しているにもかかわらず、依然として高い価値があり、配当もあり、ポートフォリオの分散にも適していると考えている銘柄です
2025年においてヨーロッパが優れた投資先であると考える理由
現在、ヨーロッパ株式は、魅力的なバリュエーション、経済環境の改善、そして投資家心理の変化といった複数の要因により、非常に魅力的な投資対象となっていると見ています。
MSCIヨーロッパ指数は年初来で10%以上上昇していますが、それでも米国に比べてバリュエーションは依然として非常に割安な水準にあります。ヨーロッパ株の予想株価収益率(PER)は平均で約14倍であるのに対し、S&P500は22倍を超えており、投資家の関心が再び集まれば、ヨーロッパ株にはさらなる上昇余地があると見ています。
欧州株は米国株に比べて大きく割安な水準で取引されている
(出所:Bloomberg)
財政刺激策も大きな役割を果たしています。ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツは、インフラおよび防衛分野に向けた1兆ユーロ規模の巨額支出計画を承認しており、これは地域全体における財政支援の拡大傾向の一環です。この流れは、産業、エネルギー、建設といった分野での成長と楽観的な見通しを後押ししています。
ドイツの画期的な歳出法案、最終的に議会の承認を獲得
(出所:Bloomberg)
また、投資家は米国以外の地域にも目を向け始めており、分散投資や、これまで十分に投資されてこなかった市場における景気回復の恩恵を求めています。インフレが落ち着きつつある中で、欧州中央銀行は2025年後半に利下げを開始すると見込まれており、流動性環境はさらに改善する見通しです。これにより、株式市場のパフォーマンスは一層押し上げられると期待されています。
では、その様な環境の中で、私が注目している銘柄とは何なのでしょうか?早速、本題に入っていきましょう!
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ノボ・ノルディスク(NVO)とは?市場で過小評価されている銘柄?
ヘルスケアのようなディフェンシブセクターは、不安定な市場環境においても底堅さを見せてきましたが、最近のボラティリティによって、安全資産とされる銘柄でさえも圧力を受けています。
肥満治療で業界をリードするノボ・ノルディスク(NVO)は、「CagriSema REDEFINE 2」試験の結果がウォール街の減量効果に対する期待を下回ったことを受けて、株価が大きく下落しました。
(出所:Seeking Alpha)
これは2024年12月にも見られた株価の低迷に続くものであり、構造的な弱点があるのではないかという懸念を呼び、同社がイーライリリー(LLY)に対して優位性を維持できるのか疑問視する声も出ています。
さらに悪いことに、同社は関税戦争の標的となる可能性もある状況です。
こうした投資家の不安がある一方で、ノボ・ノルディスクはGLP-1治療薬における新たな適応症の開発を着実に進めており、製造と流通の分野においてもリーダーの地位を維持しています。
市場は過剰に反応している可能性があります。同社は2024年第4四半期において、前年同期比で25%の増収という力強い業績を発表しました。これは、Ozempic(オゼンピック)、Rybelsus(リベルサス)、Wegovy(ウィーゴビー)といったGLP-1薬に対する需要の高まりによるものです。Ozempicの供給不足やイーライリリーとの競争激化といった懸念がある中でも、ノボ・ノルディスクのセマグルチド製品群は依然として市場をリードしており、特にWegovyの売上は2倍以上に伸びています。
ノボ・ノルディスクの新薬、第4四半期の売上が予想を上回る
(出所:Yahoo Finance)
まれな内分泌疾患向けの治療薬や、長時間作用型成長ホルモン「Sogroya(ソグローヤ)」も成長に寄与しています。積極的なパイプライン開発により研究開発費は大きく増加しましたが、それでも営業利益率は業界最高水準を維持しています。1株当たり利益(EPS)は前年比で24%増加し、営業利益率(EBITマージン)は主要な競合他社を上回りました。
営業利益率(2023年第4四半期)
(出所:Gurufocus)
バリュエーションも魅力的な水準にまで下がっており、同社は依然として糖尿病および肥満治療分野で市場をリードしています。現在、同社の株価は予想EBITDAの13倍で取引されており、これは過去10年の平均を大きく下回る水準です。また、予想PEGレシオも業界中央値の50%低い水準にあります。
(出所:Seeking Alpha)
政策やサプライチェーンに関する不透明感といったリスクは残るものの、今回の売りは行き過ぎである可能性があると見ています。株価が75ドル付近で下げ止まっていることからも、同社の強固な市場地位、ブランドロイヤルティ、そして利益率の安定性を背景に、魅力的な水準であるように見えます。
ノボ・ノルディスク(NVO)のテクニカル分析
(出所:TrendSpider)
テクニカルの観点では、まだ明確な反転の兆候は見られませんが、RSIには美しい強気のダイバージェンスが現れており、MACDのゴールデンクロスも間もなく発生しそうです。
これは「落ちてくるナイフ」ですが、私はあえて拾う価値があるのではないかと考えています。
ノボ・ノルディスク(NVO)ともう1銘柄をEOWポートフォリオに追加
はじめましての方もいらっしゃるかもしれませんのでご紹介しますと、私は主に、2つの個別株式から成るポートフォリオを運用しています。
ひとつは「YOLOポートフォリオ」で、高成長と最大のリターンを狙うものです。
もうひとつは上述の「EOWポートフォリオ」で、資本の保全と着実な資産増加を目的としています。
このEOWポートフォリオは、世界中に分散された投資戦略のおかげで、過去1か月間非常に堅調なパフォーマンスを維持しています。
(出所:Snowball Analytics)
S&P500を上回る成績を収め、実際にプラスのリターンも出しました。
私はこの機会に、ノボ・ノルディスク(NVO)をさらにポートフォリオに追加することに決めました。そしてもう1つのヨーロッパ銘柄も新たに組み入れます。
その銘柄は、過去1年間で株価が30%上昇していますが、それでもなお優れたバリュー、配当、そして魅力的な分散効果を提供してくれる銘柄であると考えています。
アリアンツ(ALV)とは?ヨーロッパ市場におけるインカム成長とバリュー?
アリアンツ(ALV)は、ドイツに本社を置くグローバルな金融サービス企業であり、主に保険および資産運用を中核事業としています。主な事業セグメントは、「損害保険(Property & Casualty)」「生命・医療保険(Life & Health)」「資産運用(Asset Management)」の3つです。
同社は、保険契約による保険料収入、保険料を運用することで得られる投資収益、そして資産運用部門であるPIMCOおよびアリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)からの手数料収入を通じて売上を上げています。中でも損害保険部門が最大の収益源であり、それに生命・医療保険部門が続きます。資産運用部門は収益全体に占める割合は小さいものの、運用資産残高(AUM)に基づく安定的な手数料収入を生み出しており、アリアンツをバランスの取れた金融大手として支えています。
アリアンツ(ALV)の各事業セグメントにおける力強い成長モメンタム
2024年第4四半期において、アリアンツ(ALV)の総取扱高は459億ユーロとなり、前年同期比で16%増加、市場予想もやや上回る結果となりました。成長は幅広い分野で見られ、損害保険は11%増、生命・医療保険は22%増と好調でした。資産運用部門も、PIMCOとAGIを合わせた純流入額が170億ユーロに達し、成長に貢献しました。通年では、総取扱高が1,800億ユーロ、営業利益が160億ユーロとなり、それぞれ前年比で11%、9%の増加となりました。
(出所:アリアンツの2024年度第4四半期決算資料)
アリアンツ(ALV)の2025年に向けた前向きな見通し
アリアンツ(ALV)のの長期的な業績は2021年以降に著しく改善しており、主要なKPI(重要業績指標)の成長も加速しています。先行きを見据えると、アナリストは2025年の営業利益が172億ユーロを超え、前年比で7〜8%の増加になると予測しています。
高成長地域への戦略的投資や、リスクモデリング、商品のパーソナライズ、ポートフォリオ最適化といった分野におけるAIの活用を中心としたデジタル変革が、さらなる効率性の向上と利益率の改善を後押しすると期待されています。
(出所:アリアンツの2024年度第4四半期決算資料)
アリアンツ(ALV)の上昇余地を伴った魅力的なバリュエーション
(出所:Seeking Alpha)
堅調なファンダメンタルズにもかかわらず、アリアンツ(ALV)のの株価は依然として割安な水準にあると考えています。現在の株価は予想利益の10倍未満で取引されており、安定した利益成長と株主還元の拡大により、アリアンツは「バリュー」「インカム」「グロース」の魅力を兼ね備えた投資先であるように見えます。
さらに、現在では約4%の配当利回りも享受することができます。
(出所:Seeking Alpha)
アリアンツ(ALV)のテクニカル分析
(出所:TrendSpider)
たしかに現在のアリアンツ(ALV)株は買われすぎの状態にあり、週足のRSIはかなり高く、MACDも反転の兆しを見せています。
そのため、私はここで全体ポジションの3分の1程度から買い始め、今後は50%〜61.8%のフィボナッチ・リトレースメント水準付近、いわゆるターゲットボックスのあたりで追加購入する余地を残す戦略を取っています。
まとめ
堅固な財務基盤、増加する利益、そして株主に配慮した資本配分を背景に、アリアンツは引き続き同業他社を上回るパフォーマンスを発揮しています。
私はこの銘柄を「End Of The World(EoW)ポートフォリオ」に組み入れたいと考えています。その理由は、ヨーロッパ市場へのさらなるエクスポージャーを確保できることに加え、保険セクターへの分散も図れるからです。
この銘柄で一攫千金を狙えるわけではありませんが、安心して保有でき、夜もぐっすり眠れるような投資先であると考えています。
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1️⃣ YOLOポートフォリオの詳細
2️⃣ EOW(エンド・オブ・ザ・ワールド)ポートフォリオの詳細
・ EOW(エンド・オブ・ザ・ワールド)ポートフォリオとは?
3️⃣ スイングポートフォリオの詳細
4️⃣ マクロETFポートフォリオの詳細
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EOWポートフォリオ
スイング・ポートフォリオの最新動向
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
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