やや強気オープンドア・テクノロジーズオープンドア・テクノロジーズ / OPEN / 強気:最新の2023年3Q決算分析と今後の株価見通し・将来性(Opendoor)

- オープンドア・テクノロジーズ(OPEN)は、2023年11月2日に2023年第3四半期決算を発表しており、住宅ローン金利の高騰と不安定な住宅市場による課題が示されている。
- そして、同社は収益性の改善を重視し、買収と収益拡大戦略を縮小している。
- ZillowとeXp Realtyとの戦略的パートナーシップは、事業拡大と顧客サービスの強化を推進している。
オープンドア(OPEN)への投資テーマ
オープンドア(OPEN)は、非常に複雑な決算内容を発表した。
注目すべき悪いニュースは沢山あるが、その大部分は既によく知られたものである。
例えば、住宅ローン金利は非常に高く、住宅環境は不安定である。
このような環境に適応するため、オープンドアは、住宅取得と収益拡大戦略を如何なる犠牲を払ってでも中止し、現在は収益化改善に向けて真剣に注力している。
更に問題を複雑にしているのは、第4四半期のガイダンスが思わしくないことである。
しかし、私は、同社は、2024年に損益分岐点に達すると熱く語り続けている。
損益分岐点に達することで、この事業が倒産するという議論はようやく収束するだろう。
事業が上手く行こうが行くまいが、この段階では何の違いもない。
足元、同社にとって重要なことは、投資家が、同社に関する倒産リスクを考えるのを止めることである。
オープンドア(OPEN)の短期的な見通し
オープンドアの事業内容については誤解が多いので、3つの文章で簡潔に説明したい。
まず第一に、彼らは、家を売買するプラットフォームである。
そして、Zillow(Z)は広告プラットフォームであることから、競合ではない。
最後に、同社は、住宅の売買からスプレッドを獲得し、ビジネスを拡大しようとしている。
次に、同社の最近の業績は、厳しい不動産市場に対する弾力的なアプローチを示している。
株主書簡では、市場全体の不確実性について詳しく説明している。
そして、同社が、この厳しい市場環境をどのように乗り切ろうとしているのかについても言及している。
同社は、住宅取得を着実に増やし、価格システムとコスト構造の改善に注力することで、成長能力を示してきた。
特筆すべき点は、第3四半期の売上高が9億8000万ドルに達し、予想ガイダンスの範囲を上回ったことだ。
更に、同社は、12億ドルもの自由裁量で使用できるキャッシュを誇る強固なバランスシートを持っている。
なお、同社が抱えている負債は、同社の事業ではなく、その住宅に結びついている。
同社は、コストを管理し、健全な財務状態を維持するために戦略的なポジションをとっている。
ZillowやeXp Realtyとの提携を通じて、同社はリーチを拡大し、顧客へのサービスを強化し続け、不動産セクターにおける変革勢力としての地位をさらに強固なものにしている。
オープンドア(OPEN)の売上高成長率に関して
目覚ましい市場シェアの拡大と戦略的パートナーシップにもかかわらず、オープンドアは、ダイナミックな不動産情勢の中で、収益性を維持する上で顕著な課題に直面している。
更に、住宅ローン金利が22年ぶりの高水準となる8%まで大幅に上昇するなど、米国住宅市場の不確実性が、買い手の需要と市場のクリアランス率を圧迫している。
このような市場の変動により、オープンドアは、クリアランス目標を達成するために、住宅レベルのリスト価格を引き下げる等の調整を行い、その結果、第4四半期全体の貢献マージンの足を引っ張る結果となった。
更に、買い手と仲介業者の手数料体系に混乱が生じる可能性を含め、住宅市場の不確実性が続いていることが、同社のコスト構造に更なる課題をもたらしている。
とはいえ、私は、2023年はオープンドアにとって大きな目覚めの年になると強く信じている。
そして、2024年には、収益性プロフィールの改善に向けて、より一層気を引き締めることになると見ている。
オープンドア(OPEN)の注目すべき収益性プロファイル
これまで何度も述べてきたように、オープンドアのフリーキャッシュフローは季節によって非常に不安定だ。
物件の売り手が多く、オープンドアが住宅を購入しているときは、キャッシュが足を引っ張る。
しかし、同社がそれらの物件を売却すると、キャッシュが注入される。
同社は、投資家に貢献マージンを示すことで、この現金の流出入をスムーズにしている。
これは、同社が、住宅を売り買いすることで得られる利益の代理的な指標である。
しかし、この利益には、不動産に関連する利子は含まれるが、研究開発費や営業費用、同社への利子などその他の費用は含まれていない。
これは複雑な指標だと反論されるかもしれないが、これは、同社のビジネスの根本的な経済取引に関する指標である。
家の売買は、同社のコストの95%を占めることを考えると、注目すべき非常に重要な指標である。
大量の住宅を売買することで利益を上げれば、そのサイクルで事業は黒字になる。
第3四半期、同社の貢献利益は4,300万ドル、貢献マージンは4.4%だった。
これは単にポジティブということだけでなく、非常に素晴らしいことである。
というのも、事業が破綻するわけではなく、予定より早く進んでいることを示しているからだ。
同社は、2024年から貢献利益率4%を目指すと何度も述べている。
第4四半期を見てみると、同社の貢献マージンは2.2%程度になると予想されている。
これは、2023年第3四半期の4.4%から低下しているが、同時に、住宅ローンの金利が8%という途方もない水準にあるにもかかわらず、オープンドアが住宅売買で利益を上げられることを示している。
私は、これが唯一にして最高のニュースだと思っている。
このビジネスは、ひどい市場環境下でも利益を上げることができるのである。
その為、どこかの時点で、金利は僅かにでも下がれば、不動産市場の市況は劇的に改善するだろう。
一方で、同社が、第4四半期ガイダンスにおいて、EBITDAマージンがマイナス13%となることを予想し、これまでの苦労が水の泡になることを示唆しているのは残念な点である。
これは、昨年第4四半期に報告されたマイナス12%のEBITDAマージンよりも若干悪い内容であり、これは避けられない真実である。
私の強い信念では、オープンドアは、2022年に高額で購入した物件を全て処分し、2024年はより良いポートフォリオでスタートしたいと考えているはずである。
オープンドア(OPEN)の損益分岐点フリー・キャッシュ・フローに関して
オープンドアは、2024年上半期の厳しい目標であった、ブレークイーブン・フリー・キャッシュ・フローを後ろ倒しした。
そして、彼らは、現在、7%近い貢献マージンで、毎月2,200件の取得と再販が必要だとしている。
一方で、現在の取得件数は月1,045件で、貢献マージンは2%程度である。
とはいえ、オープンドアは、決算説明会でこの点を下記の様に明確にしようと努めている。
「2024年、私達は、成長、マージン、リスクのバランスを継続して取り、リアルタイムで主要な指標をモニターします。一方で、現在のスプレッド、パートナーシップ・チャネルの拡大、2024年前半の費用対効果の高いマーケティング投資の計画などを考慮すれば、ここからボリュームを倍増させることは達成可能だと考えています」。
つまり、フリーキャッシュフローのブレークイーブンは2024年に実現するものの、2024年上半期までに実現するのは難しいということのようだ。
オープンドア(OPEN)に対する結論
オープンドアの最近の決算報告は、住宅ローン金利の高騰や不安定な住宅市場に起因する様々な課題を抱えており、複雑な結果となった。
こうした逆風にもかかわらず、同社は、戦略的に収益性重視のアプローチに転換し、より慎重な財務路線を優先して買収や収益拡大戦略を抑制している。
ZillowおよびeXp Realtyとの戦略的パートナーシップは、事業拡大と顧客サービスの強化を推進し、長期的展望を強めている。
今後の展望として、オープンドアは引き続きバランスの取れたアプローチに努め、市場の不確実性を乗り越え、取扱高の増加、スプレッドの最適化、戦略的マーケティング投資を通じて、2024年に損益分岐点の収益性を達成するよう努力するだろう。
上述の課題にもかかわらず、オープンドアの回復力、財務の安定性、戦略的ビジョンは、不動産市場において説得力のある力として位置づけられている。
以上をまとめると、損益分岐点への到達は2024年の後期、つまり、あと12カ月先までずれ込むことが想定されるが、私は同社株式に強気で見ている。