強気ペプシコペプシコ(PEP)予想配当利回り3%・配当性向65%:最新の2024年1Q決算まとめ&財務分析と今後の株価予想・将来性
- ペプシコ(PEP:予想配当利回り3.26% / 配当性向65%)は、スナックと飲料の世界的リーダーであり、ペプシ、マウンテンデュー、ゲータレードなどのブランドを所有し、売上の約55%をスナック、残りを飲料が占めている。
- 同社の2024年第1四半期決算では、EPSが前四半期比で減少したが、長期的には過去5年間のEPS成長率が6.60%、過去10年間で5.20%と成長を続けている。
- 財務パフォーマンスでは、過去5年間のROICの中央値が11.63%であり、安定した経済価値の創造と強力なROEを示しており、過去5年間の配当成長率は6.50%と持続的な成長を見せている。
- また、同社は過去52年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
ペプシコ(PEP)の概要
セクター:飲料(ノンアルコール)
現在の株価:166ドル
時価総額:2288.7億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:192.45ドル
安全マージン:13.49%
過去5年間の配当成長率:6.50%
次回配当落ち日:2024年6月7日
次回配当支払い日:2024年6月28日
予想配当利回り:3.26%
過去5年間の売上高成長率:8.40%
過去10年間の売上高成長率:4.60%
ペプシコ(PEP:予想配当利回り3.26% / 配当性向65%)はスナックと飲料の世界的リーダーで、ペプシ、マウンテンデュー、ゲータレード、レイズ、チートス、ドリトスなど、よく知られた家庭用ブランドを多く所有している。
同社は世界のスナック市場を支配しており、また、炭酸飲料(CSD)、水、スポーツドリンク、エナジードリンクなど多角的な事業展開で、コカ・コーラ(KO)に次ぐ世界第2位の飲料メーカーでもある。
一方で、コンビニエンス食品関連が総売上の約55%を占め、残りを飲料が占めるという構図となっている。
また、同社は米国と海外共に製造・販売能力を所有しており、海外市場は総売上高の40%、営業利益の3分の1を占めている。
そして、同社は2024年4月23日に2024年度第1四半期決算を発表している。
ペプシコ(PEP)の収益と成長に関して
ペプシコ(PEP)の2024年度第1四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.61ドル(前四半期:1.78ドル)、希薄化後のEPSは1.48ドル(前四半期:0.94ドル)となっており、前四半期と比較すると、非経常損益項目を除くベースでのEPSは小幅に減少する一方で、希薄化ベースでは上昇するという着地となっている。
また、1株当たり売上高は13.225ドルと、前四半期の20.18ドルと比較して大きく減少しているが、前年同期の12.90ドルを上回る着地となっている。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は6.60%で、過去10年間の年平均成長率は5.20%となっており、足元、成長のペースがやや加速しているようにも見える。
また、今後10年間の同社業界の成長率予想はプラスであり、同社は業界の成長を活用するのに適したポジションに位置していると見ている。
ペプシコ(PEP)の財務パフォーマンスに関して
ペプシコ(PEP)は過去5年間一貫した財務パフォーマンスを示しており、過去5年間のROIC(投下資本利益率)の中央値は11.63%で、過去5年間のWACC(加重平均資本コスト)の中央値の5.07%を上回っており、同社が株主のために経済的価値を継続して創出し、安定した業績を達成してきたことを示している。
また、同社の足元のROICは12.96%となっており、WACCの5.99%を上回っていることから、プラスの経済価値を生み出す能力をさらに裏付けている。
加えて、ROE(自己資本利益率)も好調で、過去5年間の中央値は50.90%であり、効率的な資本配分と株主への高いリターンを示していると言える。
さらに、同社の財務パフォーマンスを過去の最高・最低水準と比較すると、現在のROE 50.42%は比較的高水準にあると言え(10年来の最高水準は98.52%)、全体として力強いROEを示しているように見える。
足元の12.96%のROICも10年間の中央値である11.88%を上回っており、継続した資本コストを上回る業績を持続していることを示唆している。
全体として、安定した収益性、効率的な資本配分、継続的な経済価値の創造は、ペプシコの好調な財務パフォーマンスを示していると言える。
ペプシコ(PEP)の配当に関して
ペプシコ(PEP)の過去5年間の配当成長率は6.50%で、過去3年間の配当成長率は7.10%と継続してプラスの成長を示しており、さらに、同社は過去52年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
また、足元の予想配当利回りは3.26%で、投資家にとって配当を通じて適切なリターンを提供していることを示している。
さらに、配当性向は65%と比較的健全で、同社が配当支払いを維持できる実績を達成していることを示唆している。
しかし、EBITDA純有利子負債倍率は2.89倍と理想的な範囲を小幅に上回っており、これは、EBITDAに比べてやや負債が多いことを示しており、今後の財務の柔軟性と成長機会への投資能力に影響を与える可能性がある点にはご留意いただきたい。
全体として、ペプシコの配当支払いにおける成長の実績は称賛に値するが、投資家は同社の財務の健全性と配当支払いの持続可能性を見極める上で、EBITDA純有利子負債倍率の水準を今後も注意深く監視することが必要であろう。
予想配当利回り:3.26%
配当性向:65%
配当カバレッジ・レシオ:1.31
過去5年間の配当成長率:6.50%
EBITDA純有利子負債倍率:2.89倍
ペプシコ(PEP)のバリュエーションに関して
ペプシコ(PEP)の現在の株価は166.48ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である192.45ドルより低い水準となっていることからも、同社株価が割安であることを示唆している。
一方で、実績PERは25.03倍となっており、株価が収益に比べて相対的に割高であることを示唆している。
また、株価売上高倍率は2.5倍となっており、投資家が同社の売上高1ドルにつき2.50ドルを支払うことを望んでいることを示している。
さらに、EV/EBITDA倍率も16.75倍となっており、業界平均よりやや高く、EBITDAに基づいた場合、同社のバリュエーションが高いことを示している可能性がある。
ただし、予想PERは20.44倍となっており、株価が将来の収益性に対して、低い倍率(割安)で取引されることを示唆している。
以上より、ペプシコのバリュエーション指標は、予想PERベースでのバリュエーションには割安感があるが、実績ベースの指標においてはやや割高に映り、また、業界平均や過去の平均と比較してもやや割高なバリュエーションも示唆するといった混在した状況を示している。
ペプシコ(PEP)のリスクとリターンに関して
ペプシコ(PEP)のリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、営業利益率は低下傾向にあり、過去5年間の平均年率は-2.8%となっている。
一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが8となっており、財務状況が非常に健全であることを示唆し、また、ベニッシュのMスコアが-2.6となっていることからも、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示している。
さらに、PBRと予想PERの水準は、それぞれ足元のの低水準に近く、潜在的な割安感を示している。
また、同社は予測可能な増収増益を継続的に達成しており、加えて、予想配当利回りは3年ぶりの高水準に近い水準となっている。
さらに、アルトマンのZスコアは3.96と高く、倒産リスクの低さを示していると言える。
ペプシコ(PEP)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ペプシコ(PEP)は、過去12ヵ月間の間、インサイダーによる同社株式の買い付けはなかったが、インサイダーによる同社株式の売却が5件確認されている。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.47%である点にはご留意いただきたい。
一方で、機関投資家の同社株式の保有比率は43.49%と高く、機関投資家が同社株式において大きな存在感を示していることが伺える。
さらに、この構図からは、インサイダーが機関投資家に比べて同社の将来の業績にそれほど自信を持っていないことを示唆している可能性がある。
以上より、市場の投資家は、今後もペプシコの経営陣や取締役のセンチメントを測るため、継続してインサイダーの動きにも注目すべきだろう。
ペプシコ(PEP)の流動性に関して
ペプシコ(PEP)の直近営業日の1日の出来高は3,458,738株で、また、過去2カ月間の1日平均出来高は5,059,990株となっており、同銘柄には一貫した取引活動があることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は39.81%で、取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
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