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08 - 04 - 2024

中立
プロクター・アンド・ギャンブル
中立
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の現在の株価は165.92ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である159.28ドルを小幅に上回っていることからも、やや割高であるように見えます。
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プロクター・アンド・ギャンブル(PG)配当金は1.0065ドル!最新の2024年4Q決算分析を通じて将来性に迫る!

イアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、プロクター・アンド・ギャンブル(PG:予想配当利回り2.42%・配当性向58%・1株当たり配当金1.0065ドル)の2024年7月30日に発表された最新の2024年度第4四半期決算と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • 同社は世界有数の消費財メーカーとして、強力なブランド力と革新的な製品開発に基づく競争優位性を持ち、長期的な安定した成長を遂げています。
  • 2024年第4四半期決算では、前四半期比でEPSは減少しましたが、1株当たり売上高は上昇するという着地となっております。
  • さらに、同社は68年間連続で増配を行い、米国株式市場において配当王の一角を担い続けており、予想配当利回り2.42%、配当性向58%と持続可能な配当政策を維持し、配当収入を求めるインカム投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の概要


レーティング:中立

バリュエーション:フェアバリュー並み

リスクレベル:低リスク


セクター:消費者向けパッケージ商品

現在の株価:165ドル

時価総額:3910.9億ドル

弊社算出の1株当たり本質的価値:159.28ドル

安全マージン:-4.16%

過去5年間の配当成長率:6.10%

前回配当落ち日:2024年7月19日

次回配当支払い日:2024年8月15日

予想配当利回り:2.42%

過去5年間の売上高成長率:5.60%

過去10年間の売上高成長率:3.80%

プロクター・アンド・ギャンブル(PG:配当王・予想配当利回り2.42%・配当性向58%・1株当たり配当金1.0065ドル)は、世界有数の消費財メーカーであり、世界中の消費者に日用品や家庭用品を提供しています。

1837年に設立され、長い歴史を持つ同社は、現在180カ国以上で事業を展開しています。

同社のポートフォリオには、アリエール、パンテーン、ジレット、オーラルB、タイドなどの著名なブランドが含まれており、これらのブランドは多くの国で圧倒的な市場シェアを誇っています。

同社のビジネスモデルは、強力なブランド力と革新的な製品開発に基づいています。特に、R&Dに多大な投資を行い、消費者ニーズに応じた新製品を次々と市場に投入する能力が同社の競争優位性を支えています。これにより、同社は業界内での先駆者としての地位を維持しています。

財務状況においては、継続して堅調な業績を示しています。特に、新興市場での成長が業績を支える要因となっています。また、営業利益率は20%を超えており、業界平均を上回る水準です。健全な財務体質により、同社は安定した配当を支払う企業としても知られており、実際に同社は過去68年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っています

最近の重要な動きとして、同社は2024年にスキンケア企業を買収し、美容部門を強化しました。この買収により、高級スキンケア市場へのアクセスを拡大し、収益源の多様化を図っています。このような積極的な買収戦略は、同社が競争の激しい市場で持続可能な成長を追求するための重要な要素です。

そして、同社は2024年7月30日に2024年第4四半期決算を発表しています。


プロクター・アンド・ギャンブル(PG)最新の2024年第4四半期決算に関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGは、2024630日に終了した最新の2024年度第3四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPSEPS without NRI)は1.45ドル(前四半期:1.52ドル)、希薄化後のEPSは1.27ドル(前四半期:1.52ドル)、また、1株当たり売上高も8.305ドル(前四半期:8.169ドル)と、非経常損益項目を除くベースでのEPS希薄化後のEPSは前四半期比で減少している一方で、1株当たり売上高上昇するという着地となっています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.40%で、過去10年間の年平均成長率は6.50%となっており、中長期的に継続して成長を実現しており、特に足元の成長が緩やかながら加速していることが分かります

また、市場のアナリストは、今後10年間は消費財の需要増に牽引され、同社業界は安定した成長を遂げると予測しています。

以上より、最新の2024年第4四半期決算におけるEPSは若干落ち込んだものの、プロクター・アンド・ギャンブルの一貫した収益成長と過去の年平均成長率における実績は、市場における同社の安定した地位を示していると言えます。

※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値


プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の財務パフォーマンスに関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGの財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

まず、同社の過去5年間の業績は一貫しており、過去5年間のROICの中央値は13.30%、過去5年間のROCの中央値は85.98%で、同社の投下資本に対するリターンが高いことを示しています。

また、同社のROEの水準も目覚ましく、過去5年間の中央値は30.80%となっており、過去1年間のROEは30.54%とやや低いが、それでも健全な範囲内であると言えます。

一方で、同社のWACCは過去5年間比較的安定しており、過去5年間の中央値は5.11%となっています。

これは、過去5年間のROICの中央値である13.30%が示すように、同社が資本コストを上回るリターンを継続して実現できていることを示唆しています。

全体として、継続的にROICがWACCを上回っていることから、プロクター・アンド・ギャンブルの財務パフォーマンス指標は、同社が株主に対して経済的価値を継続して生み出すことに成功していることを示していると言えます。

そして、この継続的な経済的な価値の創出は、同社の長年にわたる一貫したROEとROCの数値によってさらに裏付けられていると言えます。


プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の配当に関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGの過去5年間の配当成長率は6.10%で、過去3年間の配当成長率は5.70%となっており、一貫した配当の成長を実現しています。

さらに、同社は過去68年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っています。

また、同社の現在のEBITDA純有利子負債倍率は1.44倍となっています。

理想的には、当倍率が2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すことからも、現在の倍率は同社の財務リスクが比較的低く、債務返済能力が高いことを示しています。

さらに、1株当たり配当金1.0065ドルとなっており、予想配当利回りは2.42%、配当性向は58%となっていることから、同社が株主への価値還元と将来の成長のための利益の再投資の健全なバランスを保持していること示しているように見えます。

一方で、現在の配当性向の水準を過去の水準と比較すると、下記のチャートからも分かる通り、現在は過去の最高水準と比較してフラット、或いは、やや低い水準となっており、より持続可能な配当政策を示唆していると言えます。

加えて、過去の予想配当利回りを見ると、同社の現在の予想配当利回りである2.42%は、過去10年間の最高値と最低値の範囲内にあり、長期間にわたる配当パフォーマンスの安定性を示しています。

全体として、プロクター・アンド・ギャンブルの配当成長率と、EBITDA純有利子負債倍率で示される財務の安定性は、定期的、かつ、安定した配当収入を求めるインカム投資家にとって、同セクター内で同社を魅力的な配当銘柄としているように見えます。

予想配当利回り:2.42%

配当性向:58%

配当カバレッジ・レシオ:1.57倍

過去5年間の配当成長率:6.10%

EBITDA純有利子負債倍率:1.44倍

※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

Dividend Yield:予想配当利回り

※Dividend Payout:配当性向

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プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のバリュエーションに関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGの現在の株価は165.92ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である159.28ドルを小幅に上回っていることからも、やや割高であるように見えます。

また、実績PERは27.56倍で、PEGレシオは1.59倍となっていることからも、株価がやや割高である可能性を示しています。

さらに、株価売上高倍率は4.88倍で、EV/EBITDA倍率は18.27倍となっており、これらの指標を過去の水準と比較すると、現在の株価が比較的高いバリュエーションで取引されていることを示唆しています。

加えて、予想PERも23.85倍となっており、予想収益に対して株価が割高である可能性を示しています。

そして、これらの指標を過去5年間の平均、過去10年間の平均、さらに業界平均と比較すると、現在の株価は割高で取引されているように見えます。

以上より、投資家はプロクター・アンド・ギャンブルへの投資判断を下す前に、他の要因とともにこれらのバリュエーション指標を考慮すべきでしょう。

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プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のリスクとリターンに関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まずマイナス面では、同社は過去3年間で24億ドルの長期債務発行を実施しており、サイズ感からはまだ許容範囲と考えられるものの、同社の今後の債務水準を継続的に監視する必要があるように見えます。

また、足元、87,186株のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている一方で、インサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていないことから、インサイダーが同社株式の今後の見通しに対して自信を持っていない可能性があります。

さらに、現在の株価水準は最高値圏にあり、4.88倍の株価売上高倍率も過去10年間でも高水準にあることから、割高感を示している可能性があります。

一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアが7で非常に健全な状 況を示し、さらに、ベニッシュのMスコアが-2.59であることからも、同社が利益操作を行っている可能性は低いことが分かります。

さらに、営業利益率が拡大していること、アルトマンのZスコアが4.39と高いこともポジティブであると言えます。

加えて、PBRは7.69倍で、1年ぶりの低水準に近づいていることからも、割安な投資機会の提供を示唆している可能性があります。

全体として、高水準の負債発行やインサイダーによる同社株式の売却といった赤信号はあるものの、同社の強固な財務健全性と良好な財務指標は安心感を与えてくれる内容であると言えます。

投資家は、株価水準と株価売上高倍率に基づく割高の可能性を考慮しつつ、負債水準とインサイダー活動を今後も注意深く監視すべきでしょう。


プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のインサイダー取引分析では、過去12ヵ月間に48件のインサイダーによる同社株式の売却取引が確認されている一方で、インサイダーによる同社株式の買い付けはゼロとなっています。

そのため、同社の取締役および経営陣の間で同社株式の売却が活発に行われている傾向が顕著であり、同社の役員や経営陣の間で同社の今後の見通しに関して弱気なセンチメントがある可能性を示唆しています。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに0.29%である点にはご留意ください。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は65.53%と非常に高く、機関投資家が同社株式に強い存在感を示していることが分かります。

このことは、インサイダーによる売却活動にもかかわらず、プロの機関投資家が同社の今後の株価見通しに対してポジティブな見通しを維持していることを示唆している可能性があります。

全体として、機関投資家の保有比率の高さは、インサイダーによる売却トレンドから生じるネガティブなセンチメントを相殺する内容であるように見えます。


プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の流動性に関して

プロクター・アンド・ギャンブル(PGの流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は3,404,480株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は6,559,379株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は53.03%となっており、取引活動の半分以上の部分がダークプールで行われていることを示しています。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。

全体として、プロクター・アンド・ギャンブルは流動性が高く、一貫した取引活動が行われているように見えます。


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