強気ペイパルペイパル(PYPL)の将来性とは?最新の決算とバリュエーションを踏まえてポートフォリオへの組み入れを決定!

- 本稿では、注目の米国フィンテック銘柄であるペイパル(PYPL)の2023年11月1日に発表された最新の2023年第3四半期決算の分析を通じて、同社の将来性を詳しく解説していきます。
- 最新の決算発表と足元の割安なバリュエーションを踏まえて、同社に「強気」で見ており、新たにポートフォリオに組み入れることにしました。
- 同社の短期的な見通しは、収益性の高い成長の推進と、同社の強力な既存アセットの活用に焦点を当てています。
- 同社のバリュエーションは、足元、既に著しく低下していることから、プラスのリターンが期待できる魅力的な投資先であると考えています。
サマリー
私は、ペイパルを、自身のポートフォリオに新しく追加し、結果、全ポートフォリオの3%程度を占めることとした。
今週初めに、アーチ・リソーシズ(ARCH)を売却し、ペイパルを追加した現在、未だ、もう1銘柄を追加するための余剰資金が残っている状況である。
ペイパル(PYPL)への投資テーマ
ペイパル(PYPL)は、水曜日、冴えない決算報告を発表した。
それにもかかわらず、私がこの株をポートフォリオに組み入れたのはなぜか。
私の経験から、しばしば、ペイパルのようなグローバル・ブランドは株価調整を迎え、その後、EPSの10倍程度まで下がったタイミングで、魅力的な投資対象になる傾向がある。
今後12か月間を見据えた場合、私はペイパルの株価倍率の安定性に注目している。
私の唯一の懸念事項は、ペイパルの株価倍率の一層の下落であるが、個人的には、一層の低下は起きないと考えており、その理由をこれから説明したい。
ペイパル(PYPL)の短期的見通し
ペイパルの短期的な展望は、コストベースを効率的に管理しながら、収益性の高い成長を推進することにあるようだ。
同社の経営陣、特に直近9月末付でCEOに就任したアレックス・クリスは、自動化とコスト管理を通じて業務を合理化しつつ、成長イニシアチブへの投資を優先する必要性を強調している。
同社は、注意を払う必要がある課題や分野を常に認識しながらも、世界的に認知されたペイパルのプラットフォームや、Venmo(ベンモ)の人気、優れたデータ機能などの強力な既存資産を活用して、カスタマー・エクスペリエンスを向上させ、事業の成長を促進する決意を固めているようである。
トランザクション利益の成長率を改善し、Venmoの受け入れを拡大することに重点を置いていることから、ペイパルは、短期的な課題を乗り切り、将来的に持続可能な成長を遂げる態勢を整えていることが伺える。
ペイパル(PYPL)の売上高成長率は10%台後半で安定
ペイパルは、早急な対応が必要な幾つかの課題に直面している。
重要な課題の一つは、最もインパクトのある機会に組織を集中させ、重要なイニシアティブに優先順位をつける必要性である。
更に、同社は、トランザクション利益の成長率が低下していることを認め、来四半期の収益見通しを下方修正しており、現在の事業環境に照らして慎重な姿勢を示している。
このペイパルの慎重な見通しは、今後、収益性の高い成長の勢いを維持する過程で、障害に遭遇する可能性があることを示唆しており、これらの課題に対処するための戦略的調整が必要であることを意味している。
そして、具体的には、事業は1桁台後半で成長し続けることが予想されている。
では、なぜ、今ペイパルに投資すべきなのか。
新しい経営陣が会社にやってくると、彼らは変化を起こしたくなるものである。
また、遅かれ早かれ、彼らは自らの証を残さなければならない。
この変化が最終的にプラスに働くかどうかは、私には見当もつかないが、今後12ヶ月の間に変化が訪れるという点では、皆さんにも同意していただけると思う。
そして、投資家の期待が今どこにあるのかを踏まえると、私は、今がペイパルをポートフォリオに組み入れる良いタイミングだと考えている。
ペイパル(PYPL)のバリュエーション:低下する株価倍率(マルチプル)
ペイパルのNon-GAAP EPSは5ドル近くになろうとしている。
更に、ペイパルには、約110億ドルの現預金があり、投資ポートフォリオを含めると150億ドル強になる。
そして、これの現預金は、110億ドルの負債に対するものである。
従って、ペイパルは、年間約50億ドルのフリーキャッシュフローを生み出す能力があるだけでなく、非常に強固なバランスシートを持っている。
つまり、ペイパルが直面している問題は、市場シェアの不足ではない。
或いは、フリーキャッシュフローの生み出し方が分かっていないということでもない。
ペイパルが直面している問題は、投資家の期待値の問題だと認識している。
とはいえ、私は、ペイパルが2024年に6ドル近いEPSを稼ぐと信じ続けており、これはアナリストの予想よりも高い。
しかし、私が正しいか、或いは、アナリストの予想が現実に近いかはともかく、ペイパルの株価は、現在、来年のEPSの10倍の価格で取引されている。
私は、自身の仮説がポジティブに作用するために、ペイパルの株価倍率の再評価(切り上げ)を期待しているわけではない。
私は、ペイパルの株価倍率が、今後も10倍前後のフリー・キャッシュ・フローを維持し、更にこの水準から低下することがなければ、この銘柄はプラスのリスク・リターンを提供すると主張しているだけである。
そして、ペイパルの株価倍率は既にかなり低下している。
僅か12カ月前、投資家はペイパルに現在の2倍の株価倍率を支払うことを望んでいたからである。
投資家がペイパルの株価倍率を少しでも高く再評価すれば、それは喜ばしいことだが、私の投資がプラスのリターンを得るために、必ずしもバリュエーションの切り上げが起きる必要はないと考えている。
ペイパル(PYPL)への結論
ペイパルの現在のバリュエーションを踏まえ、特にその強固なバランスシートと一貫したフリーキャッシュフローを考慮すると、株価が魅力的な価格であることが分かる。
投資家の期待値は低く、市場は既に低下した株価倍率を反映しているため、ポジティブなセンチメントが株価のパフォーマンスを牽引する余地は十分にある。
私には、同社が戦略的な変革の実行に照準を合わせる中、現在の市場予想を上回り、今後1年間に投資家に魅力的なリターンを提供する態勢を整えているように映る。