強気ルーブリック【サイバーセキュリティ】ルーブリック(RBRK)今後の株価見通しは良好!注目のIPO銘柄の最新の決算分析を通じて将来性に迫る!
ジェームズ・ フォード- 本稿では、注目の米国サイバーセキュリティ銘柄であるルーブリック(RBRK)の最新の2025年度第1四半期(暦年:2024年第1四半期)決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- ルーブリックはデータレジリエンスと可観測性、修復に特化したサイバーセキュリティ・テクノロジーを提供し、6000以上の顧客を抱えています。
- 2025年度第1四半期決算では1億8700万ドルの売上高を報告し、AI駆動のレジリエンスとゼロトラストデータセキュリティモデルにより同社の顧客のサイバー攻撃からの迅速な回復を支援しています。
- 同社は収益性の課題にも直面しながらも、2027年までに530億ドルのTAMを目指しており、競合他社との差別化と強力な成長の可能性を示しています。
ルーブリック(RBRK)を取り巻く機会
AI/サイバーセキュリティの分野は、今後数年間で巨大な市場になると見ています。私たちが使用しているあらゆるものがクラウドに移行しており、これにより個人や企業がサイバー攻撃の脅威にさらされることになります。
そして、このことは、すでに今日目の当たりにしています。
※Compromises:情報漏洩・セキュリティー侵害数
※Victims:犠牲者数
Identity Theft Resource Centerの報告によると、2024年第1四半期に米国で発生したデータ漏洩の件数は、前年同期と比較してほぼ倍増しているとのことです。
ルーブリック(RBRK)の概要
ルーブリック(RBRK)は、データのレジリエンス、可観測性、および、修復に重点を置いたサイバーセキュリティ・テクノロジーに特化しています。
そして、同社のセキュリティクラウドプラットフォームは、サイバー攻撃後のデータの保護と回復を支援しています。
6,000以上の顧客を抱え、2027年までに530億ドルのTAM(獲得可能な最大市場規模)をターゲットとし、サブスクリプション経由のARR(年間経常収益)を1億5300万ドルからほぼ10億ドルに成長させることを目指しています。
これらの目覚ましい成長にもかかわらず、同社は収益性の課題に直面しており、株式ベースの報酬や現金の消耗が大きな要因となっています。
一方で、データのバックアップとAI駆動の回復力に焦点を当てた差別化されたアプローチにより、パロアルトネットワークス(PANW)やゼットスケーラー(ZS)のような競合他社に対して独自の立場を築いています。
ルーブリック(RBRK)は何をしているのか?
2014年の設立以来、ルーブリック(RBRK)はサイバーセキュリティの専門家として世の中に貢献しています。同社のセキュリティプラットフォームは、データのレジリエンス(攻撃に耐えられるデータの確保)、データの可観測性(内部システムの健全性の監視)、および、データの修復(エラーや不整合のないデータの確保)という3つの主要な目的に焦点を当てた多様な機能を提供しています。
同社は、世界のデータを保護するために設計されたセキュリティクラウドプラットフォームを提供しており、急速なデータの増加、AIの進展、厳格な規制、および増加するサイバー攻撃に対処するために重要な役割を果たしています。
サイバー攻撃の避けられない現実を認識し、同社はゼロトラストデータセキュリティモデルを開発し、サイバー・レジリエンスを確保し、組織がクラウドでデータを保護し、攻撃から迅速に回復できるようにしています。ルーブリック・セキュリティ・クラウド(RSC)は、クラウドネイティブのSaaSプラットフォームであり、データセキュリティリスクを検出、分析、および、緩和します。
これらのソリューションは、サイバー攻撃を防ぐだけでなく、攻撃後の迅速な回復に必要なレジリエンスとツールも提供します。現在、同社のプラットフォームは6,000以上の顧客に利用されており、そのうち年間定期収益が100万ドルを超える顧客は約100社に上ります。これにより、同社のプラットフォームの高いネットプロモータースコアと強力な機能が証明されています。
これは、同社が競合他社と一線を画す要因の一つとなっています。
ルーブリック(RBRK)の最新の2025年度第1四半期決算
ルーブリック(RBRK)には確かに魅力的な成長ストーリーがあります。
わずか3年前、同社のサブスクリプションARRは1億5300万ドルであり、それ以来5倍に成長しました。 同社は、TAMが360億ドルに達し、2027年までに530億ドルに達すると予測しています。そして、データ管理とセキュリティに重点を置き、データ保護とランサムウェアからの回復を確保し、サイバー・レジリエンスを提供することに注力しています。
最新の2025年度第1四半期決算では、同社は1億8700万ドルの売上高を報告し、年間換算では7億5000万ドル弱となります。年間換算されたサブスクリプション経由の売上高は6億8900万ドルとなっており、今後12か月間に契約されるサブスクリプション経由のARRが同社のさらなる成長の可能性を示しています。
しかしながら、収益性が最大の課題となっています。
投資家は、同社が2025年第1四半期に株式ベースの報酬として6億4000万ドルを報告し、大きな損失を計上したことを嫌っています。対して、第1四半期の同社の営業活動からのキャッシュバーンはわずか3,100万ドルにとどまり、コアビジネスの健全性を示していると言えます。
同社は、2025年会計年度の終了時までにARRがほぼ10億ドルに達することを目指しています。この目標は、四半期ごとのARRが2億5000万ドルに達し、メンテナンスやその他の売上高から1500万ドルが補完され、四半期ごとの総売上高がほぼ2億6500万ドルに達することを意味します。総利益率が75%である場合、このARRは約1億8800万ドルの総利益を生み出すと予想されます。現在の四半期の営業費用は2億3400万ドルであり、その中には6100万ドルのR&D(研究開発)費用、1億3900万ドルのセールス・マーケティング費用、3400万ドルのG&A(一般管理費用)が含まれます。
私がルーブリック(RBRK)を好きな理由
ルーブリック(RBRK)は、2027年までに530億ドルに達すると予想される大きな成長中のTAMをターゲットとしています。新興テクノロジー企業の株式への投資をする上で重要なルールの1つとしては、十分に大きな市場をターゲットにしていることを確認することであり、同社はこの基準を明確に満たしています。
同社のセキュリティアプローチは、パロアルトネットワークス(PANW)やゼットスケーラー(ZS)のような、サイバー攻撃の防止に焦点を当てた、より認知度の高いセキュリティベンダーとは異なります。代わりに、同社は企業データのバックアップとサイバー攻撃時のレジリエンスの計画に特化しています。
そして、同社は大規模な成長を示しています。ARRが10億ドルに近づいている中でも、同社はサブスクリプション経由の売上高を前年比で40%以上増加させ続けています。これは強力な実行力と広大な市場機会を示していると言えます。
AIの成長による追い風も同社の見通しを後押ししています。AIと大規模言語モデル(LLM)は膨大なデータ量を必要とするため、同社のデータバックアップにおけるコアコンピタンスは、予期せぬ障害に対する回復力を確保するためにますます重要になります。
同社によれば、現在では360億ドルのTAMが、13%の年平均成長率(CAGR)で成長するとのことです。
AIはこのセクターの重要な成長ドライバーであり、大規模言語モデルは膨大なデータ量を必要とします。もしサイバー攻撃が基礎となるデータレイクを破損した場合、AIアプリケーションは機能しなくなります。
ルーブリック(RBRK)のバリュエーション
ルーブリック(RBRK)の現在の株価は約34ドルで、時価総額は61億ドルです。最新のバランスシートに基づき、IPO経由の調達額を含む6億630万ドルの現金と2億9710万ドルの債務を考慮すると、企業価値は57億9000万ドルになります。
最新の2025年度第1四半期決算では、同社は営業キャッシュバーンがマイナス3140万ドルであることを報告しました。360万ドルの資本支出を含むと、フリー・キャッシュフロー・バーンはマイナス3500万ドルでした。このバーンレート(会社経営をする上で消費されるコスト)では、同社の現金は足元の損失率を改善せずとも4年以上持続し、また債務を現金と相殺した場合でも、約2年は持続することになります。同社の2025年度の年間ガイダンスは、マイナス9500万ドルからマイナス1億1500万ドルのバーンの範囲を示しており、最近の四半期のバーンレートであるマイナス3500万ドルよりもわずかに改善していることが分かります。
上記のガイダンスに基づくと、同社のバリュエーションは、EV(企業価値)/ 売上高倍率において、2025年度の予想売上高ベースでは7.1倍、2026年度の予想売上高ベースでは5.5倍となっています。
これは、サイバーセキュリティ業界の他の企業と比較して非常に割安に見えます。たとえば、クラウドストライク(CRWD)のEV/売上高倍率は26倍で、ゼットスケーラー(ZS)のEV/売上高倍率は15倍となっています。
これらはより成熟し、収益性のある企業ですが、ルーブリックも同様にそれらの大手企業のマイルストーンを達成し、今後数年間でEV/売上高倍率において10倍に近い倍率を達成する可能性があると見ています。
ルーブリック(RBRK)を取り巻くリスク
この新規IPO銘柄であるルーブリック(RBRK)への投資に関するリスク要因は多岐にわたります。主な問題はバリュエーション、成長率、および、継続しているビジネス運営における損失です。さらに、競争リスクも顕著であり、他の企業が同社の市場に参入しています。そして、ルーブリックのソフトウェアソリューションの競争力や機能性が他のセキュリティプロバイダーのものと比較してどうかという懸念もあります。
小さいながらも重要なリスクには、マイクロソフト(MSFT)のAzureやアマゾン(AMZN)のAWSのようなサードパーティのクラウドプロバイダーへの依存が含まれます。また、主に小規模なクライアントを対象とする間接チャネルプラットフォームへの依存もあります。ガバナンスの観点からは、デュアルクラスの株式構造も追加の懸念材料となり得ます。
ルーブリック(RBRK)に対する結論
結論として、ルーブリック(RBRK)の急速な成長とデータのレジリエンスと回復に焦点を当てた革新的なアプローチからも、同社は530億ドルの拡大する潜在市場において良好な位置にあると見ている。
収益性や激しい競争に関連する課題にもかかわらず、同社の差別化されたソリューションとAI駆動のレジリエンスに対する戦略的焦点は大きな可能性を秘めていると考えています。
現在の財務状況は改善の余地を示しているものの、同社の強力なARRの成長と戦略的な市場におけるポジショニングは有望な長期的見通しを示唆していると見ています。投資家は同社に関する固有のリスクを考慮すべきですが、同時に、同社のユニークな価値提案と市場機会が、同社の将来のさらなる成長を期待させる要素として魅力的に映るかもしれません。
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
📍米国マクロ経済&テクノロジー担当
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