12/07/2024

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ルーブリック
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ルーブリックは年間経常収益(ARR)が10億ドルを超え、前年比38%の成長を達成しており、これは同社がサイバー復元力市場でのリーダーとしての地位を確立し、今後の成長への大きな可能性を持っていることを示しているように見えます。
【サイバーセキュリティ】ルーブリック(RBRK)の将来性:目標株価は110ドル!最新の決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

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  • 本稿では、注目の米国サイバーセキュリティ銘柄であるルーブリック(RBRK)の12月5日に発表された最新の2025年度第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • ルーブリックは年間経常収益(ARR)が10億ドルを超え、前年比38%の成長を達成しており、これは同社がサイバー復元力市場でのリーダーとしての地位を確立し、今後の成長への大きな可能性を持っていることを示しているように見えます。 
  • 2026年度には、強力な顧客獲得力と革新的なソリューションを背景に、売上高が30%以上増加すると予測しています。
  • さらに、同社は持続可能なフリーキャッシュフローの黒字化に向けて進んでおり、2026年度にはフリーキャッシュフロー利益率が約3%に達すると見込まれています。 
  • これらの力強い成長と財務の安定性を考慮し、2026年初頭までに目標株価を1株あたり110ドルに設定し、新たにポートフォリオに追加することにしました。

最新決算を踏まえてルーブリック(RBRK)を新たにポートフォリオに追加!

ルーブリック(RBRK)は、2024年12月5日に2025年度第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算を発表しており、注目に値する成果を挙げており、同社に対する市場の評価が大きく変わる可能性があると考えています。

同社は年間経常収益の著しい成長を続けており、現在の時価総額約120億ドルは、30%を超える年平均成長率(CAGR)で拡大している10億ドル以上のサブスクリプション収益を十分に反映していないと見ています。

これを踏まえ、2026年初頭までに目標株価として1株110ドルを設定し、新たにポートフォリオに追加することにしました。

ルーブリック(RBRK)の重要な背景

私は間違えることを恐れません。

むしろ、間違いを歓迎しています。

賢く見せようとか、格好をつけようとしているわけではありません。

間違いを認め、すぐに考えを改めることでリスクを抑え、新たな投資機会を得ることができるからです。

私は当初、ルーブリック(RBRK)の成長率は鈍化すると考えていました。

その成長が比較的低い数値から始まり、前年同期との比較が容易だったことに支えられていると見ていたためです。

しかし、見過ごしていたのは、同社がSaaSに近いビジネスモデルへ移行し、売上高の多くがサブスクリプション型モデルに紐づくようになった点です。

この変化は、短期的には過去数四半期で若干の痛みをもたらしましたが、今後の安定した長期的な成長を可能にする土台となっています。

そして、この変化が、同社の今後の評価を大きく変える可能性があると見ています。

さらに、同社の経営陣が多くの株式を保有している点も魅力的です(詳細は以下をご覧ください)。

(出所:ルーブリックのSECへの提出資料)

私の経験では、経営陣が多くの株式を保有している企業は、長期的かつ持続可能な成長において非常に規律を守る傾向があります。

そのため、これは、私たちにとって大きなプラス材料と言えます。

ルーブリック(RBRK)の短期的な見通し

ルーブリック(RBRK)は、ランサムウェアなどのサイバー攻撃から企業が迅速かつ安全に復旧できるよう支援するサイバーセキュリティソリューションを提供しています。

AIとゼロトラストセキュリティアーキテクチャを活用し、データの保護と最小限のダウンタイムでの復旧を可能にする仕組みを実現しています。

Rubrikの顧客にとっての最大の価値は、迅速な復旧を実現するだけでなく、データセキュリティ管理の自動化や潜在的な脅威を完全に可視化する点にあります。

これにより、企業は業務を継続しながら機密データを効果的に保護することができます。

同社は年間経常収益(ARR)で10億ドルを突破し、前年比38%という目覚ましい成長を達成しました。

この実績は、急成長するサイバー復元力市場におけるRubrikのリーダーシップを示しています。

また、同社は革新的なRubrik Security Cloud、ハイブリッドクラウド機能の強化、AWSやPure Storageといった主要プロバイダーとの戦略的パートナーシップを通じて、さらなる成長が期待されています。

これらを踏まえ、次に同社の財務パフォーマンスについて詳しく見ていきましょう。

ルーブリック(RBRK)の売上高:来年度は前年比+30%成長の可能性

ルーブリック(RBRK)の売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

注目すべき指標はルーブリック(RBRK)の年間経常収益(ARR)であり(上記には表示されていません)、2025年度末には前年比35%増加すると予想されています。

加えて、同社はサブスクリプションARRで10万ドル以上を生み出す顧客数が前年比32%増加したことを報告しており、顧客獲得や既存顧客の拡大が順調に進んでいることを示しています。

これらを踏まえると、2026年度には同社が前年比+30%成長を達成する可能性が十分にあると考えています。

では次に、同社のバリュエーションについて詳しく見ていきましょう。

ルーブリック(RBRK)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの500倍

ルーブリック(RBRK)のバランスシートには、市場性有価証券を含めて約3億ドルの純現金が計上されています。

この金額は、10億ドルを超える売上高を急成長させる企業を支えるには十分とは言えません。

しかし、この状況で特に魅力的なのは、来年度には同社がわずかながらフリーキャッシュフローの黒字化を達成すると予想されている点です。

予想通り、直近の第3四半期の決算発表では2026年度の具体的なフリーキャッシュフロー数値についてのガイダンスは示されませんでした。

そのため、第4四半期まで待つ必要があり、その際により具体的なガイダンスが提供される予定です。

さらに注目すべき点は、経営陣がすべての良いニュースを一度に公開するのではなく、将来の発表に向けて一部のポジティブな材料を残しているという戦略です。

私としては、2026年度に同社が約3%のフリーキャッシュフロー利益率を達成すると仮定するのが妥当だと考えています。

参考として、今期のフリーキャッシュフロー利益率は以下をご覧ください。

(出所:ルーブリックの2025年第3四半期決算資料

今期、同社はフリーキャッシュフロー利益率7%を達成しました。

しかし、決算説明会では経営陣が、2026年度にはわずかにプラスのフリーキャッシュフローを見込んでいると明言しており、利益率は0%を少し上回る程度になると予想されています。

今後2四半期程度でこの予想は上方修正される可能性がありますが、注目すべきポイントは、同社が追加の資金調達を必要としない見込みであることです。

この点を私は非常に評価しています。

これにより、2026年度には約3,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出す道筋が見えてきます。

もちろん、この水準では予想フリーキャッシュフローに対する倍率が+500倍という非常に高い数値になるのは事実です。

しかし、同社はフリーキャッシュフローがようやくプラスに転じたばかりの成長途上の企業です。

現時点では、成熟企業のようにキャッシュ利益率の最大化を目指す段階には達しておらず、今は事業拡大に注力するフェーズにあることを理解する必要があります。

ルーブリック(RBRK)への投資リスク

ルーブリック(RBRK)は純粋な成長ストーリーです。

つまり、強い収益成長を実現し、2026年度のガイダンスで少なくとも前年比30%の成長を示す必要があります。

それを下回る場合、私の投資仮説は誤りだったと認め、この銘柄から撤退するつもりです。

また、懸念しているのは、同社の契約期間や請求サイクルが比較的短いため、収益成長率にばらつきが出る可能性があることです。

簡単に言えば、同社が収益を先取りしてしまい、将来的に成長が停滞する「空白期間」が生じるのではないかという不安があります。

この点については慎重に注視していきます。

さらに、クラウドストライク(CRWD)やセンチネルワン(S)などは、エンドポイントセキュリティや脅威検出(主に予防)に特化した、より広範なサイバーセキュリティ市場で競争しています。

一方、ルーブリックはデータを迅速に復旧することに重点を置いています。

とはいえ、IT予算を巡る競争が激化している中で、これが同社の市場シェア拡大に影響を及ぼす可能性があります。

つまり、現時点で状況が順調に見えていても、すべての投資には予測できないリスクが伴うということです。

ルーブリック(RBRK)に対する結論

現在のルーブリック(RBRK)のバリュエーションは一見割高に見えますが、成長企業であることを踏まえると合理的であると考えています。

同社は転換点に差し掛かっており、目覚ましい成長を遂げながら、持続可能なフリーキャッシュフローの黒字化に向けて進んでいます。

同社の年間経常収益(ARR)は10億ドルを突破し、前年比38%という力強い成長を記録しており、急成長するサイバー復元力市場でリーダーとしての地位を確立しています。

この勢いは今後も続くと予想されており、2026年度には収益が前年比+30%の成長を維持すると見込まれています。

さらに、フリーキャッシュフローが黒字化に転じることは、同社の財務面での堅実さを示しており、長期的な収益性を実現するための強固な基盤となっています。

以上より、総合的に判断して、2026年初頭までの目標株価を1株110ドルと設定し、新たにポートフォリオに追加することにしました。

また、インベストリンゴのテクノロジー・セクターのアナリストであるジェームズ・ フォード氏コンヴェクィティ社も、ルーブリックに関する下記の詳細なレポートを執筆しております。

もし関心がございましたら、是非、こちらも併せてご覧いただければと思います。

ジェームズ・ フォード氏

コンヴェクィティ社(Part 6まで続く長編です)

その他のルーブリック(RBRK)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ルーブリックのページにてご覧いただければと思います。

加えて、今回の2024年第3四半期決算を受けて、新たにクレド・テクノロジー・グループ(CRDO、セレンス(CRNC)、スノーフレーク(SNOW)、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)、ビル・ホールディングス(BILL、イノデータ(INOD)、アステラ・ラブズ(ALAB)、テラドック・ヘルス(TDOC)、レディット(RDDT)をポートフォリオに追加し、各銘柄に関して詳細な分析レポートを執筆しております。

私のポートフォリオの2025年12月時点での詳細は、下記のレポートにおいてに解説しておりますので、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。

また、私のプロフィール上にて、私をフォローしていただければ、最新のレポートがリリースされる度に、リアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることが出来ます。

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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

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